まちづくり鶴岡 – Wikipedia

株式会社まちづくり鶴岡(まちづくりつるおか)は、山形県鶴岡市に本社を置く、映画館運営などを手掛ける企業。

全国的な例に漏れず中心市街地が疲弊し、活性化を図ることが喫緊の課題である鶴岡市において、地元金融機関である荘内銀行の主導と鶴岡信用金庫の協力の他、鶴岡商工会議所加盟企業32社の出資を得て[3]、2007年(平成19年)7月、賑わいのある住みよい中心市街地づくりを目的に設立された[4]

事業の第一弾として、2008年(平成20年)4月には銀座商店街の一角に、市内企業の共同参画方式で託児施設「つぼみ保育園」を開園[5]。さらに2010年(平成22年)5月には、山王町に映画館の「鶴岡まちなかキネマ」を開館した[6]。しかし、鶴岡まちなかキネマは来館者の低迷や設備更新が迫る中、コロナ禍による休業要請も重なり、2020年(令和2年)5月22日を以って閉館した(下記参照)。閉館後もまちづくり鶴岡は、鶴岡まちなかキネマ敷地内の他の建物を活用した賃貸業、ウェブ作成事業を当面継続するとした[2]

2021年(令和3年)8月24日、山形地裁鶴岡支部より同社を清算株式会社として特別清算手続きの開始を命じられた。(2001年9月6日発行 官報 本紙 第569号 24頁 2段落目 掲載 事件番号:令和3年(ヒ)第1001号)

鶴岡市社協が建物と駐車場を取得 事務所移転へ[編集]

閉館を受け、建物と上映機材を残してもらおうと市民有志が「まちキネの存続と再生を願う会」を結成し、2020年6月22日から署名活動を行い、8月5日に確定するまでに1万619人分の署名を集め、運営会社のまちづくり鶴岡などに市民の声として伝えた[7]。その後、鶴岡市社会福祉協議会がまちキネの建物と駐車場を取得し、事務所を移転する意向を固めたことが明らかとなった[8]。これは市が11月17日に開いた市議会に対する主要事項説明会で明らかにしたもので、現在、市総合保健福祉センター2階に事務所を置くものの手狭となり、新たな事務所用地を探していた市社協が、債権団代表の荘銀と交渉を行いそれがまとまり、来年度事業として理事会で承認されたもの[9]。市社協は市民らの声を踏まえ、映画上映機能の一部を地域社会貢献の一環で残し、建物の改装を行い事務所を移転。移転後には一部施設を映画機能付き交流スペースとして貸し出す方針で、近くの山王商店街などでつくる山王まちづくりが同スペースの運営管理に当たるとしている[8]。移転は2022年度を予定し、市は改修経費2500万円程度を補助する方針[9]

鶴岡まちなかキネマ[編集]

鶴岡まちなかキネマ
Tsuruoka Machinaka Kinema
情報
旧名称 松文産業鶴岡工場
用途 映画館
旧用途 絹織物工場
設計者 高谷時彦事務所
施工 佐藤工務 鶴岡建設 マルゴ
特定建設工事共同企業体
建築主 まちづくり鶴岡
敷地面積 10,411 m²
建築面積 1,585 m²
延床面積 1,558 m²
階数 地上1階
着工 2009年(平成21年)12月
竣工 2010年(平成22年)4月
開館開所 2010年(平成22年)5月22日
所在地 997-0028
山形県鶴岡市山王町13-36
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同市山王町で操業していた絹織物工場跡地を東北公益文科大学大学院教授を務める高谷時彦の設計をもとに[10]、経済産業省の戦略的中心市街地商業等活性化支援事業による補助金を受け[11]、総事業費10億円が投じ、リノベーションを行い映画館を整備した。4つのスクリーン・総座席数437席を有し映画上映のほか、イベントなども開催していた。

しかし、来館者数が13万人の来場目標に対し、実績は8万人弱にとどまるなど低迷し[12]、施設の修繕や設備更新の再投資が必要となる中、新型コロナウイルスに伴う休業要請など厳しい状況が重なり、同業他社への売却交渉も不調と終わったため、2020年5月22日に閉館した[2]

座席数[編集]

  • キネマ1:165席
  • キネマ2:152席
  • キネマ3:80席
  • キネマ4:40席

関連項目[編集]

外部リンク[編集]