この項目では、リンゴについて説明しています。タレントおよびアイドルについては「王林 (アイドル)」をご覧ください。 熟すにつれて果皮に茶色いサビが見られるようになるが、見目に反して甘みは強くなる[3]。 王林(おうりん)は、福島県で結実したリンゴで、主に長野県、青森県などで生産される[2][4]。黄緑色の果皮の表面に茶色い果点があるのが特徴で、そばかす名人、ナシリンゴなどとも呼ばれた[4]。日本においてはふじ、津軽に次ぐ生産量を誇っている[2]。 王林は芳醇な香りと甘みの強さが特徴で、酸味が弱く、食感は非常に軟らかい[5]。果皮の表面に多く見られる果点は熟すにつれて荒れていき、細かいヒビ(サビ)となってしまうため、B級品リンゴとして安価で取引消費される[2][6]。味と値段から人気を博し、また着色管理が不要なため、省力品種として生産者からの支持も得ている[1][7]。 りんごポリフェノールの主成分であるプロシアニジンを多く含む品種であり、その含有量はふじと並んで多い[8]。また、赤色色素を作るアントシアニンが少ないため、成熟しても赤くなりにくいことから、「青リンゴ」として販売される[9][10][3]。 晩生品種であり、貯蔵性に優れているため、10月下旬より翌8月ごろまで出荷が見られるが[3]、旬の時期としては11月から翌2月ごろとなる[2]。 1931年ごろよりリンゴの品種改良に取り組んでいた、福島県伊達郡桑折町の大槻只之助はゴールデンデリシャスと印度を掛け合わせることにより、1943年に初めて結実した[4][11]。栽培当初は王林という名前ではなく、そばかす名人やナシリンゴなどと呼称されていたが、1952年、当時伊達農協の組合長を務めていた大森常重により「りんごの中の王様」という意味をこめて「王林」と命名され、市場に出回るようになった[4][5][12]。 果点の目立つ独特な外観が欠点とされ、農林水産省の品種登録には至っていない[1][12]が、1961年には桑折町の生産者によって「王林会」が設立され、王林の普及が推進された[12]。無袋栽培に適した品種であり、生産工数低減に寄与した王林は着実に生産数を増やしていき、2011年時点で5.1万トンあまりが出荷され、リンゴ品種としてはふじ、津軽に次ぐ生産量となっている[2]。アメリカ・ワシントン州では王林が奨励品種として登録されている[12]。 王林を交配親とした品種もあおり9[13]、きおう[14]、トキ[15]、秋しずく[16]など、複数登録されている。 農林水産省の「平成30年産果樹生産出荷統計」[17]による王林の2019年の都道府県別生産出荷量は以下の通り。 順位 都道府県名 収穫量(トン) 出荷量(トン) 結果樹面積(ha) 1 青森県 41,500 37,700
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