略奪者たち – Wikipedia
『略奪者たち』(りゃくだつしゃたち、I predatori)は2020年のイタリアのコメディドラマ映画。
俳優ピエトロ・カステリットの監督第1作で[3]、出演はマッシモ・ポポリツィオとジョルジョ・モンタニーニなど。
相反する社会的背景を持つローマの2つの家族の出会いと衝突をブラックな笑いで描いている[3]。
第77回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門脚本賞を受賞している[3]。
日本では2021年5月から6月まで開催された「イタリア映画祭2021」で劇場公開された他、オンライン配信された[4]。
ストーリー[編集]
ブルジョアでインテリ層のパヴォーネ家とプロレタリアートでファシストのヴィズマーラ家という別々の世界を生きてきた2つの家族が、ある交通事故によって交わったことで不穏な出来事が連鎖していくさまを描いている[3]。
オスティアに住む老女イネス・ヴィズマーラは息子の友人ダニエレを名乗る男に騙されて、安物の時計を1,000ユーロで買わされる。これに激怒した息子クラウディオにきつく責められ、深く傷ついたイネスは道路を横断中に車にはねられてしまう。
イネスはたまたま現場に居合わせた医師のピエルパオロ・パヴォーネに助けられて入院する。ピエルパオロは同僚医師で友人であるブルーノの恋人ガイアと不倫中だが、それを知らないブルーノはピエルパオロにいたずらをしかけるのが好きで、そのいたずらの度が過ぎることもある。一方、ピエルパオロの妻ルドヴィカは妥協を許さない映画監督で、息子フェデリコはニーチェに情熱を傾ける25歳の研究者である。
ある日、フェデリコは指導教授のフィオリーロからニーチェの遺体発掘グループから外されたことを知らされて激怒する。そして、母親を救ってくれたピエルパオロに感謝の気持ちを伝えに来たクラウディオが銃器店で働いていることを知ると、クラウディオから爆弾を高額で購入してニーチェの墓を破壊する。クラウディオの叔父で犯罪組織のボスであるフラヴィオは、爆弾の購入元を隠すため、クラウディオにフェデリコを殺すように命令する。脅迫はしても殺しはしないというクラウディオだったが、叔父フラヴィオのおかげで生活ができていることから、結局は命令に従うことにする。
ところが、フェデリコを射殺しようとしたその瞬間、フェデリコの父親が母イネスの命の恩人であるピエルパオロであることを知ったクラウディオは何もせずにその場を後にする。この事態に、フラヴィオに問い詰められたクラウディオは、普段から銃の訓練をさせている12歳の息子チェザーレにフラヴィオを射殺させ、「父親が殺されそうになったので撃った」ことにする。こうしてクラウディオは逮捕・収監されるが、自分を奴隷のように扱っていた叔父フラヴィオから解放され、また妻テレーザのおかげで息子の親権を失わずに済む。
それからしばらくして、ルドヴィカの映画は完成し、その披露パーティが開かれる。ピエルパオロの診断通りにブルーノは脳腫瘍で亡くなっており、ガイアは新しい恋人グリエルモをピエルパオロとルドヴィカに紹介する。そのグリエルモはイネスに時計を売りつけた詐欺師だった。
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