リジェ・オートモーティブ – Wikipedia

リジェ・オートモーティブLigier Automotive)は、様々な国際大会に出走するプロトタイプレーシングカーを専門としたレーシングカーの設計・製造・販売を行なうフランスの会社である。

前身のオンローク・オートモーティブは2012年にジャック・ニコレによって、彼のレーシングチームであるオーク・レーシングのレースカーの設計・製造・販売部門を独立会社として分社化する形で設立された[1]。オンロークはギ・リジェと合意を結んで、オンローク製の新しい開発車両の車名にリジェ(Ligier)の冠号を付けるようにした。

2018年12月、親会社エバースピードのブランド変更と再編成の一環として、名称をリジェ・オートモーティブに変更されることが発表された[2]

前身のオンローク・オートモーティブのルーツは、2007年にペスカロロ・スポールが設計したル・マン・プロトタイプのペスカロロ・01の製造継続とオーク・レーシングとの共同開発をするという内容で、2009年12月にペスカロロ・スポールの製造部門をオーク・レーシングが引き継ぐ合意をした時点まで遡る。オーク・レーシングは当時「ソルニエ・レーシング」というチーム名であったが、2008年にペスカロロ製レースカーの顧客となり、ル・マン・シリーズに2台のレースカーを参戦させた[3]。ペスカロロ・スポールが管財人による管理下に置かれた時、オーク・レーシングが結局唯一の開発会社となり、そのレースカーは「 オーク・ペスカロロ (OAK-Pescarolo) 」の名で販売活動が行われた。

2012年に、新しく発効されるル・マン・プロトタイプのレギュレーションに合わせる為に、各チームは既存のレースカーを新設計の車に交換するか、レギュレーションに適合させた改良をチームが所有する車に施すか、いずれかの対応を求められることになった。オンロークは、既存のペスカロロのシャーシに新設計の開発を加えた車を作り、新レギュレーションに適合した車を求める他のチームに販売を実施した[1]。オンロークはモーガンと提携を結び、LMP1カーには「 オーク・ペスカロロ 」 の名前を保持しながら、新設計の異なるLMP2カーにモーガンの冠名を付け、「モーガン・LMP2」としてブランド化した[4]

2013年中に、オンロークは、グループCN用のプロトタイプレーシングカーのリジェ・JS 53の進化版の開発と販売を援助する提携をギ・リジェと結び、2014年にリジェ・JS 55の名で知られる運転席がクローズド・タイプの発展型を設計した[5][6]

この提携の合意は、2014年初頭にオンロークが設計して完全に独力で製造した新しいLMP2カーの命名権にも拡大されて適用され、その車両は「リジェ・JS P2」と名付けられた[5]。オンロークとリジェは、2015年にヨーロピアン・ル・マン・シリーズに新設されたLMP3クラス用の新シャシー 「リジェ・JS P3」をJS P2と合わせてサポートしている[7]

2017年、国際自動車連盟(FIA)、フランス西部自動車クラブ(ACO)の新しい規制変更に備えて2016年に考案され、オンローク・オートモーティブは、まったく新しいシャーシをゼロから構築し、リジェ・JS P2の車のメカニズムの改善に重点を置いた、リジェ・JS P217を発表した。国際モータースポーツ協会(IMSA)のユナイテッド・スポーツカー選手権用に作成されたDPi規定では日産とジョイントし、日産 DPiを製作した。

2018年、親会社の自動車資産のブランド変更と再編成の一環として、リジェ・オートモーティブに変更。

2019年、2020年から導入される新たなLMP3規則に基づいて開発されたニューモデル、リジェ・JS P320を公開した[8]

2020年にはプジョーと提携し、プジョーが2022年よりFIA 世界耐久選手権(WEC)のLMHクラスに投入するプジョー・9X8の空力開発パートナーを務めている[9]

製造モデル[編集]

外部リンク[編集]