田部正壮 – Wikipedia

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田部正壮

田部 正壮（たなべ まさたけ[1]、1849年12月21日（嘉永2年11月7日）[2] – 1939年（昭和14年）9月21日[3]）は、日本の陸軍軍人。最終階級は陸軍中将[4]。第12代広島市長[1]。維新後の族籍は広島県士族[2][4]。

安芸国（現広島県）出身。田部友蔵の長男[2]。1872年（明治5年）、陸軍歩兵少尉心得に任ぜられる。西南戦争では教導団の引率をつとめた[5]。近衛歩兵第4連隊第1大隊長、近衛副官を経て[6]、日清戦争時には近衛師団兵站官を務め[7]、後に台湾総督府副官に転じた[8]。

1896年（明治29年）9月25日、歩兵第2連隊長[9]に歩兵中佐で任命され、翌年10月11日に歩兵大佐[10]に昇進した[2]。1903年（明治36年）7月2日、少将に昇進[11]。日露戦争では第8師団隷下の歩兵第16旅団長として黒溝台会戦に参戦[12]。さらに第3師団に属し歩兵第5旅団長を務め[13]、奉天会戦に参戦した[12]。戦後の1907年（明治40年）11月7日に中将に補せられ、同時に後備役編入となった[14]。

1917年（大正6年）10月8日から1921年（大正10年）10月7日まで広島市長を務めた[1]。

住所は広島県広島市字段原村[2][15]。

栄典・授章・授賞[編集]

位階
  • 1885年（明治18年）10月31日 – 従六位[16]
  • 1892年（明治25年）3月11日 – 正六位[17]
  • 1902年（明治35年）10月20日 – 正五位[18]
  • 1907年（明治40年）11月7日 – 従四位[19]
勲章等
  • 1889年（明治22年）11月29日 – 大日本帝国憲法発布記念章[20]
  • 1896年（明治29年）4月11日 – 功四級金鵄勲章・勲三等瑞宝章[21]
  • 1905年（明治38年）11月30日 – 勲二等瑞宝章[22]
  • 1906年（明治39年）4月1日 – 功三級金鵄勲章、旭日重光章、明治三十七八年従軍記章[23]

家族・親族[編集]

田部家
  • 父・友蔵（広島県士族）[2]
  • 妹
  • つね（1863年 – ?）[2]
  • とも（1859年 – ?、広島県士族・坪井常太郎の妻）[2]
  • 妻・とら（1864年 – ?、広島県士族・成川峰之進の妹）[2]
  • 男・章一（1883年 – ?）[2]
  • 男・浩（1888年 – ?）[2]
  • 男・馨（1897年 – ?）[2][15]
  • 男・威（1898年 – ?）[2]
  • 男・實（1899年 – ?）[2]
  • 男・修（1900年 – ?）[2]
  • 男・豊（1902年 – ?）[2]
  • 九男・辰（1904年 – ?）[4]
  • 女・かう[2]あるいはカウ[4]（1891年 – ?）
  • 女・喜代子（1893年 – ?）[2]
  1. ^ a b c 歴代広島市長広島市サイト。2022年4月5日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 『人事興信録 初版』た446-447頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2016年10月15日閲覧。
  3. ^ 「故陸軍中将田部正壮位階追陞ノ件」 アジア歴史資料センター Ref.A11114798100 
  4. ^ a b c d 『人事興信録 第3版』た14頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2018年10月6日閲覧。
  5. ^ 「3月14日　教導団伍長420名引率の井上大尉他差遣の事 浅井中佐」 アジア歴史資料センター Ref.C09081824300 
  6. ^ 『官報』第2113号、1890年7月16日。
  7. ^ 「陸路河川海路輸送の景況」 アジア歴史資料センター Ref.C06060330600 
  8. ^ 「27.10.30 台湾田部副官 臨時台湾鉄道隊付技手2名辞令の件」 アジア歴史資料センター Ref.C06061695800 
  9. ^ 『官報』第3976号、明治29年9月28日。
  10. ^ 『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』38頁。
  11. ^ 『官報』第6000号、明治36年7月3日。
  12. ^ a b 『日本陸軍将官辞典』463頁。
  13. ^ 「師団長へ衛生訓示の件」 アジア歴史資料センター Ref.C03026976900 
  14. ^ 『官報』第7310号、明治40年11月8日。
  15. ^ a b 『日本紳士録 第24版』広島13頁（国立国会図書館デジタルコレクション）。2017年9月28日閲覧。
  16. ^ 『官報』第723号「賞勲叙任」1885年11月27日。
  17. ^ 『官報』第2607号「叙任及辞令」1892年3月12日。
  18. ^ 『官報』第5790号「叙任及辞令」1902年10月21日。
  19. ^ 『官報』第7310号「叙任及辞令」1907年11月8日。
  20. ^ 『官報』第1938号「叙任及辞令」1889年12月12日。
  21. ^ 『官報』号外「叙任及辞令」1896年4月23日。
  22. ^ 『官報』第6727号「叙任及辞令」1905年12月1日。
  23. ^ 『官報』号外「叙任及辞令」1906年12月30日。

参考文献[編集]

  • 人事興信所編『人事興信録 初版』人事興信所、1903-1911年。
  • 人事興信所編『人事興信録 第3版』人事興信所、1903-1911年。
  • 交詢社編『日本紳士録 第24版』交詢社、1919年。
  • 福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
  • 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
軍職
先代：
松永正敏 		歩兵第2連隊長
第8代：1896.9.25 – 1903.7.2 		次代：
渡辺騏十郎
先代：
木村有恒 		歩兵第16旅団長
第？代：1903.7.2 – 1905.1.14 		次代：
鎌田宣正
先代：
山口圭蔵 		歩兵第5旅団長
第8代：1905.1.14 – 1907？ 		次代：
？
  • 表
  • 話
  • 編
  • 歴
広島市長
官選
区長
  • 中尾正名1878.11.1-1884.5
  • 栗原幹1884.5.28-1889.4.1
市長
  • 三木達1889.8-1889.11
  • 伴資健1889.11-1895.11
  • 佐藤正1895.1-1896.4
  • 伴資健1896.4-1906.8
  • 高束康一1906.8-1909.4
  • 小田貫一1909.5-1909.7
  • 渡辺又三郎1909.9-1910.7
  • 長屋謙二1910.7-1913.2
  • 豊島陽蔵1914.1-1914.4
  • 武岡充忠 職務管掌1914.3-1915.1
  • 吉村平造1915.1-1916.12
  • 田部正壮1917.10-1921.10
  • 佐藤信安1922.4-1925.1
  • 川淵龍起1925.8-1929.8
  • 伊藤貞次1930.5-1934.5
  • 井田完二 職務管掌1934.3-1935.1
  • 横山金太郎1935.2-1939.2
  • 藤田若水1939.12-1943.5
  • 粟屋仙吉1943.7-1945.8
  • 木原七郎1945.10-1947.3
公選
  • 浜井信三1947.4-1955.4
  • 渡辺忠雄1955.5-1959.5
  • 浜井信三1959.5-1967.5
  • 山田節男1967.5-1975.1
  • 荒木武1975.2-1991.2
  • 平岡敬1991.2-1999.2
  • 秋葉忠利1999.2-2011.4
  • 松井一實2011.4-