北海道・本州間連系設備 – Wikipedia
北海道・本州間連系設備(ほっかいどう・ほんしゅうかんれんけいせつび)は、北海道と本州の間を結ぶ一連の直流電力供給設備で、電源開発送変電ネットワークが運用している。北本連系(きたほんれんけい)と略されており、こちらのほうが一般的な名称となっている。北海道・本州間電力連系設備とも呼ばれる[1]。帰路電流は大地を流さない帰路常時導体方式が採用されている[1]。併せて北海道電力ネットワークが運用する青函トンネルを利用した新北本連系設備(北斗今別直流幹線)についても記述する。 日本全国には、連系線という電力会社相互の高電圧の送電線網が通じており、気温変動や予期せぬ発電所の停止などによる電力事情の逼迫を、電力の融通によって補う仕組み(会社間連系)ができ上がっている。 会社間連系は、発電所の建設が抑えられてコスト削減になる。特に北海道は冬に電力消費が多くなる傾向があるのに対し本州は夏に電力消費が多くなる傾向があり電力消費のピークとなる季節が一致しないため、この設備を利用する意味が生じる。一方、送電距離が長くなることや、交流と直流を変換(後述)するサイリスタによる電力ロスが発生するが交流送電よりも効率の良い直流送電が採用されている[2]。 北海道・本州間の連系設備の構想は、戦後、北海道産石炭の有効活用を図るため、北海道の火力発電所で発電させた電力を本州へ送電する目的で構想が生まれたが、当時は交直変換技術が未熟であった上、石炭を本州へ運んで発電した方が安上がりとなる試算が出て立ち消えとなった。1960年代後半になると交直変換技術の目途が立ち、現代の目的に沿った本州と北海道間の連系構想が1971年に具体化[3]。設備は、1972年に建設が開始され、1979年12月に運用が開始された。 ケーブルを敷設することとなった北海道側海域は、コンブやホッケの好漁場であり、漁具により破損しないよう海岸から水深50mの間は、ケーブルを海底下1.5mに埋設する必要が生じたこと。また、函館交直変換所の敷地において縄文時代晩期の遺跡が発掘されたことにより、工事完成には時間を要した[4]。 2019年3月 (2019-03)には、北海道電力初となる直流連系設備により新たな経路で建設した北本連系設備が運転を開始し、送電能力が60万キロワットから90万キロワットに増加した[5][6]。 交直変換所 250kV直流 北海道電力ネットワークの供給区域 東北電力ネットワークの供給区域 500kV交流 275-187kV交流 北海道電力ネットワークでは、一次変電所である西当別変電所を起点に、西野変電所・西双葉開閉所を経由し大野変電所へと至る「道央北幹線・道央西幹線・道南幹線」を連系線としており、主に泊発電所(原子力発電所)や知内発電所(火力発電所)で発電された余剰電力を東北電力ネットワークに供給できる態勢がとられている。なお、北海道電力ネットワークから供給された電力を東北電力ネットワークの送電網を通じて東京電力パワーグリッドなど他社へ供給する場合もあり、これを「振替供給」という[7]。 津軽海峡をまたぐ区間については、条件が厳しい海底への敷設ということや、効率良く送電することが求められることから、直流送電を行っている。この直流送電を行うための一連の施設群が「北海道・本州間連系設備」であり、1979年(昭和54年)から運用が始まった。これにより、北海道のみ連系線から取り残されていたことによる電力供給の不安[注 1]が緩和されたほか、北海道の余剰電力を道外に供給できるようになったことで、本州側から見た場合は連系線の強化につながることになった。 第1期連係 150MW , 125kV ,
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