濱野智史 – Wikipedia

濱野 智史(はまの さとし、1980年8月8日 – )は、日本の社会学者、批評家、元アイドルプロデューサー。専攻は情報社会論・メディア論・インターネットコミュニティ・情報環境など。

東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士課程修了。2005年より国際大学GLOCOM研究員。2006年より株式会社日本技芸リサーチャー。2011年から千葉商科大学商経学部非常勤講師[1]

インターネットコミュニティの研究を専門としており、大学院在学中の2004年に東浩紀主催のメールマガジン「波状言論」に「アメリカのblog・日本の2ちゃんねる―テキストサイトの現在(3)」を発表しデビュー。その後、ised@glocom のスタッフを務め、2008年NTT出版より著書『アーキテクチャの生態系』を上梓した。同書ではミクシィ、ツイッター、セカンドライフ、2ちゃんねるなどの様々なネットサービスに触れながらそれらをアーキテクチャという観点から分析し、第25回テレコム社会科学賞を受賞した[2]。ニコニコ動画の動画やケータイ小説といったコンテンツについての考察(N次創作、操作ログ的リアリズムなど)も行われ、それらは大塚英志の物語消費論や東のデータベース消費論を発展させた議論といえる[3]

2011年夏頃から、宇野常寛・小林よしのり・中森明夫らの影響によりアイドルグループAKB48(およびそのメンバーである島崎遥香)のファンとなり[4][5]、同一CDを数十枚単位で購入するほどに至っている[6]。以降、彼らとともにAKB48について評論した『AKB48白熱論争』やAKB48と宗教の関係について論じた『前田敦子はキリストを超えた 宗教としてのAKB48』を出版するなど、アイドルに関する論評を行っている。

さらに、AKB評論家の中でも宇野と並び指原莉乃を擁護する意見を言う『親指原』としても知られている[要出典]

2014年6月に「アイドルを作るアイドル」をコンセプトとしたアイドルグループ「Platonics Idol Platform」を結成し、プロデューサーとして活動する[7]

N次創作
起点となるコンテンツを構成要素としてその派生作品を制作することを二次創作というが、それに続いて二次創作された作品を構成要素としてその派生作品がつくられ、さらにそれが構成要素となり…という連鎖が続いていくことをN次創作と呼ぶ。動画投稿サイトのニコニコ動画で顕著に見られる[8]
操作ログ的リアリズム
ケータイ小説の『恋空』において、作品中に埋めこまれた「登場人物が行う携帯電話の操作ログの集積」が、(近代文学とは異なる形で)リアリティを担保しているという議論[注 1]
キャラクラシー(キャラクター民主制)
ネット空間の匿名的集合知を政治の場に生かす新しい民主政治のあり方として、通常のように生身の身体を持った人間を政治家にするよりも、インターネット上での有志の協議によって作成された公約を持ったなんらかの虚構のキャラクター(例えば初音ミク)を選挙に出馬させて政治に参加させたほうがよいという構想・思考実験のこと[9]
  • NEWS WEB第2期生(水曜日 2013年度)
  • 『アーキテクチャの生態系 情報環境はいかに設計されてきたか』NTT出版 2008年10月。ちくま文庫 2015年7月。ISBN 978-4480431837。
  • 『前田敦子はキリストを超えた 宗教としてのAKB48』ちくま新書、2012年12月。ISBN 978-4480067005。
共編著

注釈[編集]

出典[編集]

外部リンク[編集]