腕 (頭足類) – Wikipedia

ウスベニコウイカ Sepia lorigera を口側から見た写真。
写真の上が背面、下が腹面。腕には番号を付した。
I:第1腕、II:第2腕、III:第3腕、IV:第4腕、T:触腕。中央部が口で、上部の出っ張りは貝殻の前端、下部の出っ張りは漏斗。

頭足類における(うで、arm)は、口の周りにある器官(付属肢 appendage)である[1]。これは他の動物における足であるが、餌を捕らえたり、雌を抱きかかえたり、物を運ぶ機能を持つため、慣習的に「腕」と呼ぶ[2]

タコ(八腕形類)やイカ(十腕形類)からなる鞘形亜綱(鞘形類、二鰓類)では、背側から腹側に向かって左右それぞれ第1腕第2腕第3腕第4腕の4対の腕が口を取り囲むようにあり、更にイカ(十腕形類)では第3腕と第4腕の間から触腕と呼ばれる特殊な腕が伸びる[1][2][3]。この2本の触腕の有無および、下記の吸盤の形状により八腕形類と十腕形類が区別される[3]。鞘形類の腕には吸盤(きゅうばん、sucker)や(かぎ、hook)がある[3]。雄では一部の腕に生殖のための特殊化が見られ、交接腕となる[3]

オウムガイ類では腕は特に触手(しょくしゅ、cirrus)とも呼ばれ、数十本の短い触手が2列になって口の周囲を取り囲む[4]。オウムガイ類の触手には吸盤がなく、粘着性の分泌物で付着する[3]

腕の進化的起源[編集]

頭足類の体は頭部の前に腕が位置するため、他の軟体動物とは大きく異なっている。「軟体動物における足」 (なんたいどうぶつにおけるあし、molluscan foot)は軟体動物の形態の中で主要な構造である[1]。腹足類では足は這うための筋肉質の足(sole)となっているのに対し、頭足類では、足は漏斗、そしておそらく腕および触腕に分化している[1]。その変化はベントスからネクトンへの生活様式の変化に伴う体制の改変によると理解されている。

腕は現生の頭足類が持つ共有派生形質である。オウムガイの発生様式から、頭足類の頭部の体制は祖先的な軟体動物の体の構造を独自に再構成して形成していることがわかっている。オウムガイの胚は発生の初期段階では左右相称で前後に長く、頭部、足、脳、外套膜、殻の形態と配置が単板類や腹足類の基部系統の体制に類似しているため、原始的な軟体動物(有殻類)の構造を反映していると解釈される。

腕の進化的起源は議論されてきたが、現在はオウムガイの腕原基が体の側方に沿って前後に1列に並んだ芽状の原基から形成され、それが移動するという発生学的証拠により、頭足類の腕が頭部ではなく軟体動物における足が口の周囲に移動し変形したものに由来すると考えられている[1]。また古くは腕の神経が頭部に接続しているという解剖学的証拠から頭部の変形と考えられたこともあったが[1]、実際はこの時期に腕の原基が足神経索から神経支配を受けることから、足の変形とする解釈が支持される。

ウスベニコウイカ Sepia (Doratosepion) lorigera の雄の外部形態。第1腕が長い。L: 左, R: 右。
Arms: 腕, I: 第1腕, II: 第2腕, III: 第3腕, IV: 第4腕, Eye: 眼, Head: 頭部, Tentacle: 触腕, Tentacle stalk: 触腕柄, Tentacle club: 触腕掌部, Fin: 鰭, Mantle: 外套膜, Spine: 貝殻(甲)の棘。

腕は触腕に対して通常腕と書かれることもある[2]。頭足類は雌雄異体であり、全ての種ではないが、外部形態に性的二形を示すものが多い[6]。特に雄では腕が不等長になるのに対し、雌は腕がほぼ等長 (subequal)となるものが多い。

種によっては腕の間に傘膜(さんまく、umbrella)または腕間膜(わんかんまく、interbrachial membrane, interbrachial web[7])と呼ばれる膜が発達する[3]。タコ類では腕を拡げたとき傘状の見た目をなすが、多くのイカ類では腕間膜は小さいか、欠如する[1]

第1腕[編集]

第1腕 (first arm, dorsal arm)は最も背側に位置する1対の腕である。英語ではdorsal pair, upper pair[1]とも呼ばれ、しばしば[1]と略記される。

コウイカ属 Sepia エゾハリイカ亜属[8]Doratosepionに属する、ボウズコウイカ Sepia erostrata Sasaki, 1929やウスベニコウイカ Sepia lorigera Wülker, 1910、ウデボソコウイカ Sepia tenuipes Sasaki, 1929などの雄では第1腕が伸長し、最も長くなる[9][10][11]。特にトサウデボソコウイカ Sepia subtenuipes Okutani & Horikawa, 1987の成熟雄では、第1腕が触腕より長く伸びる[12]

ダンゴイカ Sepiola birostrata Sasaki, 1918やミミイカ Euprymna morsei (Verrill, 1881)では雄の左第1腕が交接腕化する[13]。それに対しボウズイカ Rossia pacifica Berry, 1911では雄の左右第1腕がともに交接腕となる[13]

アオイガイ Argonauta argo Linnaeus, 1758の雌では、第1腕は殻分泌のために背側(反口側)の保護膜が著しく拡張して半扇形となり、腕の末端がこの膜と癒合している[14]。保護膜により第1腕基部の断面は三角形になる[15]

第2腕・第3腕[編集]

第2腕 (second arm)は第1腕の外側に位置する1対の腕で、しばしば[1]と略記される。第3腕 (third arm)は第2腕の外側に位置する1対の腕で、しばしば[1]と略記される。第2腕と第3腕と併せてlateral armsと呼ばれることもある[15]

コウイカ属 Sepia エゾハリイカ亜属 Doratosepionの雄は第1腕が伸長することが多いが、シシイカ Sepia peterseni Appellöf, 1886やエゾハリイカ Sepia andreana Steenstrup, 1875の雄では第2腕が最も長く伸びる[16][17]。シシイカの雄の第2腕は、最も長いものでは外套長の3.8倍となり[16]、触腕長を優に超す。生時のシシイカは第2腕をコイル状に巻き、コンパクトに収納している[13]。テナガコウイカ Sepia longipes Sasaki, 1913はウスベニコウイカのように第1腕が伸長するが、それと同時に第2腕も伸長する[13]。ウデボソコウイカ Sepia tenuipes Sasaki, 1929の雌では第2腕、第3腕の先端がともに急に細まり、糸状になる[11]

第4腕[編集]

第4腕 (fourth arm, ventral arm[1])は他の腕と違い、唯一最も腹側に位置する1対の腕(ventral pair)である。しばしば[1]と略記される。

世界最小級であるヒメイカ Idiosepius paradoxus (Ortmann, 1881)では、左右両第4腕とも交接腕化するが、うち右第4腕には肉襞が見られ、左第4腕の先端には半月形の膜を生じる[13]

イカでは左第4腕が交接腕化することが多い。アオリイカ Sepioteurhis lessoniana Férussac, 1831, in Lesson, 1830-1831では、雄左第4腕の先端1/4の吸盤が消失し、円錐形の肉質突起が2列に並んで交接腕となる。

行動[編集]

イカの腕は獲物や物体の操作、遊泳、そして繁殖に重要な役割を果たす。獲物を捕らえるのに特化した触腕とは違い、腕はあまり大きな長さの変化はない。その代わり、多くのことをこなすのに屈曲運動が必要であり、腕全体を曲げることも、腕の一部だけを使うこともある。前後軸方向のねじりも普通である。

タコの8本の腕は獲物の捕捉、移動、物体の操作、毛繕い、埋没、交接、防御、化学感知、そして触覚など様々な機能に使われる。タコの腕は十腕類の腕と触腕のもつ全ての運動を両方とも合わせたものである。腕は顕著に伸長および短縮され、曲げたり巻いたりする複雑で多様な運動ができ、また両方向へのねじり運動を作り出す。加えて腕は硬さを能動的に制御できる。実際、タコの腕は新しい型のロボットアームの構造とデザインの着想となり、ロボット工学の材料となる。

腕長式(わんちょうしき、arm formula)は4対の腕の相対的な長さを降順に並べたもの[1]。Ⅳ>Ⅲ>Ⅱ>Ⅰのように、最も長い腕を最初に、最も短い腕を最後に並べる[1]。また、第4腕が最長で第2腕、第3腕が等長、そして第1腕が最短であるときⅣ>Ⅲ=Ⅱ>Ⅰのように表す[1]。八腕類(タコ)では、第3腕は交接腕でない方を腕長式に用いる[1]

表記方法にはバリエーションがあり、Sasaki (1929)や奥谷ら (1987)などでは、算用数字を使って1>4>2>3のように表される。また、1>2>3≒4のように「≒」を用いてほぼ等長を表したり[20]、1>2≧3≧4のように「≧」が用いられたりする[21]。奥谷ら (1987)の欧文部分では、Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ≒Ⅳのようにローマ数字をコンマで区切って表記される[20]。FAO (2005)では、用語集にはⅣ>Ⅲ>Ⅱ>Ⅰのようにローマ数字および不等号で例示されている[1]が、本文中では、Ⅳ, Ⅲ, Ⅱ, Ⅰのように奥谷ら (1987)の欧文と同じ表記[22]や3, 4, 2, 1のように算用数字とコンマを使った表記[23]、3:2:1=4のような表記[24]が見られる。

特殊な腕[編集]

触腕[編集]

触腕(しょくわん、英: tentacle)はイカ(十腕)類のみがもつ、伸縮自在で、餌を捕獲するための特殊な腕[2][1]であり、左右の第3腕(Ⅲ)と第4腕(Ⅳ)の間から伸びる[25]

イカでは、口を取り囲む10本の付属肢のうち、触腕と呼ばれる1対のみが獲物を捕らえるのに特化している。捕食行動は急激な触腕の伸長が関与し、吸盤を具えた触腕掌部が獲物を攻撃する。ヤリイカ科では、20–40ミリ秒で獲物に到達し、2 m/s以上の最大伸長速度、約250 m/s2 の最大加速度で触腕の40–80%に伸長する。吸盤で獲物に引っ付き、触腕柄が短くなり、消化するために獲物を動かす8本の腕の内側まで獲物を持ってくる。一度獲物が捕捉され腕まで移動されると、触腕は獲物を離し、獲物を操作しなくなる。

コウモリダコ Vampyroteuthis infernalis Chun, 1903では2番目の腕が長く糸状の構造となっており、タコ類ではこれを欠いていると解釈される[1]

交接腕[編集]

交接腕 (こうせつわん、ヘクトコチルスhectocotylus, hectocotylized arm)は雄が持つ、雌に精包およびその中の精子を渡すために変形した腕(普通腕)である[27]化茎腕生殖腕とも呼ばれる[27]。成熟とともに一定の腕が交接腕に変形する現象を化茎現象(かけいげんしょう、hectocotylization[27]または交接腕化という。交接腕はその種によって変化の様式と腕の位置が決まっている[27]

イカでは腕の末端よりの吸盤のいくつかが消失し、吸盤柄が櫛の歯状に並ぶものや特別な膜や突起が生じるものがある[27]。タコでは腕の先端が匙状になり、そこまで精包が通る溝が走るものがある[27]。普通コウイカ類のもつ交接腕は再利用できるが、アオイガイ科やアミダコ科の雄では一生に一度しか交接できず、精子を満載した交接腕が雌の体内に挿入されると、切り離され雌の外套腔内に残る[27]

英名 hectocotylusの名は、ギリシア語で100を意味するἑκατόν (hekatón)に由来する接頭辞 hecto-と小さな器を意味するギリシア語のκοτύλη (kotýlē)からなり[28]、1829年、ジョルジュ・キュヴィエがアオイガイの交接腕を寄生虫と誤認し百疣虫 Hectocotylus octopodis Cuvier, 1829と命名したことによる[27]

タコとイカの吸盤の違いと触腕掌部の吸盤列

吸盤(きゅうばん、sucker)は腕および触腕の口側 (oral)に一定に配列し、他物に吸着するための盤状構造[29]。イカ類(十腕形類)の吸盤は基部が柄のように細くなっており、吸盤の内部には角質環(かくしつかん、chitinous ring, horny ring)と呼ばれる硬い有機質のリングがある[3]。一般に4縦列 (quadserial)で配置される[29]。タコ類には柄も角質環もなく、この吸盤の構造の違いが「イカ」と「タコ」を区別する最も重要な形質である[3][29]。メンダコ類の腕には吸盤に加えて触毛(しょくもう、cirrus)が生えている[3]。タコ類の吸盤は吸着によって、イカ類の吸盤は角質環でしがみつくことによって機能する[3]

オウムガイ類の触手[編集]

オウムガイ Nautilus触手(しょくしゅ、cirrus)は非常に多く、Owen (1832)による3つのグループに分類される。

  • preocular tentacle(眼前方の触手)と postocular tentacle(眼前方の触手):それぞれの目の前後に1つずつある。
  • labial tentacle(口唇の触手):口器をとり囲む葉上に配列された数に変異がある。そのうちのいくつかは雌雄ともに第二次性徴で変化。
  • digital tentacle(指状の触手):labial tentacles を取り囲みそれより長く伸びる。19対ある。

内部構造[編集]

鞘形類の腕は硬い骨格を持たず、筋肉流体静力学装置[註 1]muscular hydrostat、筋肉包骨格[33])と呼ばれる骨格支持機構による筋繊維の三次元的な配列な構造を持つ[31]。更に、多くの無脊椎動物が持つ水力学的骨格(hydrostatic skeleton、流体包骨格[33]、流体静力学的な骨格[34])として働く完全に液体に満たされた体腔を持たない[31]。つまり古典的な水力学的骨格の概念とは異なった仕組みで支えられている。そのため支持、力の伝達、筋肉の反発、そして力の増幅や置換は典型的な硬い骨格や水力学的骨格からもたらされるのではなく、代わりに以下に示す筋肉が運動の効果器として、また骨格の支持に働く。筋組織が体積変化に反発することにより腕が支持され、運動できる。頭足類の筋肉細胞は小さく、ふつう長さは1 mm(ミリメートル)以下である。腕の機構は基本的に、「付属肢の体積は基本的に一定であるため、ある面が縮小すると他の面が拡大する」という非常に単純な原理により動く。

筋繊維は互いに垂直な3方向に配列しているため、3次元方向に全て能動的に制御され、運動と変形が顕著に多様となる。鞘形類の腕と触腕では以下の3つの主要な筋肉の配向が観察されている。

  • 横走筋繊維 (transverse muscle fiber) – 前後軸に垂直な面に配列される
  • 縦走筋繊維 (longitudinal muscle fiber) – 典型的に前後軸に平行な束で配列される
  • 螺旋状または斜めに配列される筋繊維 – 右巻き螺旋、左巻き螺旋両方の配列がある

これらの筋肉のグループの選択的な活動により、付属肢の伸長、短縮、屈曲、ねじれおよび硬直が生み出され得る。最も多い筋繊維の種類は斜紋筋 (obliquely striated muscle)である。斜紋筋は無脊椎動物特有の筋肉で、独特の筋繊維構造を持っている[35]。横紋筋繊維は獲物を捕捉するイカの触腕の横走筋塊でのみ見られる。これらの繊維は普通短いミオフィラメントおよびサルコメアを持ち、触腕の急速な伸長に必要な高い収縮速度を生み出す。鞘形類は収縮速度を調節するために組織特異的なミオシンのアイソフォームではなく超微細構造の修飾 (ultrastructural modifications)を用いるらしい。

十腕類の触腕[編集]

筋肉組織の形態学と微小解剖学[編集]

axial nerve cord(以降、ANC[註 2])は触腕柄の中心を縦に走り、横走筋 (transverse muscle)の大きな塊に囲まれる。この塊の中にある筋繊維の束は触腕の径を横断し、その前後軸と直行するように拡がる。横走筋繊維の束が周辺に向かって拡がるときに、それらは触腕の前後軸と平行に配列した縦走筋 (longitudinal muscle)繊維の束の間を通る。それらが触腕柄の外表面に至る際、横走筋塊の筋繊維の束の中には横走筋および縦走筋の中心部を取り囲む薄い輪走筋 (circular muscle)層の一部となって見られるものもある。輪走筋層は1対の螺旋状に並んだ筋繊維の薄層により囲まれる。内側の層と外側の層は巻き方に対置され、fiber angle(螺旋状の繊維と前後軸がなす角)はアメリカケンサキイカ Doryteuthis pealeii (Lesueur, 1821)では、触腕を縮小させたときの最大約67°から、触腕を完全に伸ばした際の最少約36°となる。螺旋筋 (helical muscle)の層は表層の縦走筋の層に取り囲まれる。

結合組織はANCを取り囲む層にあり、上記の様々な筋肉群の接合面に存在している。結合組織も様々な筋肉塊の中にある筋繊維の間に存在している。触腕柄を一周取り囲んでいるのは、色素胞、血管、そして神経を含んだ疎性真皮結合組織である。単層立方上皮および単層円柱上皮が触腕柄を完全に覆う。

支持と運動の生体力学[編集]

筋組織や他の組織は圧力変化に応じて体積変化しにくいため、触腕の支持および運動ができ、触腕の体積は基本的に一定であるため、ある面の縮小により別の面の拡大が起こる。捕食行動の際の急激な触腕の伸長は、横走筋およびそれと連携した輪走筋の変化により起こる。その短縮により横断面積が減少するが、体積は少ししか減少しないため、触腕長は増加する。触腕の短縮は縦走筋の収縮により、縦走筋は横断面を増加させることによって横走筋組織を再び拡張する。従って、横走筋と縦走筋は脊椎動物の関節の裏側の筋肉と類似した拮抗筋として働く。

横走筋は直交するパターンで並び、横走筋の収縮により触腕の高さと幅がともに減少するため、横走筋および輪走筋繊維の変位と収縮速度が増幅される。この横断面の減少は触腕の伸長 (長さの1乗) をもたらす面積 (長さの2乗) の減少を表し、よって横走筋と輪走筋の短縮が増幅される。放射軸方向の張力εrと前後軸方向の張力εlの関係は、下式のように表せる。

εr = (1+εl)1/2−1

例えば、直径の僅か25%の減少のみで、典型的な獲物の捕捉の際の、触腕の伸長の約80%になる。この変位の増幅は出力よりも入力の方が比較的短い、硬い骨格(外骨格および内骨格)のてこ装置と類似している。機械的な増幅は触腕の素早さに一部寄与し、それに加え、横走筋および輪走筋繊維は高い短縮速度への特化を示す。

右巻きまたは左巻きの螺旋筋の層 (helical muscle layers)は前後軸を中心とする触腕のねじれの原因となる。触腕の攻撃における伸長の相では、触腕はよくねじれ、獲物の向きによってどちらの方向にも曲がる能力があることが確認されている。このねじれは、触腕が付いた面で獲物を捕捉するため、触腕掌部の方向を変えるのは重要である。生体工学的分析では、螺旋筋の層の収縮の巻き方によりねじれがおこるとされる。螺旋筋の層は、触手が伸長したり短縮したりする際に、螺旋の経路長の変化に対応しなければならない。触腕が完全に収縮した状態から伸長すると、螺旋筋は短くなり、 54°44′までに達する。触腕がこの点を超え、fiber angle がさらに減少すると、螺旋筋が伸長される。周縁部の螺旋筋の層はより中央部の位置に比べ、トルクを適用することができるより大きなモーメントをもたらす。

十腕類の腕[編集]

筋肉組織の形態学と微小解剖学[編集]

上記の触腕で述べたように、腕の中心軸に沿って前後軸に走るANCは横走筋塊に囲まれている。横走筋塊の筋繊維は腕の前後軸に垂直に扁平に並んでいる。これらの筋繊維の束は Graziadei (1965)により肉柱[38] (trabeculae)と呼ばれた繊維の薄膜として、縦走筋の束の間に拡がっている。口側と反口側[註 3]の縦走筋の束の間を通った後、肉柱は繊維状結合組織の薄層に入り込む。側方に拡がる筋繊維の束は腕の斜走筋を取り囲む結合組織に入り込む。

腕の両側に位置する斜走筋 (oblique muscle) は口側と反口側の繊維性結合組織に起源し、そこに挿入されている。結合組織の繊維は交叉した繊維配列に並んでおり、その半分は右巻き螺旋を描き、もう半分は左巻き螺旋となっている。その繊維は腕の前後軸に対し72°の fiber angle をなしている。 斜走筋対の筋繊維はともに結合している結合組織の繊維と同じ fiber angle をなしている。そのため、斜走筋およびそれと結合する結合組織の層は筋繊維及び結合組織の繊維の右巻き螺旋と左巻き螺旋の複合体を形成している。

斜走筋とそれに結合する結合組織を取り囲んでいるのは、3つの縦走筋の束で、1本は口側に、残りの2本は側面に位置している。腕の反口側の表面は泳膜と呼ばれる前後軸に沿った鰭状の突起も含んでいる。泳膜の核心部は非繊維性結合組織から構成され、泳膜の横方向に拡がる散在した筋肉塊と 核心部を覆う薄膜として拡がる縦走筋繊維からなる。 吸盤列が腕の口側表面から突出しており、保護膜によって両側を取り込まれている。

腕は色素胞や虹色素胞、血管や神経を含む疎性結合組織の真皮に覆われている。単層立方表皮から単層円柱上皮がその真皮を覆う。

支持と運動の生体力学[編集]

腕の最も重要な運動の一つである屈曲は腕の曲げた部分の内側半径側の縦走筋の選択的な収縮を必要とする。横断面の口側に存在し、口側方向に力強く曲がる特に大きな縦走筋の束は獲物の操作に特別重要であるが、縦走筋の束は横断面の全周を取り囲み存在しているため、あらゆる面への屈曲が可能である。縦走筋の収縮は、この力に反発するいくつかのメカニズム以外の、曲げるよりも単に腕を短くする傾向のある前後軸方向の圧縮力を作り出す。腕の組織の体積変化への反発は前後軸方向の圧縮への反発をもたらすのに重要である。腕の体積は基本的に一定なので、あらゆる短縮は径の増加をもたらす。前後軸の圧縮力に反発するため直径の増加は妨げられるに違いない。横走筋は腕の直径を制御することができるように並び、屈曲に必要な前後軸の圧縮への反発をもたらす。それゆえ、能動的な腕の屈曲には腕の縦走筋および横走筋繊維をともに同時に収縮する運動を必要とする。上記のような状況では、横走筋は縦方向の繊維が腕の1側面を短くするとき、直径を維持し、前後軸の圧縮に抵抗する。屈曲はまた、腕の1側面(屈曲の内側半径)の縦走筋が伸長に反発する限り、横走筋を短くすることにより直径を減少させることで起こりうる。屈曲のための横走筋または縦走筋の短縮の相対寄与は変化し、上記のような2つの状況は連続体の終点を代表する。縦走筋の束は、中立面に近いより中央の位置に比べ、曲げモーメントを増加させる腕の周縁部に位置する[註 4]

腕をねじるのに必要な捻り力は斜走筋と、連携した交叉した繊維結合組織の薄層によりもたらされる。右巻きの筋肉および左巻きの筋肉と結合組織繊維層が存在する。任意の巻き方の繊維は腕の全長を螺旋状に覆う筋繊維と交互に並ぶ結合組織繊維の複合体と見なされる。その複合体系の一つの収縮は螺旋繊維系の巻き方に応じたねじり方向に腕をねじる。腕のねじり剛性は右巻きと左巻き両方の斜走筋系の収縮活性とともに増加しうる。ねじり剛性の能動制御は もがく獲物を制御するのに特に重要である。斜走筋の配置は中立軸に近いより中央の位置 (中立軸はねじれの梁の中心に位置し、剪断応力を受けない) よりも、トルクが適用できるより大きいモーメントをもたらす周縁部に位置する。

八腕類の腕[編集]

筋肉組織の形態学と微小解剖学[編集]

タコの腕の横断面。
EP: 表皮; LM: 縦走筋繊維; TR: 肉柱(縦走筋束の隙間に広がる横走筋繊維の束); CT: 結合組織; CM: 輪走筋層; TM: 横走筋繊維; ANC: 軸性神経索; OME: 外側斜走筋層; OMM: 中間斜走筋層; OMI: 内側斜走筋層; SU: 吸盤。
タコの腕の横断面(上部の拡大図)。黒色の枠が縦走筋繊維(上図のLMと対応)赤色の枠が縦走筋繊維を取り囲む肉柱(上図のTRと対応)

タコの腕の筋肉組織は Graziadei (1965, 1971)により、吸盤内在筋組織 (intrinsic musculature of the suckers)、腕内在筋組織 (intrinsic musculature of the arms)、腕の筋組織と吸盤を結び付ける腕吸盤筋組織 (acetabulo-brachial musculature)の3つに分けられている。腕内在筋組織は従来、Octopus bimaculoidesOctopus briareus そして Octopus digueti で観察されてきた。

上記のような十腕類の腕と触腕のように、ANCは腕に沿って前後軸に拡がり、腕の前後軸に垂直な面に配列した繊維とともに横走筋塊の筋繊維を取り囲む。横走筋塊の筋繊維の束はほぼ直交して配列し、どちらも口側から反口側の表面に拡がるか、これに対し直角となって、左右に拡がる。口側から反口側表面に拡がる横走筋繊維の束は腕の口側と反口側で厚い交叉繊維結合組織の薄膜上にできる。その繊維の束は縦走筋繊維の束の間に拡がる肉柱という前後軸の薄膜中で腕の中心軸に向かって突出する。多くはANCを取り囲む繊維性結合組織の層上に入り込むか、腕の逆側の繊維性結合組織の薄膜上に入り込んで拡がる。腕の左右に拡がる横走筋繊維の束は腕の両側に位置する外側斜走筋を取り囲む結合組織で、縦走筋の束の間の肉柱という形で、または斜走筋を通る個別の束として縦走筋と斜走筋を通る。多くはANCを取り囲む結合組織上に入り込む。左右に走る横走筋繊維の束の一部は口側を通り、特に反口側ではANCに向かい、外側斜走筋を取り囲む結合組織上に入り込み逆側に拡がる。しかし、腕の長軸に対し垂直な横走筋繊維の方向はタコの種類によって一般的でないかもしれない。Feinstein et al. (2011) により、Octopus vulgaris の腕の横走筋繊維は腕の横断面に限定されないことを報告されている。

縦走筋繊維の束は横走筋の肉柱の間の腕の全長に拡がる。反口側部分の象限の横断面積は他の象限に比べ大きいにも拘らず、縦走筋繊維の束は横走筋塊の全方向に存在し、横断面の全周は縦走筋の束を含む。三日月形の縦走筋の層が中間斜走筋および外側斜走筋の間に存在する。

斜走筋繊維の3セットは 腕の両側に存在している。外側斜走筋は腕の内在筋を取り囲み、最も表面にある。中間斜走筋はその中間に位置し、上記の縦走筋繊維により外側斜走筋と分断されている。内側斜走筋は最も中心にあり、横走筋の核心部の両側に位置する。任意の斜走筋の巻き方は腕の反対側にあるその対となる斜走筋の逆向きである。加えて、任意の側で、外側斜走筋および内側斜走筋の巻き方は同じで、内側斜走筋の巻き方と逆になっている。外側斜走筋および中間斜走筋は口側および反口側の結合組織の薄膜上に起源し、そこに入り込んでいる。中間斜走筋および外側斜走筋の fiber angle はそれらが接着している繊維性結合組織の層のものと類似している。特に O. bimaculoides の平均の角度は 63°–74°である。内側斜走筋の繊維は明確な起源と挿入を示さず、代わりに縦走筋組織および横走筋組織と咬合して見られる。内側斜走筋の fiber angle は測定された種では平均42° から56°までの範囲であり、中間斜走筋および外側斜走筋の fiber angle に比べ小さい。

腕の内在筋を取り囲んでいるのは腕の周りを一周並ぶ繊維とともに輪走筋の薄層である。その層は腕の反口側で最も厚くなり、反口側の結合組織の薄膜と外側斜走筋を包み、口側の結合組織の薄膜上に入り込む腕の口側に向けて拡がる。

支持と運動の生体力学[編集]

タコの腕における支持と運動は上記の十腕類の腕と触腕と同様に、腕の筋肉組織の体積変化への反発による。タコの腕は顕著な運動の多様さと複雑さをもち、全ての運動は前述の伸長、短縮、屈曲そしてねじれの4つの基本的な腕の変形の組合せによって生み出される。タコの腕は一部分だけに限って変形したり、腕の全長に亘って変形したりするため、注目に値する。加えて、その変形は個々の腕の1つの場所または複数の場所でおこる。屈曲運動はあらゆる面でおこりうるし、ねじれ運動は両方向で観察される。緊張、収縮、屈曲とねじれの剛性は能動的に制御できる。

腕の組織が体積変化に反発すると、横断面の減少は長さの増加をもたらす。横断面のこの減少は横走筋塊の筋繊維の収縮により作り出されるようである。 その伸長は局所的で横走筋の一部のみと腕の全長に亘っての両方でおこる。輪走筋の薄層もその収縮が腕を伸長させるように方向づけられるが、その生理学上の横断面積はほんの小さく、そのため伸長のために作られる力も小さい。輪走筋の層の働きの一つに姿勢を維持するための腕の緊張をもたらすことがありうる。

短縮は腕の全長に拡がる縦走筋の束の収縮に関与するらしい。腕が体積変化に反発するため、腕の短縮は横断面の増加をもたらし、それにより横走筋繊維および輪走筋繊維の伸長の原因となる。従って、横走筋繊維と縦走筋繊維は拮抗筋として働き、互いに再び伸長するために必要な力を生み出す。

屈曲運動に必要な筋肉の活性化は上記のイカの腕の屈曲と同様である。能動的な屈曲は屈曲の内側半径を示す腕の側面に沿った縦走筋の束の選択的な収縮を必要とする。単に腕を短くする前後軸の圧縮力に反発することを必要とする支持は横走筋塊によりもたらされる。従って、能動的な屈曲運動は同時に横走筋と縦走筋の収縮を必要とする。また腕の片側(屈曲の内側半径)の縦走筋が一定の長さを維持する際、横走筋が横断面を減少させると屈曲が起こることがある。上記の十腕類の腕のように、ここで与えられる2つの例は恐らく横走筋及び縦走筋の相対的な短縮の連続体上の終点を表している。突然の屈曲は、いくつかの行動で観察されているように、より軽い屈曲がより幅広く分布する筋肉活動に関与するため、選択的に局在する腕の縦走筋および横走筋の筋肉組織の収縮が恐らく関与している。

タコの腕は十腕類の触腕とも十腕類の腕とも異なっている。前述のように、触腕は主に伸長と短縮に機能するが、対して十腕類の腕は殆ど長さが変化せず、代わりに屈曲運動を行う。タコの腕は屈曲と長さの変化を併せ持つ。タコの腕は横走筋および縦走筋繊維といった同じ筋肉組織を用いて、活動パターンを変えるだけで伸長と短縮のときの連続した活動と屈曲中に同時に起こる活動を行うことができる。

単純な工学的考察に基づいて、屈曲運動の際、腕により生み出される力は縦走筋繊維が腕の中立面からできるだけ遠くに位置しているとより大きくなる。確かに、縦走筋は腕の中心軸から離れて位置している。加えて、縦走筋の束はあらゆる面で働く曲げ応力を与える内在筋の横断面の全周を取り囲むように位置している。横走筋は腕の口側の縦走筋の束と合わせて口側の屈曲(力強い屈曲のもっとも一般的な形態)を生み出し、支持する役割をもつこともあって、腕の反口側部分でもっとも強靭である。

能動的な屈曲運動に加え、横走筋と縦走筋の共収縮は腕の曲げ剛性を増加させる。いくつかの腕の運動では、腕は硬くなり、腕の基部にある傘膜の筋肉組織の基底で回転する。

十腕類の腕で見られるように, ねじれ運動は斜走筋の収縮により生み出される。交叉した繊維の螺旋結合組織の配列は斜走筋により生み出される力を伝達する結合組織と筋肉の螺旋系の主要成分である。腕の両側の外側斜走筋と中間斜走筋の対およびそれと連携した交叉繊維結合組織の配列は左巻き及び右巻き螺旋系の両方を示し、それによって、両方向に生みだされるねじり力を与える。これは腕の両方向のねじれの観察と相違ない。外側斜走筋及び中間斜走筋系の共収縮は腕のねじれ合成を増やしているようである。ねじれモーメントは斜走筋ができるだけ中立面から遠くに位置しているほどより大きくなる。実際、外側斜走筋及び中間斜走筋は中立面から遠くに位置している。内側斜走筋の機能的役割は明らかでないが、最も内側にあるため、ねじれモーメントを産み出すのに非効率で、外側斜走筋と同じ巻き方をしている。

タコの腕は筋肉流体静力学装置のメカニズムによる付属肢が高い局所運動および変形を可能にする1例となっている。筋繊維の局所的な活動は、巨大な体液に満たされた体腔の静水圧を増大する典型的な静水力学的骨格における一般的な作用に比べ、より局所的な作用を示す。 変形は全ての位置または複数の位置で多くの方向に向けて起こるため、腕は筋繊維の選択的に小さな集団を活性化し、筋力の発生を精密に調節することが必要な神経筋制御を行わなければならない。実際、横走筋および縦走筋の運動単位は小さく、繊維同士の電気的結合は見られない。加えて、筋繊維の活動は直接神経活動に制御され、筋力の発生を精密に調節する。しかし、このようなシステムの難しさは複雑な運動制御を行うのに必要なのである。近年の研究により、運動路、機械受容メカニズムと腕の神経筋制御を簡単にするメカニズムへの重要な知見が示されている。

オウムガイ類の触手[編集]

触手の顕微鏡切片では、軸方向の筋肉(longitudinal muscle, LM)の平行な束が観察でき、その間にそれに直交する筋肉の束が存在する[31]。筋肉の束の間には多数の神経が走る[31]

腕の再生と奇形[編集]

頭足類の腕は捕食や移動、自切、交接や競争に加え、攻撃や共食いにより傷つくことがあり、再生能力を持つ[40][41]。このことはアリストテレスのころから知られている。頭足類は体の損傷に応答して再生を始めるが、腕が損傷すると遊泳、捕食、威嚇行動などの機能に支障を来すため、腕の再生は特に重要である[40]

傷口の治癒の後、腕の再生が始まり、損傷後3日で既に傷口に小さな瘤が見られるようになる[40]。これは後に伸長し、小さな突起を形成する。最初のよく識別できる構造は損傷後17日で現れ、鉤状をなす[40]。組織学的な分析によると、未分化な細胞の非常に薄い層が最初の観察できる瘤を形成する[40]。その後、よりはっきりとした、急激に増殖する「芽体 (blastema)」が瀰漫性の血管の一部とともに腕の先端に現れる[40]。そしてこの構造が消えると、組織は分化状態に入り、組織形成の過程が始まる[40]。普通50-60日後のそれより後のステージでは、完全な構造が現れ、典型的な腕が回復する[40]。このステージでは、神経と筋肉がともにはっきりと観察され、よく組織されている[40]

多腕[編集]

特殊なケースでは、傷ついた腕が2叉または3叉に分枝し異常な腕となって再生することがある[40]。頭足類の腕または触腕が異常な再生を示す例は珍しくない[40]。最初の記録は、1884年9月、相模の観音崎沖にて今井少将が漁獲したマダコ Octopus sinensis d’Orbigny, 1841を1890年、池田作次郎が動物学雑誌にて報告したものとされる[42][43][44]。この個体は各腕の1/2-1/3のところから分枝しはじめ、少ないものでは2本(右第2腕)、多いものでは20個以上の分枝に分かれ、腕数は90本を数える[42][44]。またこの個体はSasaki (1929)のPlate IVに写真が載せられている[45][43]

このような奇形タコが発生する原因は、岡田 (1966)では先天的なものと推定しているが、遺伝的であると断言する確証もないとしている[44]。井上 (1969)では、過剰再生というより遺伝的なものとしている[44]

以降も以下のような記録がある(鳥羽水族館に保管されている標本は別途記述)。

また、鳥羽水族館には三重県沖から漁獲された多腕となったマダコ Octopus sinensis d’Orbigny, 1841が度々持ち込まれ、うち85本と56本の2標本が展示されている[48]。この2標本のうち、85本のものは1955年の開館直後から展示されている[48]。またその数年後に国立科学博物館に貸し出され、昭和天皇がご覧になった「天覧標本」として知られる[48]。鳥羽水族館には以下の標本が保管されている[48]

また、腕の数が少ないタコも発見されている[44]。1960年9月には明石海峡にて腕数6本のマダコ O. sinensis、同年11月にはそれぞれ腕数7本のマダコ及びイイダコ Amphioctopus fangsiao (d’Orbigny, 1839)が発見されている[44]

註釈[編集]

  1. ^ 定訳はなく、シュミット=ニールセンの『動物生理学〔原著第5版〕』の訳書では、筋肉流体静力学装置と訳されているが[31][32]、以降に示すように筋肉包骨格と呼ばれることもある[33]
  2. ^ 訳が存在しないため、この語を使う。「軸神経索」の意。
  3. ^ 吸盤の付いた腕の表面を「口側」oralと呼ぶ
  4. ^ 梁の中立面は普通中心にあり、全ての曲げ応力が0になる場所

出典[編集]

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出典・参考文献[編集]

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外部サイト[編集]

関連項目[編集]