アイチウイルス – Wikipedia
アイチウイルス (Aichi virus、AiV)とは、ウイルスの分類においてボルティモア分類第4群一本鎖プラス鎖RNAウイルスで、ピコルナウイルス科コブウイルス属(Genus kobuvirus)に属するウイルスである
[1][2]。
胃腸炎の原因ウイルスである[3]。
1989年、愛知県衛生研究所がカキ(牡蠣)が原因と推定された胃腸炎の集団発生における患者から分離した[2]。1998年、ゲノムの全塩基配列が決定した[3]。
粒子の表面が瘤のようであることから、日本語の「瘤」に由来し「コブウイルス属」と命名された[2]。コブウイルス属にはウシコブウイルス種も分類される[3]。
エンベロープは持たない[3]。
血清型は1種類である[2]。
遺伝子型[編集]
AとBの遺伝子型が存在する[2]。
アジア、ヨーロッパ、南米にも分布する[1]。
- アイチウイルスA型 (Aichi virus A):日本、ドイツ
- アイチウイルスB型 (Aichi virus B):パキスタン、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、ネパール、ブラジル
食中毒、胃腸炎の原因ウイルスとされる[3]。
1987年~98年の間に愛知県内の食中毒37事例中12事例からアイチウイルスが検出された[3]。うち11事例はカキが関連しており、10事例はノロウイルスとの混合感染だった[2]。
厚生労働省の指導で、出荷前に殺菌海水で2日程浄化されるようになり、生カキに関連したアイチウイルス感染症は稀となったが、1997、1998年、2006年にも検出された[2]。
- ^ a b 佐々木潤アイチウイルスの複製機構の解析ウイルス 第 57 巻 第1号,pp.67-74,2007
- ^ a b c d e f g アイチウイルス(Aichi virus)について愛知県衛生研究所生物学部ウイルス研究室2006年9月11日
- ^ a b c d e f 食品により媒介される感染症等に関する文献調査報告書アイチウイルス 内閣府食品安全委員会事務局
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