仙台うみの杜水族館 – Wikipedia

仙台うみの杜水族館(せんだいうみのもりすいぞくかん)は、宮城県仙台市宮城野区高砂中央公園内に所在する民間水族館である。かつて仙台に存在したマリンピア松島水族館の後継館と2015年にオープンした。横浜八景島と仙台水族館開発が連携して運営を行う。

仙台港から内陸へ約1kmの高砂中央公園内に位置。仙台東部道路仙台港ICに隣接し、周辺には三井アウトレットパーク 仙台港をはじめとする大型商業施設が立地する。

三井物産を中心に、水族館運営ノウハウを持つ横浜八景島、在仙企業のカメイ・ユアテック・河北新報社・仙台三越の6社が共同出資し、特定目的会社仙台水族館開発株式会社を設立。仙台市から土地を賃借し、約65億円[1] をかけて建設された。

前史[編集]

2010年1月、マリンピア松島水族館(北緯38度22分3.1秒 東経141度3分36.8秒 / 北緯38.367528度 東経141.060222度 / 38.367528; 141.060222 (マリンピア松島水族館(1927年〜2015年5月10日)))の仙台市への移転計画に際し、仙台市が出資することを決定[2]。しかし同年2月、運営会社である仙台急行が資金調達の目途が立たなくなったことにより出資を取りやめ[3]。移転計画も立ち消えとなった。

本史[編集]

  • 2010年秋 – 白紙となった水族館計画の事業化に向けて、仙台市と協議を開始[4]
  • 2013年
    • 2月15日 – 三井物産・横浜八景島・カメイ・ユアテック・河北新報社・仙台三越の6社が、(仮称)仙台水族館の設置へ向けて共同出資し、新会社を設立することを発表[5]
    • 2月20日 – 仙台水族館開発株式会社設立。
    • 3月29日 – 仙台市、水族館建設予定地を仙台港背後地交流推進特区として申請[6]
    • 4月12日 – 復興庁、特区申請を認定[7]
    • 6月26日 – 仙台水族館開発、民間都市再生事業計画として申請。
    • 8月23日 – 仙台水族館開発、施設概要を公表[8]
    • 9月13日 – 国土交通省、民間都市再生事業計画に認定[9]
    • 11月5日 – 仙台市、高砂中央公園の基本計画を策定[10]
    • 12月2日 – 仙台市、水族館設置を許可。
    • 12月4日 – 着工[11]
  • 2014年
    • 7月16日 – 横浜八景島、仙台水族館準備室を開設[12]
    • 10月23日 – 正式名称が「仙台うみの杜水族館」に決定、ロゴマークを公表。開業時期が2015年7月にずれ込む事も発表された[13][14]
  • 2015年
  • 2019年7月16日 – 入館者数500万人突破[21]

2階建、延床面積9,989m2。設計は大建設計、施工は大成建設・橋本店JV[22]。設置される水槽は約100基。建物は、緊急時の避難施設として認定されており、1,500人を収容できる[23]

開業時点での展示生物は、約300種類・50,000匹。うち7,000匹は、2015年5月に閉館したマリンピア松島水族館から引き継いだ[24]。また、飼育員やトレーナーなどの従業員の多くは、マリンピア松島水族館から移籍している。館内には、東北最大級となる約1,000人を収容可能なイルカやアシカのショープールを設置[25]。ペンギンの飼育にも力を入れ、横浜・八景島シーパラダイスに並ぶ、8種類を飼育する[26]

レストラン及びショップコーナーは、エームサービスが運営を行う[27]

うみの森水族館・イルカとアシカのショー
1 – 2階
  • 大水槽(いのちきらめく うみ)
    三陸沖の海を再現した、幅13m・高さ6.5m・水深7.5m・水量990tの水槽[28][29]。屋根のない自然に近い環境の中、50種類約25,000匹の生物を展示[29]
  • ショープール(うみの杜スタジアム)
    イルカとアシカによるパフォーマンスが披露される[28]。客席とプールの間に、仕切りとなるアクリル板は設けておらず、臨場感を味わうことができる[30]
1階
  • 日本のうみ -東北のうみ-
    飼育が難しいとされるヨシキリザメの飼育に力を入れている[24][31][32]
  • うみの杜ビーチ(磯場)
2階
  • 世界のうみ
  • 海獣広場

基本情報[編集]

営業時間[編集]

  • 通常 : 9:00 – 18:30[15]
    • 夏季 : – 19:30[28]
    • 冬季 : – 17:30[28]

入場料[編集]

  • 大人 : 2,200円
  • シニア(65歳以上) : 1,600円
  • 中高生 : 1,600円
  • 小学生 : 1,100円
  • 幼児(4歳以上) : 600円

団体(15名様以上)

  • 大人 : 1,980円
  • シニア(65歳以上) : 1,440円
  • 中高生 : 1,40円
  • 小学生 : 990円
  • 幼児(4歳以上) : 540円

年間パスポートは、入場料の2倍。

ヨシキリザメの飼育[編集]

三陸の魚であるヨシキリザメの飼育に力を入れている水族館である[33]。かまぼこやフカヒレの原料として宮城県ではなじみのあるヨシキリザメだが、環境の変化によるストレスに弱く、飼育は難しいとされる[33]。開業直前に飼育していた2匹が死んでしまうなど[34]、2015年末までに16匹を捕獲したが、いずれも死んでいる[32][35]

2017年2月21日、同館が持つこれまでの最長飼育記録を更新。同年3月1日までの飼育に成功し、最長記録となる252日という記録を打ち立てた[36]。2019年4月5日にはさらにこれまでの最長記録を更新[37][38]。7月26日には365日に達していた[39]。本個体は2020年12月15日に死亡したが最終的に飼育記録は873日となり同館の持つ飼育記録を大幅更新した[40]

交通アクセス[編集]

公共交通機関[編集]

鉄道

中野栄駅と水族館を結ぶシャトルバス(2022年4月1日 – )に充当される車両

2022年3月まで運行していた中野栄駅と水族館を結ぶ無料シャトルバス
バス
  • JR仙石線 中野栄駅よりシャトルバスを運行(2022年4月1日よりミヤコーバスが運行。有料[41]
  • うみの杜水族館前バス停(いすゞ自動車東北㈱仙台SS前に設置)[42]
  • 誓渡寺前バス停下車 徒歩9分 (790m)
    • 仙台市営バス:【205系統】交通局東北大学病院前 – 仙台駅前 – 誓渡寺前 – 高砂市営住宅西
    • 宮城交通:【仙台港線】仙台駅前 – 誓渡寺前 – 仙台港フェリーターミナル(水族館を通らず、中野栄駅は経由する)

自動車[編集]

駐車場台数 : 800台[注 1]
  • 2015年5月16日0時、年間パスポートの販売を開始。オープン前に入館できる特典(プレミアムプレビュー)のついたものを、10,000枚限定で販売する予定だった[43]。しかし、公式ホームページへのアクセスが集中したことによりシステムに不具合が生じ、販売を中止[44]。さらに、最大で135件分の個人情報が漏洩したことが明らかとなった[45]。6月16日、システムをローソンチケットに移行した上で、抽選方式によって1,000枚を販売再開[46]。7月15日より、中止していたインターネットによる入場券の販売を開始[47]。8月5日には、年間パスポートのインターネット販売を再開した[48]
  • 開業後1ヶ月の入館者数は約22万7800人[49]。うち、年間パスポート利用者は述べ約8万人。
  • 公式キャラクターはペンギンのモーリー。

注釈[編集]

  1. ^ 開業後一定期間は、1,450台分の臨時駐車場を設置し、2,250台で対応予定。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]