ギリシャ国鉄 – Wikipedia

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ギリシャ国鉄またはギリシャ鉄道(ギリシア語: Οργανισμός Σιδηροδρόμων Ελλάδος,短縮形:Ο.Σ.Ε.)は、ギリシャの軌道等の鉄道インフラストラクチャーの保有・運営管理と、鉄道車両を保有する国営企業体。これらの施設を借りて旅客・貨物輸送を行っているのはΤραινΟΣΕ Α.Ε.(トレノセ)と呼ばれる別企業で、他のEU諸国と同じく鉄道事業者が上下分離され分社化された結果である。

ギリシャ国鉄は、1920年に設立された旧ギリシャ国鉄(Σιδηρόδρομοι Ελληνικού Κράτους)を1971年に承継した企業体である。

事業分離(上下分離)[編集]

欧州共同体の指令に基づき鉄道事業の運営をインフラとサービスに上下分離を行い、従来のギリシャ国鉄をインフラ保有・運営管理の存続会社とし、新たに設立したトレノセ(TrainOSE)に旅客・貨物サービスを移管した。

旅客と貨物事業の分離は2005年12月から開始され、当初はギリシャ国鉄グループの関連会社として始まった。その後、EU指令を順守するため2006年にはギリシャ国鉄からの運営の独立を行った。2007年7月にはアテネで近郊鉄道を運営していたプロアスティアコス社を吸収合併した。2008年12月にはギリシャ国鉄が保有していたトレノセの株式はすべてギリシャ政府に売却され、ギリシャ国鉄から完全に独立することになった。[1]

トレノセ(TrainOSE)はギリシャで唯一の鉄道サービスを行う企業であり、総延長1500km以上の鉄道ネットワークを用いて、1日300本以上の列車運行し、年間15,000,000人以上の旅客輸送と4,500,000トン以上の貨物輸送サービスを行っている。[2]

主要路線[編集]

ギリシャ国鉄の主要路線である、ピレウスからアテネを経由しテッサロニキ間の路線は複線電化された標準軌、テッサロニキからマケドニア国境のイドメニ(Ειδομένη)間は単線電化された標準軌、アテネからペロポネソス半島方面への路線は標準軌と狭軌の部分が混じっている。

2007年現在の国鉄路線の総延長は標準軌路線が1665km、狭軌路線が725kmであり、うち主要幹線であるアテネからテッサロニキ間は520kmである。

1916年に開業した路線で延長520km。2008年現在インターシティが最速5時間で両都市を結んでいる
2017年5月13日、アテネ発のテッサロニキ行きの急行列車が脱線。乗客3人が死亡、運転士1人を含む2人が重傷を負った[3]
アテネ – テッサロニキ
Intercity 停車駅 (2014夏ダイヤ)
アテネとコリントス間は2005年、コリントスとキアト間が2007年に開業。
テッサロニキ – スコピエ
国際列車 停車駅 (2014夏ダイヤ D334列車)

近郊路線[編集]

TRAINPROA 01.png

ギリシャの三大都市圏であるアテネ、テッサロニキ、パトラの近郊路線を運行する列車は、プロアスティアコス(ギリシャ語で近郊鉄道の意)と呼ばれている。

その他の路線[編集]

中央マケドニア、東マケドニア、トラキア地方等[編集]

1894年に開業した路線で延長219km
テッサロニキ – フロリナ
intercity 停車駅 (2014夏ダイヤ)
1876年から1896年に開業した路線で延長620km。途中でトルコのイスタンブール方面へ分岐する路線がある
テッサロニキ – アレクサンドルーポリ
intercity 主要停車駅 (2014夏ダイヤ IC90, IC361列車)
KBHFa
0:00′ テッサロニキ, Thessaloniki (Θεσσαλονίκη)
HST
0:41′ キルキス, Kilkis (Κιλκίς)
HST
1:15′ Rodopolis (Ροδόπολις)
HST
Strymonas (Στρυμώνας)
STR+l ABZg+r
HST STR
Promachonas (Προμαχώνας)
STR+GRZq STR
↑ギリシャ/ブルガリア↓
HST STR
(3:25′) Kulata (Кулата)
HST STR
サンダンスキ, Sandanski (Сандански)
HST STR
ブラゴエヴグラト, Blagoevgrad (Благоевград)
STR STR
KHSTe STR
(6:50′) ソフィア, Sofia (София)
HST
1:39′ Sidirokastro (Σιδηρόκαστρο)
HST
1:54′ セレス, Serres (Σέρρες)
HST
2:45′ Drama (Δράμα)
HST
4:19′ クサンティ, Xanthi (Ξάνθη)
HST
4:49′ コモティニ, Komotini (Κομοτηνή)
BHF
5:40′ アレクサンドルーポリ, Alexandroupoli (Αλεξανδρούπολη)
exSTR+l eABZg+r
exSTR+GRZq STR
↑ギリシャ/トルコトルコ↓
exBST STR
Pehlivanköy
HST
8:03′ Pythion of Didymoteicho (Πύθιο Διδυμοτείχου)
HST
8:25′ オレスティアダ, Orestiada (Ορεστιάδα)
KHSTxe
9:12′ Dikaia (Δίκαια)
exSTR+GRZq
↑ギリシャ/ブルガリア↓
exBST
スヴィレングラード, Svilengrad (Свиленград)

テッサリア地方[編集]

ラリッサからヴォロス港までの路線で延長61km

中央ギリシャ、西ギリシャ地方等[編集]

750mmゲージのラック式鉄道の観光鉄道路線。延長22.3km、高低差700mを約1時間掛けて運行される。平日は1日に3本、休日は5本が運行されている。[4]
600mmゲージ路線で、ペリオン鉄道(τρενάκι του Πηλίου)と呼ばれる。延長28.2km

アッティカ地方[編集]

2004年に開業。アテネ近郊路線(プロアスティアコス,Proastiakos)の一部

ペロポネソス地方[編集]

メートルゲージ(軌間1000mmm)の路線

2007年に改築され、ピルゴスからオリンピアまでを含め観光鉄道路線として運行されている。カタコロとオリンピアを直通する列車は1日1往復、そのほかにピルゴスとオリンピア間を1日2往復の列車が運行されており、カタコロとオリンピア間の所要時間は約45分である。[5]
2009年8月に運転再開した
2007年9月に改築され運転再開した

廃止路線[編集]

ペロポネソス地方[編集]

2011年に廃止されたメートルゲージ(軌間1000mmm)の路線

新たに造られたアテネ近郊路線(プロアスティアコス,Proastiakos)開業時に廃止

関連項目[編集]

参考文献[編集]