ターミナリアベリリカ由来没食子酸 – Wikipedia
ターミナリアベリリカ由来没食子酸(ターミナリアベリリカゆらいぼっしょくしさん、またはターミナリアベリリカゆらいもっしょくしさん、gallic acid from Terminalia bellirica)とは、シクンシ科の植物であるターミナリアベリリカ(英語: Terminalia bellirica)の果実から抽出されたエキスに含有されるポリフェノールの一種で、in vitroの試験結果よりリパーゼ阻害作用やα-グルコシダーゼ阻害作用、食後血糖値や食後中性脂肪上昇抑制作用及び、肥満気味な人の内臓脂肪や皮下脂肪と体重を減らしてBMIを低下させる作用を有することが報告されている[1][2][3][4][5][6][7]。 ターミナリアベリリカ果実 ターミナリアベリリカ(別名:セイタカミロバラン、ベレリックミロバラン)は、インド、スリランカ、東南アジアなどで生育するシクンシ科の落葉広葉樹で、標高1200mまで生育し、高さは最大50m、直径は3mほどにまで生育する。熟した実を収穫し、乾燥させて固くなったものからターミナリアベリリカ由来没食子酸を抽出する[8]。 ターミナリアベリリカの果実はポリフェノールに富み、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでは、生薬(ハーブ)として使用されてきた歴史があり、肝保護作用、抗変異原性作用、抗菌作用など様々な機能があると報告されている。また、アーユルヴェーダでは「トリファラ」と呼ばれる軽い胃腸症状をはじめに様々な疾患に利用される調合物の成分の一つとして利用されている[9][10]。近年は食後血中中性脂肪の上昇抑制効果が期待されていたが、長崎県立大学、福岡工業大学、東洋新薬の共同研究(臨床試験)やMakihara.Hらにより、ターミナリアベリリカの食後中性脂肪抑制作用の機序としてリパーゼ阻害作用があることが解明され、その画分の主要構成成分は没食子酸であり、リパーゼ阻害の関与成分としてターミナリアベリリカ中の没食子酸が考えられると報告された[3]。さらに食後血糖値上昇抑制作用、内臓脂肪・皮下脂肪低減作用、食後中性脂肪上昇抑制作用、体重を減らしてBMIを低下させる作用も確認された[1][5][10][11][12]。 2010年3月28日~30日の日本薬学会 第130年会において、東洋新薬が武蔵野大学教授油田正樹との共同研究で『ターミナリアベリリカ™』のメタボリックシンドローム改善作用を確認したと発表した[6]。 主な臨床試験[編集] 食後血中中性脂肪上昇抑制作用の検討[編集] 長崎県立大学に属する健常な成人(学生と職員)を対象。試験食品としてターミナリアベリリカ抽出物を1回あたり200mg、または300mg配合した被験食品2種類と対照食品(プラセボ)の3種類を使用。二重盲検クロスオーバー法にて実施。被験者を3群に無作為に割り付け、1週間以上の間隔をあけて同内容の試験を3回実施。その結果、200mg、300mg群ともに対照群に対し統計学的に血中中性脂肪量の有意な低下が確認された。体調不良等の有害事象は認められなかった[3]。 ターミナリアベリリカ抽出物含有食品の食後血糖値上昇抑制効果[編集] 被験者数47名(男性31名、女性16名)で行われた結果、被験食品摂取時の血糖値iAUC(血糖上昇曲線下面積)は(110.1±5.9mg・h/dl)は対照食品摂取時の血糖値iAUC(117.9±6.5mg・h/dl)と比較して有意に低値を示した。摂取に起因する有害事象は認められなかった[10]。 ターミナリアベリリカ抽出物含有食品の内臓脂肪低減作用[編集] 被験者数100名(男性44名、女性56名)で実施され、ターミナリアベリリカ抽出物含有食品は肥満気味(BMIが23以上30未満。BMIが25以上30未満の者は、腹部内臓脂肪面積が100cm2未満。)の健常成人男女において、内臓脂肪低減作用を有することが示された[11]。
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