フランクフルト空港 – Wikipedia

フランクフルト空港(フランクフルトくうこう、ドイツ語: Flughafen Frankfurt am Main)は、ドイツのフランクフルト・アム・マインにあるドイツ最大規模の国際空港である。空港コードはFRA/EDDF

ルフトハンザ・ドイツ航空は、ドイツ最大の航空会社で、フランクフルト空港を拠点としている。

ヨーロッパでは、ロンドンのヒースロー空港、パリのシャルル・ド・ゴール空港と並ぶ大規模空港であり、世界における国際線の重要なハブ空港のひとつでもある。空港の運営はフラポート株式会社(Fraport AG)が行っている。

ドイツのフラッグ・キャリアであるルフトハンザドイツ航空がメインハブ空港として使用している。しかし当空港の受け入れ能力不足のため、ミュンヘンのミュンヘン空港にも輸送を振り分けている。

当空港の半径2000km以内にヨーロッパ・地中海沿岸諸国の主要都市の多くが収まるという立地条件もあって、日本から欧州へ移動する際にも、主要な玄関口のひとつとなっている。首都圏からは羽田空港及び成田空港、中京圏からは中部国際空港との間で直行便が運航されている。

以前は関西国際空港からも運航されていた。

ライン=マイン空港およびライン=マイン空軍基地として1936年に開設された。第二次世界大戦中は、ベルリンのテンペルホーフ空港に次ぎ、ドイツ第2の空港として活躍した。戦後はベルリン空輸で西ドイツ政府の主要な輸送基地として使われた。

フランクフルト空港が国際的なハブ空港として使われるようになるのは、1972年に乗客用の新ターミナル(現在のターミナル1)が開設されてからである。

就航路線と就航都市[編集]

旅客[編集]

ドイツで国際線乗り入れ数、乗り入れ会社数が最多である。基本的に、スターアライアンス加盟の航空会社が第1ターミナルを使用し、第2ターミナルはスカイチームやワンワールドが使用する。第1ターミナルにスカイチームやワンワールド加盟の航空会社が使用する例外もある。

第1ターミナル[編集]

第2ターミナル[編集]

2つの旅客ターミナルがあり、回廊、新交通システム(スカイライン)、バスで連絡されている。

ターミナル1[編集]

ターミナル1は1972年3月14日にオープン。A,B,Cの三つのコンコースがある。スターアライアンス各社はこのターミナル1に発着する。ルフトハンザはコンコースA、全日本空輸はコンコースBを使用している。

コンコース A[編集]

コンコース B[編集]

コンコース C[編集]

ターミナル2[編集]

ターミナル2は1994年10月24日にオープンした新しいターミナルである。D,Eの二つのコンコースがある。日本航空はコンコースDを使用している。

ターミナル2(離陸機上より)

コンコース D[編集]

コンコース E[編集]

アクセス[編集]

フランクフルト市内と空港間は鉄道によって結ばれている。フランクフルト空港近距離駅と遠距離駅の2つが存在する。

フランクフルト空港近距離駅[編集]

フランクフルト空港近距離駅はターミナル1、コンコースBの地下に位置する。フランクフルト中央駅までS-BahnS8(ヴィースバーデン中央駅-マインツ中央駅-当駅-フランクフルト中央駅-ハーナウ)、S9(ヴィースバーデン中央駅-マインツ-カステル-当駅-フランクフルト中央駅-ハーナウ)が利用可能である。昼間時間帯は15分おきに発車する。24時間運行しているが、夜間は運転間隔が長くなる。フランクフルト中央駅からは市内交通へ乗り換えが可能である。交通連合乗車券が利用可能であり、市内までの利用であれば長距離列車よりも安価である。

フランクフルト空港遠距離駅[編集]

フランクフルト空港近距離駅に隣接して位置し両者は連絡通路で結ばれている。ケルン-ライン=マイン高速線の一部としてドイツ各地とICEやICで結ばれている。

 バス [編集]

第一ターミナルと第二ターミナルの間を結ぶシャトルバスは午前5時30分から深夜までの間に運行。

第一ターミナル

第二ターミナル

のりば 系統 主要経由地 行き先 運行会社 備考
Eホール・8番出口 62 シュバンハイム ライン=マイン交通連盟 (RMV)
61 フランクフルト南駅
AIRLiner 直行 ダルムシュタット

ルフトハンザエクスプレス

利用実績[編集]

2019年の旅客数は約7055万人で、ヨーロッパの空港では4位だった。上位はロンドン・ヒースロー空港(8088万人)、パリ=シャルル・ド・ゴール空港(7615万人)、アムステルダム・スキポール空港(7170万人)だった。

旅客の多い行き先は、国内線ではベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、国際線ではロンドン、ウィーン、マドリードが上位に位置している。

貨物輸送では、フランクフルト空港の扱い量は209万トンでヨーロッパ2位だった。1位はシャルル・ド・ゴール空港(210万トン)、3位はヒースロー空港(167万トン)だった。

2001年の同時多発テロや2008年のリーマンショックで、旅客数や貨物取扱量は一時減少したが再び増加した。この為、当空港の処理能力は限界に達しつつあったが2020年の新型コロナウイルス感染症の世界的流行で再び減少している。

旅客数 貨物取扱量(t) 航空郵便取扱量(t) 航空機発着回数
2020 18,770,998 1,895,074 57,554 212,235
2019 70,560,987 2,041,775 86,701 513,912
2010 53,013,771 2,231,348 76,445 464,432
2000 49,369,429 1,589,428 141,011 458,731
1990 29,631,427 1,176,055 152,317 324,387
1980 17,664,171 642,850 91,918 222,293
1970 9,401,842 327,323 59,353 195,802
1960 2,172,494 46,910 11,875 85,257
1950 195,330 3,652 1,616 13,076

出典

拡張計画。左上の北西滑走路は2011年より供用。

近年、利用者が増加傾向にあり、現状のままでは2020年に第1、第2ターミナルだけでは増加する乗客に対応できなくなると予想されていたため、新たに第3ターミナル建設が計画されている。第3ターミナルはフランクフルト空港の南側に位置し、最初に中央ターミナル施設と、24カ所の駐機スポットを備えた2つのピアが建設される予定。完成は2021年の予定で、1年間に1400万人の旅客に対応することができる。[4]

税関トラブル[編集]

当空港の構造上、ターミナル1Bに到着の場合、機内持込荷物と機内預入荷物のあわせて2回の税関への申告が必要な場合があり、申告を忘れたり正確な申告をせずに通関したことによって、多額の税または反則金の支払いを命じられるトラブルが多数発生している[5][6]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]