探偵物語/すこしだけやさしく – Wikipedia

探偵物語/すこしだけやさしく」(たんていものがたり/すこしだけやさしく)は、薬師丸ひろ子通算2枚目のシングル。1983年5月25日発売。発売元は東芝EMI。

自身が出演した角川映画『探偵物語』の主題歌と、TBS系TVバラエティ『わくわく動物ランド』のエンディング・テーマ曲が収録された両A面シングル。両曲とも作詞が松本隆、作曲は大瀧詠一による。

当初は「すこしだけやさしく」が「探偵物語」として同映画の主題歌に、「探偵物語」がカップリング曲「海辺のスケッチ」となる予定だったが、薬師丸本人が前者〔「探偵物語」を改題して「すこしだけやさしく」〕の曲調が気に入らず、〔「海辺のスケッチ」から「探偵物語」に〕曲名を変更した上で主題歌にした[6]。薬師丸が熱心だった「探偵物語」の録音は15テイクにも及び、歌が良くなっていくと作曲の大瀧詠一も興奮した。

作詞の松本隆はバイク事故で入院し、足にギプスをはめた状態で2曲の歌詞を書いた。そのため、歌詞には、まるで日記のように怪我けがの要素が入っている。「探偵物語」には、「身動きもできない」・「昨日からはみ出した……」、「すこしだけやさしく」には、怪我と包帯。

小学4、5年生だった松本隆が多摩川へ遠足に行った際に、同級生が川底のビンか何かの破片で足を切り、ザックリと切れた傷から大量の出血。松本は川底に硝子ガラスの破片があるとは思えなかったこと、先生から「気を付けなさい」と注意されたこと、それらの記憶が「探偵物語」の歌詞となった。

レコーディングに使用した東芝の広い第3スタジオに居場所がなくて、薬師丸は部屋の隅に行ってしまう。そんな薬師丸をリラックスさせようと、大瀧はピアノで発声練習を指導した。

2016年3月、大瀧詠一を追悼する『SONGS』に出演し、再現されたナイアガラ・サウンドをバックに「探偵物語」を歌唱した[10][11]

音楽雑誌『レコード・コレクターズ』(2014年11月号)の特集「80年代女性アイドル・ソング・ベスト100」で13位になった[12]。大瀧詠一の『EACH TIME』と同じ演奏陣による本曲を「雨のウェンズデイ」の姉妹曲とも指摘している[12]

セカンド・シングル「探偵物語」で松本隆や大瀧詠一に出会ったことで、歌うことやアルバム作りの楽しさを知り、今後も歌い続けたいと思った[13]。もし、二人に出会っていなかったら、歌手との両立など考えずに、女優だけをしていたかもしれないと話している[13]

予約枚数だけで50万枚以上を記録した[14]

前作の「セーラー服と機関銃」に続いて1位を記録。ソロでのデビューシングルからの2作連続首位は清水健太郎の「失恋レストラン」「帰らない/恋人よ」に続いて史上2人目の快挙である(後に沢尻エリカも達成する)。

オリコン週間ヒット・チャートで7週にわたって連続1位を記録した。これは、1982年にあみんが「待つわ」で、また1983年に中森明菜が「12の神話」でそれぞれ連続6週1位を獲得して以来の好記録であった。次いで1989年に工藤静香が「黄砂に吹かれて」で6週連続1位を獲得しているが、これ以降女性ソロ・アーティストの6週を超えるシングル・チャート連続1位記録は更新されていない(2008年現在)。オリコンチャートの登場週数は21週、累計84.1万枚のセールスを記録した[1]

1983年のオリコン年間ヒットチャートでは、第4位にランクインした。前年の1982年には「セーラー服と機関銃」が年間第2位にランクインしたため、2年連続でベスト10入りを果たしたことになる。ほか、TBS系音楽番組『ザ・ベストテン』では番組出演こそ1回のみ[15]だったが、最高1位(4週連続)を記録し、13週連続でベストテンにランクインした。

  1. 探偵物語 
  2. すこしだけやさしく 
    • 作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一、編曲:井上鑑
    • TBS系列『わくわく動物ランド』エンディング・テーマ

関連作品[編集]

カヴァー[編集]

探偵物語[編集]

すこしだけやさしく[編集]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]