ゆるキャン△ – Wikipedia
『ゆるキャン△』(Yurucamp、英語: Laid-Back Camp)は、あfろによる日本の漫画作品。 概要 山梨県周辺を舞台に[2]、キャンプ場でのリクリエーションや野外調理などといったアウトドア趣味の魅力と[3]、それを身の丈に合った範囲で満喫する女子高校生たちのゆるやかな日常を描く[4][3]。『まんがタイムきららフォワード』(芳文社)にて2015年7月号[5]から2019年4月号まで連載され、同年3月29日より芳文社の漫画配信サイト『COMIC FUZ』に移籍して連載中[6]。2021年5月時点で累計発行部数は600万部を突破している[7]。 ドワンゴが運営するWebサイト「ニコニコ静画」内の芳文社公式コーナー「きららベース」にて、本編の幕間の出来事を描いた各話2ページの書き下ろし番外編が『へやキャン△』のタイトルで2016年4月9日より連載されている。 メディアミックスとしては、テレビアニメの第1期が2018年1月から3月まで放送され[8]、その後2020年1月から3月までショートアニメ『へやキャン△』が放送され、第2期が2021年1月から4月まで放送された[9]。2022年には劇場アニメが公開予定となっている[10]。また、テレビドラマも制作され、2020年1月から3月までテレビ東京「木ドラ25」枠で放送され[11]、2021年4月から6月まで第2期が放送された[12]。 作者のあfろはデビュー直後は人気が出ず、数作手掛けるもどれも長続きしなかったが、『魔法少女まどか☆マギカ』のスピンオフ作品『魔法少女ほむら☆たむら ~平行世界がいつも平行であるとは限らないのだ。~』を手掛けたことにより良い反応が得られたたため、芳文社編集担当の黒田悠生が次回作を依頼したところ誕生したのが『ゆるキャン△』だったという[13]。 作風 漫画の流れとしては、女子高校生たちが個人またはグループでのキャンプを計画するところからエピソードが始まり、道具や食材を準備して目的地まで旅した後、見晴らしのよい現地からの展望を満喫しながら、用意していた食材を現地で野外調理する、あるいは食堂でご当地グルメに舌鼓を打つ、温泉を満喫するなどを経て、テントで1泊して翌朝を迎える、という展開の繰り返しで進行する。本作では一人での気ままなキャンプと大人数での賑やかなキャンプの魅力が対等のものとして描かれており[14][15]、主要登場人物同士はいつでも行動を共にしているわけではなく一人旅のエピソードも多いが[16]、旅行先からSNSで互いの近況を報告し合う形でストーリーに関わっていく。 作者のあfろは、元々ツーリングを趣味としていたことが本作の着想に繋がったといい[17]、作者自身のアウトドア経験が作品に盛り込まれている[18]。執筆に当たっては実在のキャンプ場や観光地の下見、本番の取材、後から気になった箇所の再取材と、1箇所につき2回から3回の取材を行っているといい[17][注 2]、漫画には取材先の風景がそのまま描かれている[15]。見開きのページで精緻に描かれるキャンプ場からの展望や[4][3][15]、それを眺める登場人物の表情などが[3]、臨場感や[3]、舞台となる実在の観光名所に対する興味[4][3]を煽る見せ場となっている[4][3]。アウトドア趣味に向き合う少女たちのまっすぐな魅力や[3]、日常の合間に披露される、火起こしのノウハウや寝具の種類といったアウトドア知識の描写[4][3][16]、うまそうに描かれる食べ物[15]、実在するキャンプ道具の描写[16][15]、旅先で出会うさまざまな犬にまつわる話題なども[3][15]、作品の持ち味になっている[4][3]。 漫画のタイトルロゴ末尾にある三角記号「△」は、キャンプ・テントのピクトグラムになっており[注 3]、表題を音読する場合[20]は発音されない。 あらすじ 本編「ゆるキャン△」 オフシーズンの一人キャンプが好きな日本の女子高校生・志摩リン。リンが富士山の麓で冬の一人キャンプを楽しんでいたところ、日帰りのつもりが日没まで居眠りして遭難しかけていた同じ本栖高校の生徒・各務原なでしこを助ける。なでしこはリンのと出会いをきっかけにキャンプに興味を持つようになり、高校の同好会である「野外活動サークル(野クル)」に入部し、メンバーとも関わりながら、毎週のようにキャンプに出かけるようになり、皆とのキャンプに夢中になっていく。一方、仲間とつるんで行動するのが苦手なリンは、一緒に同好会に入らないかというなでしこの誘いを断るが、スマートフォンのSNSを介して、なでしこや野外活動サークルのメンバーと繋がりを持つようになり、互いにキャンプ中の状況を実況したり、キャンプ先の写真を送りあったりして関わるうち、徐々にキャンプ場の情報やキャンプ道具、野外調理に関するノウハウを交換したり、誘われたりして、時々ではあるが行動を共にするようになる。 なでしこが加わるまでは大垣千明と犬山あおいの2人だけの小さな同好会であった野外活動サークルも、リンの友人である斉藤恵那を巻き込み、キャンプ先で知り合った新任教師の鳥羽美波を顧問に迎え、次第に勢力を拡大していく。そして年末には部員ではない斉藤と、それまで頑なにグループでのキャンプを敬遠していたリンを誘ってキャンプ場でのクリスマス会が実現する。その後もリンは気ままな一人旅を基本としつつも、皆との賑やかな一晩を経験し、一人キャンプとは「違うジャンル」と捉えれば悪くないという感慨を抱き、これまで避けてきたオフシーズン以外のキャンプにも興味を持つ。その一方、それまでリンに同行したり野外活動サークルのメンバーと賑やかなキャンプを楽しんだりしていたなでしこも、リンに触発されて一人キャンプに興味を抱くようになる。
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