大山 (鳥取県) – Wikipedia
大山(だいせん)は、日本の鳥取県にある標高1,729mの山。成層火山であるが、活火山としては扱われていない[1]。鳥取県および中国地方の最高峰でもある。角盤山(かくばんざん)とも呼ばれるほか、鳥取県西部の旧国名が伯耆国であったことから伯耆大山(ほうきだいせん)、あるいはその山容から郷土富士として伯耆富士や出雲富士とも呼ばれる[2]。日本百名山や日本百景にも選定され、鳥取県のシンボルの一つとされている[3]。 弥山溶岩ドームの地形図 大山は中国山地の連なりからやや北に離れた位置にある独立峰の火山で、その裾野は日本海に達しており主峰の剣ヶ峰や三鈷峰、烏ヶ山や船上山などの峰を持つ。山体は東西約35km[4]、南北約30km[4]、総体積約120km3[5]。日本列島におけるデイサイト質火山の中でも最大級の規模である[5]。 広義には南東側に連なる擬宝珠山・蒜山(上蒜山、中蒜山、下蒜山)・皆ヶ山などの蒜山火山群[4]も大山火山の一部とされることが多いが[1][4]、活動場の変遷からみて蒜山火山群を大山火山と区別する場合もある[6]。 最高点は剣ヶ峰であるが、剣ヶ峰に至る縦走路が通行禁止とされていることや古くから第二峰の弥山(みせん 1,709m)で祭事が行われたことから、一般には弥山を頂上としている[7]。 一帯は大山隠岐国立公園に指定されており、標高800mから1,300mは西日本最大のブナ林に覆われ、その上部には亜高山針葉樹林帯がなく低木林や草原の高山帯になっている[8]。山頂付近に見られるダイセンキャラボクの純林は国の特別天然記念物に指定されている[9]。また、国の鳥獣保護区(大規模生息地)に指定されている(面積5,156ha、うち特別保護地区2,266ha)[10]。 周辺の地域では古くから大山信仰が根強い[11][12][13]。現存する最古の記述は『出雲国風土記』の国引き神話で、三瓶山と同様に縄を引っ掛けて島根半島を引き寄せたとある。『出雲国風土記』では「火神岳」(ほのかみだけ)または「大神岳(おおかみのたけ)」と呼ばれ[14][12][要検証 – ノート]、奈良時代の養老年間に山岳信仰の山として開かれたとされる。北西の山腹には大神山神社奥宮や大山寺阿弥陀堂があり、明治の廃仏毀釈まで大山寺の寺領とされ[要出典]、一般人の登山は禁止されていた[13]。 火山活動史[編集] 弥山溶岩ドーム(左)烏ヶ山溶岩ドーム(右) 約100万年前から40万年前に活動した蒜山火山群および古期大山と新期大山に大別される[15]。約35万年以降に20回[16]のプリニー式噴火があり[1]、最新の活動は約2万800年前(三鈷峰溶岩ドームおよび阿弥陀川火砕流堆積物)と考えられている[1]。 蒜山火山群[編集] 蒜山火山群の火山活動史については「蒜山」を参照。 古期大山噴出物(約100万年前~約21万年前)[編集] 活動を開始した約100万年前から、約21万年前に噴出した大山奥津降下火砕物(DOP)直前までの噴出物を古期噴出物と呼ぶ[1][17]。 側火山の形成[編集] 大山火山の北西部に、3つの溶岩ドームと1つの火砕丘が噴出した[4][15]。最初期の噴出は鰐抜山溶岩ドーム(約96万年前)[4]で、のちに鈑戸山溶岩ドーム(約68万年前)[4]、孝霊山溶岩ドーム(約30万年前)が噴出した。鍋山火砕丘も同時期に形成されたと考えられているが、溶岩の年代値は得られていない。 古期溶岩類の噴出[編集]
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