竜王戦 – Wikipedia

竜王戦(りゅうおうせん)は、読売新聞社および日本将棋連盟主催[注 1]の将棋の棋戦で、タイトル戦のひとつ。第1期は1987年であるが、前身の十段戦、さらにその前身の九段戦(第1期は1950年)から数えると、タイトル戦の中で名人戦(第1期は1935 – 1937年)に次いで2番目に長い歴史を有している。七番勝負の勝者は竜王のタイトル称号を得る。竜王は名人 (将棋)とともに、別格のタイトルとされている。

沿革[編集]

読売新聞社が主催していた「十段戦」が発展的に解消され、1988年に発足した。

名人戦を超える格を有する棋戦の創設について、歴代名人の了承を取る必要があった。中原誠(当時名人に在位、十六世名人資格保持者)が連盟に一任したのに対して、大山康晴(十五世名人、当時連盟会長)と升田幸三(実力制第四代名人)は反対した。折衝の末、賞金額1位を公表してもよいが(棋戦の序列は上)、タイトルホルダーとしての序列は名人と同格ということで話がまとまった。

棋戦名[編集]

「竜王戦」という棋戦名は、竜は古来中国で皇帝の権威の象徴として神格化されていた最強者のシンボルであること、将棋の駒の「竜王」(「飛車」の成り駒)は将棋で最強の駒であることの2点を理由として命名された。

田丸昇[2]によると、新棋戦名候補として、他に「棋神戦」「最高峰戦」「巨人戦」「巨星戦」「棋宝戦」「達人戦」「将棋所」などがあったという。しかし、「棋神戦」は宗教絡みの問題が心配、「巨人」は同じく読売新聞傘下のプロ野球球団・読売ジャイアンツの通称(同じく「巨人」)と紛らわしいなどそれぞれに問題があった。当時読売新聞社で竜王戦の創設に携わった観戦記者の山田史生[3]によると、「竜王戦」という候補に対しても、読売ジャイアンツのライバルであったプロ野球中日ドラゴンズを連想するからよくないという意見があったという。また、竜王は最も強い駒ではあるが、最も価値の高い駒は取られたら負けとなる王将であるから、王将戦の上に竜王戦を設けるのは「ヘボ将棋 王より飛車を 可愛がり」という著名な格言(川柳)の教えに反するとの指摘もある。最終的には候補を一つずつ消していき、最後まで残った「竜王戦」が棋戦名に決まった。

山田史生によれば、「王戦」と「王戦」のどちらを正式な棋戦名とするかでも議論となった。一般的な将棋の駒には「龍王」と記されているが、読売新聞社では常用漢字外の「龍」を原則使用しないとしていたためである。元々、竜と龍は異体字であるが、竜は龍の略字であり新字であると同時に古字でもあるという関係にある。そこで、略字扱いされていた竜こそが正統な字であるという根拠によって「竜王戦」を正式な棋戦名とした。これ以降、日本将棋連盟は駒の正式な名前は「竜王」であり、実在の駒に「龍王」と記されているのは書体の都合であるという立場をとっている。

開催方式[編集]

竜王就位式で渡される竜王杯は秩父宮雍仁親王寄贈で、九段戦、十段戦から引き継ぎ使用されている。

竜王戦となってからタイトル戦の中で最も高い賞金を誇るようになり、第30期の優勝賞金は4320万円、準優勝賞金は1620万円であり、挑戦者決定三番勝負の対局料は460万円である[4]。なお、賞金や対局料は何度も変更されている[注 2][5][6]

第30期(2017年)からは七番勝負第1局に東急グループの協賛がつき[7]、同グループが保有しているセルリアンタワー地下の能楽堂での部分公開対局が行われるようになったほか、就位式の会場提供も行っている。同グループはそのまま第31期(2018年)から竜王戦全体の協賛に加わった。さらに同じ第31期からは野村ホールディングスが特別協賛として加わったほか[8]、明治も「明治ヨーグルトR-1」名義で協賛している[9]

1組から6組に分かれたトーナメント(竜王ランキング戦[注 3])、本戦トーナメント、および竜王戦七番勝負からなる。毎年11月ごろから竜王ランキング戦が始まり、翌年夏に本戦トーナメントが行われて8〜9月ごろに挑戦者が決まり、竜王戦七番勝負は10月から12月ごろにかけて行われる。

html5将棋盤[10]を使用したシリーズは叡王戦に続いて2例目だが、公式はadobeのサービス終了までflash将棋盤が使用されていた。

「前竜王」の称号[編集]

前期竜王戦の勝者の棋士が今期竜王戦に敗れると前竜王となり、他にタイトルを持っていない場合に、次期竜王戦終了まではタイトルに準ずる称号として「前竜王」と名乗ることが出来た。棋士の序列としては「前名人」と同様の位置づけだった。なお「前竜王」の称号は、本人の意向により辞退することもできる。第1期竜王の島朗、第2期竜王の羽生善治、第6期竜王の佐藤康光の3人が竜王失冠後に前竜王を称したが、第10期竜王の谷川浩司が第11期にて失冠後に「九段」を称して以降は辞退が続き、「前名人」ともども20年以上名乗った者がいない実情を踏まえ、2020年2月に日本将棋連盟は「前竜王」の称号を「前名人」ともども廃止すると発表した[11]

「永世竜王」の称号[編集]

永世称号である永世竜王は、竜王を連続5期もしくは通算7期以上保持した棋士に与えられる。2021年11月現在、永世竜王の資格を持つ棋士は、渡辺明と羽生善治の2名である。

竜王と名人[編集]

竜王と名人は、他のタイトルとは別格の扱いを受ける。

独自のランキング戦と本戦によって挑戦者(本戦優勝者)を決定し、竜王と挑戦者は七番勝負を行う。組が上位であるほど、また、1組、2組では組の中での成績順位が上位であるほど、竜王在位者への挑戦権を得やすいシステムとなっている。

なお、2005年に制度が見直され、第18期(2005年)以前と第19期(2006年)以後で異なる部分がある。また、第1期竜王戦については後述する。

ランキング戦[編集]

竜王戦の予選は、1組から6組までに分かれたトーナメント戦で始まり、これを「竜王ランキング戦」と呼ぶ。1組の上位5名、2組の上位2名、3組から6組までの優勝者各1名の合計11名が本戦に出場する。

第18期までの本戦出場は、1組から4名、2組・3組から各2名、4組から6組までから各1名であったが、第19期から、1組から5名、3組から1名に変更された。同時に、各組の昇級枠・降級枠の人数も変更された(例:第18期までは1組からの降級者と2組からの昇級枠は各々3名であったが、第19期からは各々4名となった)。

現役棋士が在籍する組の一覧は、将棋棋士の在籍クラス を参照。

クラス 定員 本戦出場
(決勝トーナメント)
昇級 降級 賞金 (参考)過去の賞金(万円) 備考
第30期以降[12]
(万円)
第24期〜
第29期
[13]
第23期
まで
[4]
1組 16名 5名
(優勝者、準優勝者、
3位、4位、5位)
4名【0勝2敗】
(5位決定戦1回戦 敗退者)
優勝460
準優勝115
優勝450
準優勝110
優勝360
準優勝90
2組 16名 2名
(優勝者、準優勝者)
4名
(決勝進出者 2名、
および 3位 2名)
4名【0勝2敗】
(昇級者決定戦1回戦 敗退者)
優勝360
準優勝93
優勝350
準優勝90
優勝280
準優勝70
3組 16名 1名
(優勝者)
4名
(同上)
4名【0勝2敗】
(同上)
優勝260
準優勝62
優勝250
準優勝60
優勝200
準優勝50
4組 32名 1名
(優勝者)
4名
(同上)
4名【0勝3敗】
(残留決定戦 敗者)
優勝205
準優勝52
優勝200
準優勝50
優勝160
準優勝40
5組 32名 1名
(優勝者)
4名
(同上)
4名【0勝3敗】
(同上)
優勝155
準優勝41
優勝150
準優勝40
優勝120
準優勝30
6組 1〜5組以外の
現役棋士
1名
(優勝者)
4名
(同上)
優勝93
準優勝20
優勝90
準優勝20
優勝70
準優勝17
女流枠4名[注 4]
アマチュア枠5名[14]
奨励会員枠1名

竜王戦の各組とも原則として、1敗しただけでは敗退とならず、2敗目を喫するまでは少なくとも昇級(1組は本戦出場)の望みは残る仕組になっている。また、2敗するまでに1勝でもできれば原則降級しないことになっている。

各組のランキング戦において決勝戦まで勝ち抜いた者を優勝(1位)、決勝戦の敗者を2位として、1位と2位の2名は次期昇級者になる。
また、各組の優勝者は(1組と2組は2位も含めて)本戦に進出となる。

ランキング戦の準決勝までに敗れた棋士(女流枠、アマチュア枠、奨励会員枠の出場者を除く)は、変則パラマストーナメント形式で行われる敗者復活の昇級者決定戦(1組は本戦出場者決定戦)に回る。
1組の「本戦出場者決定戦」は3位〜5位決定戦の3つのグループに分かれており、それぞれを勝ち抜いた3位〜5位の3名は本戦に進出となる。2組から6組では、「昇級者決定戦」を2つのグループに分けて行ない、勝ち抜いた者(各組2名)は3位として次期昇級者になる。

このように、本戦出場者・昇級者はいずれも、ランキング戦・昇級者決定戦を通じて全勝か1敗だけの者であり、2敗した者は敗退となる。

敗退者のうち早い段階で2敗した者は次期降級者となる。
各組のランキング戦の1回戦の敗者は「昇級者決定戦(1組は本戦出場者決定戦)」の1回戦に回り、この「決定戦1回戦」での敗者(当年度成績「0勝2敗」の者)は、1組から3組ではそのまま次期降級者(各組4名)となる。
4組と5組の「昇級者決定戦1回戦」での敗者の各8名は、更に「残留決定戦」へ回り、この「残留決定戦」の敗者(当年度成績「0勝3敗」の各組4名)が次期降級者となる。

昇級は1つ上の組に上がり、降級は1つ下の組に下がるのが原則である。ただし例外として、3組以下の者が本戦を勝ち抜いて挑戦者となる場合、七番勝負の敗者は次期1組の所属になるので、3組以下の者が挑戦者に決まった時点で1組への昇級が決まる。この場合、次期の1組は定員プラス1名の17名、挑戦者が本来昇級して属するはずだった組は本来の定員マイナス1名で戦われ、1組からの降級者は5名に増える。

本戦出場者決定戦(1組のみ)
  • 1組の3位決定戦は、ランキング戦準決勝の敗者2名で行い、勝者が1組3位となる。
  • 1組の4位決定戦は、ランキング戦2回戦敗者4名によるトーナメントで、勝ち抜いた1名が1組4位となる。
  • 1組の5位決定戦は、ランキング戦1回戦敗者8名によるトーナメントで、勝ち抜いた1名が1組5位となる。
  • このように1組の3〜5位決定戦の決勝戦敗者は本戦には出場しない。特に3位決定戦敗者はランキング戦で準決勝まで勝ち進んだにも関わらず本戦に出場できない。
  • 5位決定戦1回戦(兼 降級者決定戦)敗退者4名は、2組へ降級する。
昇級者決定戦(2組以下)
  • 昇級者決定戦を勝ち抜いた各組2名は、昇級する。なお、昇級者決定戦はランキング戦でより上位で敗退した棋士ほど有利なトーナメントとなっており、1回戦を戦うのはランキング戦1回戦で敗れた棋士のみであり、準決勝で敗れた各組2名は1勝するだけで昇級が決定する。
  • 2組・3組の昇級者決定戦の1回戦(兼 降級者決定戦)で敗れた各組4名は、降級する。
  • 4組・5組の昇級者決定戦の1回戦で敗れた各組8名は、残留決定戦に回る。
  • 昇級者決定戦の組合せは、何回戦で敗退したかで自動的に決まる。ただし、アマチュア・女流棋士・奨励会員は出場資格がないため、これらの参加者がランキング戦の上位まで勝ち残っている場合は、昇級者決定戦のトーナメントが変則的になるため、昇級者決定戦出場資格がない該当者がランキング戦の戦いを終えるまでは、当該の組では昇級者決定戦の組合せは行われない。
  • フリークラスの年限を満了しての引退が確定し次期竜王戦の出場資格がない棋士であっても、当期の昇級者決定戦には参加可能である。引退が確定している棋士が昇級者決定戦を勝ち抜いて3位になったとしても次期の出場はならないが、現役最終局を白星で飾って引退することとなる(他に出場可能な棋戦がない場合)。該当に近い例では、第29期6組において田丸昇が昇級者決定戦を勝ち進んだが準決勝で敗退しており、これまでの3位の中に該当する者はいない。
残留決定戦(4組・5組)
  • 1対1の形で行われ、その敗者各組4名が降級する。
  • 降級者を決めるだけの戦いなので、勝敗に関わらず次の対局はない。また、フリークラスの年限を満了しての引退が確定し次期竜王戦の出場資格がない棋士であっても、当期の残留決定戦まで出場が可能であるため、引退が確定している棋士がこの残留決定戦で勝ったとしても次期の出場はならないが、現役最終局を白星で飾って引退することとなる(他に出場可能な棋戦がない場合)。大内延介(第23期の5組残留決定戦が現役最終局)と淡路仁茂(第28期の5組残留決定戦が現役最終局)は、いずれも現役最終局となった残留決定戦を白星で飾って引退した。
棋士以外の出場枠
6組には女流棋士枠[注 4](第7期に2名枠で新設、第22期より4名)とアマチュア枠(アマチュア竜王戦ベスト4および支部名人[注 5]の計5名)、奨励会員枠(第25期より、年度前期三段リーグ次点者[注 6]1名)がある。6組のドローは、女流棋士とアマチュアのうち3名が準決勝まで当たらないように、アマチュアの残り2名が準々決勝まで当たらないように組まれる。なお28期までアマチュアの1回戦は初参加の新四段と対局していた(場合によっては1名はそれ以外の棋士との対局になる)が、29期よりその制約はなくなった。
女流・アマチュア・奨励会員が昇級の条件を満たした場合でも5組に昇級することができる。ただし、昇級者決定戦には参加できないため、決勝進出が要件となる。第34期まで、5組昇級に手が届いた女流・奨励会員・アマはいないが、これまでの最高成績としては、第4期の天野高志アマ(準決勝敗退=3勝1敗)[注 7]、第33期の西山朋佳女流三冠(準決勝敗退)[注 8]、第34期の小山怜央アマ(準決勝敗退)[注 9]の例がある。
また、アマチュアの最高成績は第34期の小山怜央アマ(4勝1敗)、女流棋士の最高成績は第19期の清水市代(2勝1敗)、奨励会員の最高成績は第33期の西山朋佳三段・女流二冠[注 10](4勝1敗)である。
2021年2月に、竜王戦ランキング戦(6組に限らない)で優勝した女流棋士とアマチュア選手には棋士編入試験の受験資格が、奨励会三段の者には奨励会三段リーグでの次点1が付与されることが発表された。竜王戦6組に参加する奨励会員は基本的に各年度前期三段リーグでの次点を獲得した者となる[注 11]ため、6組で優勝すると棋士四段への昇段資格を得ることになる[15]
前例が無いため明文の規定は無いが、棋士以外が5組に昇級した場合、特別枠として扱われる予定。たとえばアマチュアが5組に昇級すると、次期の6組には従来通り5人のアマチュアが出場し、5組はアマチュア昇級者を加えて、定員より1人多くなる。棋士以外は5組以上で1勝以上しても残留はできず、昇級以外の中途敗退は、次期の出場枠自体を失う。ただし、5組で敗退した場合は、次期は6組での出場を推薦される可能性が高いとしている[16]
第24期では女流棋士が絡む6組1回戦の4カードが、王座戦同様の同日一斉対局として行われた。
持ち時間
持ち時間は、ランキング戦、昇級者決定戦、1組の本戦出場者決定戦は各5時間、残留決定戦は各3時間(チェスクロック使用)で行われる。
定員過不足の調整
七番勝負の敗者は、在籍していたクラスの上下によらず次期は1組在籍となる。このため、3組以下の棋士が挑戦者になった場合、そのままではその棋士が在籍していた組の1つ上の組では定員割れになり、一方1組では定員を超過してしまう。それを避けるため、残留決定戦が追加で組まれる。1組では、5位決定戦の2回戦で敗れた棋士2人が1対1の残留決定戦を行い、敗れた方が5人目の2組降級者となる。このケースでは2組以下も順次必要な組まで降級者が追加される[注 12]
第20期(2007年)から、棋士の休場や引退などの理由で、5組以上の各組で定員割れや定員超過が起きた場合は、昇級者決定戦・残留決定戦を追加で行うことが規約に盛り込まれた。この場合、5人目の昇級者は、3位決定戦で敗れた2名による1対1の勝負で決まる。ただし、欠員が2名以上発生しても補充枠は1期につき各組1つずつしか増えない[注 13]。第28期では5組在籍のまま引退した淡路仁茂九段の欠員補充として、佐藤慎一五段が5位決定戦無しで昇級した。
フリークラス在籍期限を満了した棋士の特例参加
フリークラス規定の在籍期限を満了した棋士[注 14]は、原則として在籍期限に達した時点で参加している全公式戦の対局終了後に引退となるが、竜王戦については、フリークラス宣言により転出した以外のフリークラス棋士[注 15]は、在籍期限を経過しても、以下の要件に該当する場合は当棋戦への継続参加が出来る[注 16]
  • 4組以上の在籍者は、5組へ降級しない限り竜王戦への継続参加が出来る。5組へ降級しても即座に引退とはならず、5組在籍者と同じ条件となる。5組から4組以上への昇級者が再度5組へ降級する場合は、5組在籍残り期間において参加が可能となる。
  • 5組在籍者、もしくは4組から5組への降級者は6組へ降級しない限り2年間の継続参加が出来る。6組へ降級したら即引退となる。期間内に4組に昇級出来なくても引退となる。
  • フリークラス在籍期限満了時点で6組在籍の棋士は、ランキング戦決勝進出や昇級者決定戦で5組昇級に相当する成績を挙げた場合でも、次期竜王戦には参加出来ず引退となる。ランキング戦優勝して本戦も勝ち抜いて挑戦者になった場合に次期参加できるかは不明。
2010年に制定された規定[注 17]が初めて適用され、竜王戦に限定して公式戦の継続参加が認められた棋士は、第33期で5組在籍を維持した藤倉勇樹と桐山清澄がいる。
対局料
ランキング戦などの対局料について具体的な金額は非公開だが、システムの概要については過去に田丸昇が自身のブログで明らかにしている[17]
ランキング戦の対局料は、原則として1組を基準として以下組が下がる毎に「1つ上の組の75%」で算出される。ただ実際の対局料は対局者の段位にも影響され、同じ組でも段位が高いと対局料は高くなる(実際田丸は(八段から九段に)昇段して「2割ほど対局料が増えた」という[17])。また昇級者決定戦の対局料はランキング戦の80%、残留決定戦は同30%となる。なお女流棋士は一律6組の通常の対局料の75%、奨励会三段は女流棋士の75%(≒6組の通常の対局料の約56%)に減額される。アマチュア選手は持ち時間(竜王戦の場合は5時間)に応じた商品券が支給される。ただし、アマチュアでも勝ち進んで本戦や決勝に進出した場合、棋士と同じ基準で現金が支給されるようである[17]
また古田靖氏の著書によれば2005年12月2日に行われた第19期竜王戦予選6組1回戦におけるプロアマ双方の対局料、および記録係の手当はそれぞれ瀬川晶司新四段(当時)の対局料が10万円、清水上徹アマ竜王の対局料が商品券5万円、記録係の手当が2万円であった。なお瀬川は同年11月の戦後初のプロ編入試験の合格によりプロ入りし、本局がプロとしての公式戦初戦だった。よって竜王戦は6組所属、フリークラス所属のため順位戦は未参加のため、『最も弱い(対局経験の少ない)四段の竜王戦予選1回戦の対局料が10万円(2005年当時)』となる[18]

本戦[編集]

本戦トーナメント(第2期 – 第18期)
本戦トーナメント(第19期以後)

「決勝トーナメント」とも呼ぶ。

ランキング戦の組と順位により、右図のように位置があらかじめ定められたトーナメントを行う。本戦シードは(第1期以外)一切存在せず、他のタイトルホルダーであろうが前期の番勝負敗者であろうが、ランキング戦を勝ち抜かなければ本戦に出場できない。

最初の制度では組ごとに挑戦者決定戦進出に必要な勝ち数が決まっており、1組と2組からは順位に関係なく2勝、3組と4組からは3勝、5組と6組からは4勝が必要だった。

現行の制度では同じ組でも順位が高いほど、また、同じ順位でも上の組ほど挑戦者決定戦進出に必要な勝数が少なくなる。1組の優勝者は1勝すれば挑戦者決定戦へ進出できるが、同じ1組でも2位〜4位では2勝、5位では3勝しなければ挑戦者決定戦に進出できない。また、2組2位は挑戦者決定戦に3勝必要で、2組優勝・1組2位より1回多い。また、6組以外の優勝者の挑戦者決定戦進出に必要な勝数は組番号と同じであり、5組と6組の優勝者は5勝しなければ挑戦者決定戦に進出できない。

挑戦者決定戦(本戦決勝)のみ三番勝負で行い、先に2勝したものが挑戦者となる。第1局は振り駒で、どちらが先手か後手か先後を決め、第2局は第1局と先後を逆にし、第3局は再度振り駒で先後を決める。持ち時間は各5時間。なお前述のとおり、挑戦者となった者は3組以下であっても次期は1組に昇級する。

現行の制度では1組の2位と3位は1組優勝者とは挑戦者決定戦まで当たらないようになっているが、4位と5位は1組優勝者に勝たないと挑戦者決定戦に進出できない。これは、1組竜王ランキング戦は早く負けるほど本戦出場者決定戦で当たる相手が弱くなり有利になる側面があるため、わざと早く負けて低位通過を狙う棋士が出てくるのを防ぐためである。1組優勝者と挑戦者決定戦まで当たらない3位以上で通過するためには準決勝まで進出しなければならないが、その準決勝で勝てば2位以上が確定するため、わざと負けるのは意味がないことになる。

竜王戦七番勝負[編集]

竜王と本戦を勝ち抜いた棋士が七番勝負を戦う。先に4勝したほうが新たな竜王となる。七番勝負は全国各地の旅館やホテルなどで開催される。第29期以前における第1局は日本国外での対局が行われたことがある(下記)。第30期以降の第1局は前述のとおり、セルリアンタワー能楽堂での部分公開対局が恒例となっている。

持ち時間は各8時間で、1局を2日かけて実施する。1日目の終わりには封じ手を行い、2日目の開始まで次の手を考えて有利になることがないようにする。

近年は第6局までに決着した場合、竜王が残りの対局会場に予定されていた場所を訪問し、前夜祭の代わりに祝勝会を行うのが恒例になっている。

日本国外での対局

竜王戦の規定による昇段[編集]

竜王戦の実績に基づく昇段は、次の通り定められている。

  1. 六段以下の棋士が2期連続で昇級した場合、1つ昇段する[注 18]
  2. 六段以下の棋士がランキング戦を3回優勝した場合、1つ昇段する。
  3. 五段以下の棋士が2組に昇級した場合、六段に昇段する[注 19]
  4. 六段の棋士が1組に昇級した場合、七段に昇段する[注 20]
  5. 六段以下の棋士が竜王挑戦を決めた場合、七段に昇段する[注 21]
  6. 七段の棋士が竜王を獲得した場合は八段に昇段する[注 22]
  7. 八段の棋士が、通算2期目の竜王を獲得した場合、九段に昇段する[注 23]
  8. 八段の棋士が、通算3期目のタイトルとして竜王を獲得した場合、九段に昇段する。

歴代七番勝負および本戦出場者[編集]

  • ○●などの表記は勝敗などを表す(○=勝ち、●=負け、千=千日手、持=持将棋)。
  • 勝敗は左側の棋士(竜王側、挑戦者決定戦勝者側)から見た勝敗。
  • “ * ”=挑戦権獲得者(挑戦者決定三番勝負の勝者)、“ 3 ”=挑戦者決定三番勝負の敗者
  • 棋士名背景色は、新竜王 獲得者永世資格 獲得者七番勝負 敗退挑戦者を表す。
竜王戦七番勝負 準決勝 決勝トーナメント
年度 決勝進出者 勝敗 決勝進出者 勝敗 準決勝敗者 第1期本戦準決勝シード 第1期本戦シード
1 1988 島朗 ○○○○ 米長邦雄 米長○●○ 高橋道雄 3高橋道雄 3中原誠 大山康晴
勝敗 準決勝敗者 1組優勝 1組2位 1組3位 2組優勝 2組2位 3組優勝 3組2位 4組優勝 5組優勝 6組優勝
島●○○ 中原誠 桐山 *米長 中村修 大内 小野修 *島 羽生 飯野 先崎
竜王戦七番勝負 挑戦者決定戦 決勝トーナメント
年度 竜王 勝敗 挑戦者 勝敗 挑決敗者 1組優勝 1組2位 1組3位 2組優勝 2組2位 3組優勝 3組2位 4組優勝 5組優勝 6組優勝
2 1989 島朗 ○持○●●●○● 羽生善治 ○○ 森下卓 中原 内藤 大山 勝浦 田中寅 *羽生 佐伯 3森下 小林宏 長沼
3 1990 羽生善治 ●●●○● 谷川浩司 ○○ 石田和雄 青野 中原 *谷川 福崎 塚田泰 3石田和 西川慶 佐藤康 有森 畠山成
4 1991 谷川浩司 持○●●○○○ 森下卓 ○○ 小林宏 福崎 塚田泰 勝浦 児玉 石田和 *森下 日浦 3小林宏 畠山鎮 丸山
5 1992 谷川浩司 ○千○●●●○● 羽生善治 ●○○ 佐藤康光 米長 高橋 中原 *羽生 3佐藤康 村山聖 神谷 藤原 深浦
6 1993 羽生善治 ○●○●●● 佐藤康光 ○○ 森内俊之 *佐藤康 谷川 塚田泰 勝浦 大内 内藤 3森内 井上慶 真田
7 1994 佐藤康光 ●●●○○● 羽生善治 ○○ 行方尚史 高橋 *羽生 米長 村山聖 中村修 森内 屋敷 中田宏 深浦 3行方
8 1995 羽生善治 ●○○○●○ 佐藤康光 千○●○ 先崎学 中原 森下 *佐藤康 谷川 3先崎 小野修 日浦 西村 阿部隆 行方 鈴木大
9 1996 羽生善治 ○●●●● 谷川浩司 ○○ 佐藤康光 高橋 *谷川 3佐藤康 森内 日浦 丸山 浦野 井上慶 飯塚 川上
10 1997 谷川浩司 ○○○○ 真田圭一 ○○ 屋敷伸之 塚田泰 佐藤康 森内 3屋敷 先崎 行方 阿部隆 *真田 松本 近藤正
11 1998 谷川浩司 ●●●● 藤井猛 ●○○ 羽生善治 3羽生 屋敷 高橋 丸山 森雞 郷田 鈴木大 *藤井猛 大野八 北島
12 1999 藤井猛 ○○○●○ 鈴木大介 千○●○ 丸山忠久 森内 佐藤康 3丸山 谷川 郷田 *鈴木大 井上慶 畠山鎮 久保 木下浩 佐藤紳
13 2000 藤井猛 ○●○○●●○ 羽生善治 ○○ 佐藤康光 中原 *羽生 3佐藤康 谷川 屋敷 米長 畠山成 青野 三浦 山本真 田村
14 2001 藤井猛 ●○●●● 羽生善治 ●千○○ 木村一基 谷川 中村修 *羽生 郷田 井上慶 畠山鎮 富岡 3木村一 北島 伊奈
15 2002 羽生善治 千千○○●●●○○ 阿部隆 ○●○ 中田宏樹 森下 藤井猛 森内 佐藤康 *阿部隆 真田 木村一 3中田宏 野月 松尾 宮田敦
16 2003 羽生善治 ●●●● 森内俊之 ○●○ 中原誠 佐藤康 谷川 *森内 中村修 木村一 3中原 杉本昌 久保 北島 山崎 高野秀
17 2004 森内俊之 ●○○●●○● 渡辺明 ○○ 森下卓 谷川 3森下 屋敷 羽生 先崎 杉本昌 神谷 森雞 *渡辺明 矢倉 西尾
18 2005 渡辺明 ○○○○ 木村一基 ○○ 三浦弘行 3三浦 森内 *木村一 行方 阿部隆 中村修 塚田泰 島朗 川上 増田裕 片上
以下、本戦出場枠を1組5名、3組1名に変更。1組優勝者は本戦準決勝からの登場に変更。
年度 竜王 勝敗 挑戦者 勝敗 挑決敗者 1組優勝 1組2位 1組3位 1組4位 1組5位 2組優勝 2組2位 3組優勝 4組優勝 5組優勝 6組優勝
19 2006 渡辺明 ●●○○○●○ 佐藤康光 ○○ 丸山忠久 3丸山 森内 *佐藤康 畠山鎮 杉本昌 森下 鈴木大 松尾 佐藤紳 中座 中村亮
20 2007 渡辺明 ○●○○●○ 佐藤康光 ○●○ 木村一基 3木村一 *佐藤康 羽生 中原 谷川 深浦 富岡 久保 片上 伊奈 戸辺
21 2008 渡辺明 ●●●○○○○ 羽生善治 ○●○ 木村一基 丸山 3木村一 郷田 深浦 *羽生 山崎 久保 阿久津 増田裕 糸谷 豊島
22 2009 渡辺明 ○○○○ 森内俊之 ●○○ 深浦康市 3深浦 羽生 高橋 久保 松尾 *森内 森下 片上 田中寅 豊島 稲葉
23 2010 渡辺明 ○○●●○○ 羽生善治 ○○ 久保利明 丸山 松尾 *羽生 3久保 郷田 藤井猛 三浦 阿久津 村山慈 戸辺 中村太
24 2011 渡辺明 ○○●○○ 丸山忠久 ●○○ 久保利明 *丸山 3久保 羽生 深浦 佐藤康 橋本崇 山崎 佐藤天 佐藤秀 稲葉 永瀬
25 2012 渡辺明 ○○○●○ 丸山忠久 ○●○ 山崎隆之 深浦 3山崎 飯島 *丸山 三浦 佐藤天 藤井猛 豊島 稲葉 永瀬 大石
26 2013 渡辺明 ●●○●● 森内俊之 ●○○ 郷田真隆 佐藤康 *森内 羽生 3郷田 山崎 小林裕 豊島 谷川 永瀬 及川 金井
27 2014 森内俊之 ●●○●● 糸谷哲郎 ○●○ 羽生善治 3羽生 屋敷 阿久津 郷田 深浦 行方 三浦 *糸谷 中村太 髙見 藤森
28 2015 糸谷哲郎 ○●●●● 渡辺明 ○●○ 永瀬拓矢 羽生 阿久津 豊島 佐藤康 藤井猛 稲葉 *渡辺明 真田 3永瀬 斎藤慎 千田
29 2016 渡辺明 ○●●○○●○ 三浦弘行
[注 24]
丸山忠久
●○○ 丸山忠久 3丸山 久保 *三浦 深浦 豊島 郷田 阿部健 永瀬 中座 黒沢 青嶋
30 2017 渡辺明 ●●○●● 羽生善治 ○●○ 松尾歩 3松尾 *羽生 丸山 久保 阿久津 稲葉 佐藤康 村山慈 佐々勇 増田康 藤井聡
31 2018 羽生善治 ○○●●○●● 広瀬章人 ●○○ 深浦康市 *広瀬 豊島 松尾 久保 佐藤康 三浦 3深浦 千葉 増田康 藤井聡 都成
32 2019 広瀬章人 ●●●○● 豊島将之 ○●○ 木村一基 渡辺明 永瀬 3木村一 *豊島 久保 佐藤天 橋本崇 鈴木大 藤井聡 近藤誠 梶浦
33 2020 豊島将之 ○●○○○ 羽生善治 ●○○ 丸山忠久 *羽生 佐藤和 久保 佐藤康 木村一 佐々勇 3丸山 藤井聡 石井 梶浦 高野智
34 2021 豊島将之 ●●●● 藤井聡太 ○○ 永瀬拓矢 3永瀬 久保 山崎 羽生 佐藤天 *藤井聡 八代 三枚堂 梶浦 青嶋 折田
35 2022 藤井聡太

エピソード[編集]

「竜王ドリーム」
将棋の最高位のタイトル戦ながら、若手にもタイトル奪取のチャンスがあり、アマチュアや女流棋士も参加できる。実際、島朗・羽生善治・佐藤康光・藤井猛・渡辺明・糸谷哲郎のように初タイトルが竜王のケースが多い。最低クラス挑戦記録の保持者は4組優勝で本戦進出した真田圭一・藤井猛・渡辺明であり、このうち藤井と渡辺はその期に竜王奪取に成功している。しかしいずれも古いフォーマットの本戦トーナメントの話であり、新しいフォーマットになってからは4組以下から挑戦した者はおらず、3組から出場した糸谷哲郎が最低クラスの挑戦記録である(竜王も奪取)。
1組優勝者のジンクス(第31期まで)
棋戦創設以来長らく1組の優勝者が挑戦者になったことがなく、いわゆる「将棋界の七不思議」の一つとして、しばしば話題となった。第17期までは挑戦者決定三番勝負へ進出したことさえなかった(第18期に初めて1組優勝の三浦弘行が三番勝負に進出)。さらに第19期からの本戦トーナメント表は、上記の図のとおり1組優勝者に有利なものに変更されたが、それでもなお挑戦者はなかなか現れなかった。しかし第24期でそれまで3度1組優勝を果たしながら挑戦者になれなかった丸山忠久が、4度目の1組優勝を果たした上で自身初の挑戦権を獲得。しかし奪取成らずであったため、このジンクスの終止符は完全には打たれなかった。その後、2018年度の第31期で1組優勝の広瀬章人が挑戦権を獲得。そしてフルセットの末に竜王を獲得し、1組優勝者のジンクスに完全に終止符を打った。
歴代1組優勝経験者で竜王になったことのない棋士は、桐山清澄、中原誠、青野照市、脇謙二、高橋道雄、塚田泰明、南芳一、森下卓、三浦弘行、丸山忠久、木村一基、深浦康市、松尾歩、永瀬拓矢である。逆に歴代竜王で1組ランキング戦に参加して優勝経験がない棋士は、藤井猛、糸谷哲郎、豊島将之である。藤井聡太は2組優勝から竜王になっており、これまで1組ランキング戦に参加したことはない。
1組優勝棋士が順位戦B級1組以上の在籍経験なし(第5期)
第5期竜王戦の1組ランキング戦で優勝した脇謙二は、順位戦でA級・B級1組へ在籍した経験がないままフリークラス宣言を行った。歴代の1組優勝棋士の中で、順位戦でB級1組とA級に在籍した経験がない唯一の事例である。
初参加の新四段棋士が挑決進出(第7期)
第7期(1994年)、新四段で竜王戦初参加の行方尚史が6組で優勝し、さらには本戦トーナメントでも挑戦者決定三番勝負に進出して、「6組からタイトル挑戦か」ということで話題となった(結果は羽生善治に0-2で敗退)。
女流棋士が公式戦で初めて棋士に勝利(第7期)
女流棋士の中井広恵が、第7期竜王戦の6組1回戦で棋士の池田修一を破った。女流棋士と棋士が対局する公式戦で、女流棋士の初勝利となった[20]
竜王戦1組順位戦C級2組の棋士(第8期、第34期)
第8期(1995年)、先崎学が2組で優勝して1組昇級を決めた。順位戦で最下位のC級2組に所属しながら、竜王戦では最上位の1組所属というのは先崎が初めてである[21]。第34期(2021年)、八代弥が2組で準優勝して1組昇級を決め、26年ぶりに竜王戦1組順位戦C級2組の棋士となった。
大落手の逆転敗北から連勝で挑戦権獲得・復位(第14期)
2001年9月1日に行われた挑戦者決定戦三番勝負第1局・1組3位の羽生善治四冠対4組優勝の木村一基五段(段位・称号はいずれも対局当時)は羽生がリードを広げて勝ちを決めかけた局面で、木村の135手目5六銀(王手)に対する羽生の136手目6四玉により6五飛の1手詰みが生じ、木村がその通りに着手したため、非常に珍しい羽生の落手による逆転負けとなった。しかし、羽生はその後第2・3局を連勝し挑戦権を獲得、七番勝負でも藤井猛竜王に4-1で制し6期ぶりの竜王に返り咲いた。
第3局は後手番の勝利(第15期〜第27期)
第15期(2002年)の第3局▲羽生善治竜王-△阿部隆七段戦で羽生竜王が敗れて以来、七番勝負の第3局では後手番の勝利が続いていた。しかし第28期(2015年)の第3局▲渡辺明棋王-△糸谷哲郎竜王戦で先手番の渡辺が勝利し、記録が13期で途切れた。
羽生善治が初めてタイトル戦でストレートで敗れる(第16期)
第16期竜王戦で羽生善治は初めてタイトル戦でストレート負けの0勝4敗を喫し、森内俊之に竜王を奪われた。羽生のタイトル戦ストレート負けは第59期王座戦、第40期棋王戦(いずれも相手は渡辺明)とその後も起きているが、七番勝負のストレート負けは第16期竜王戦のみである。
1組の壁(第19期〜)
本戦トーナメントの制度が変更された第19期(2006年)以降、4組以下からの出場者は1組からの出場者3人を連破しなければ挑決に進めないが、1人目の1組5位にすら勝てない状態が続いていた。第28期(2015年)に1組5位の藤井猛を下してこの壁を破った4組優勝の永瀬拓矢は、そのまま残り2人も下し挑決に進んだが、渡辺明に敗れ挑戦は叶わなかった。4組以下が挑戦者決定三番勝負への進出を果たした例はこの期の永瀬が唯一である[22]
「初代永世竜王決定戦」と3連敗4連勝(3連勝4連敗)、1棋戦のみのタイトル獲得で永世称号獲得(第21期)
第21期(2008年)は、4連覇中の渡辺に通算6期獲得の羽生が挑戦し、勝った方が初代永世竜王資格を得る大一番となった。このような「永世称号決定戦(永世シリーズ)」は全タイトル戦通じて史上初。結果は羽生の3連勝の後に渡辺が4連勝し逆転で防衛。初代永世竜王資格を獲得した。また、七番勝負のタイトル戦での3連敗4連勝(3連勝4連敗)も、将棋界では史上初の出来事であった。さらに永世竜王資格を獲得した渡辺は当時、竜王以外のタイトルを獲得した経験がなかった。
タイトル保持者・A級棋士と対戦せずに竜王獲得(第28期)
第28期竜王を獲得した渡辺明は、2組ランキング戦・本戦・タイトル戦を通じて竜王以外のタイトル保持者・A級棋士と一度も対戦することなく竜王を獲得した。これは、自身が竜王戦2組在籍だったこと、永瀬拓矢(対局当時は順位戦C級2組在籍)が竜王戦4組で優勝して、竜王戦1組からの本戦出場者を連破して渡辺との挑決まで勝ち上がってきたこと、そして第27期竜王の糸谷哲郎が当時順位戦B級2組在籍だったことが重なって起きた[注 25]。後に第4期叡王戦において同様の記録を永瀬拓矢が達成している。
将棋ソフト不正使用疑惑による挑戦者変更(第29期)
最年少vs最年長、そして最多連勝記録への第一歩(第30期)
2016年12月24日のランキング戦6組1回戦にて同年9月に史上最年少の14歳2か月で四段に昇段した藤井聡太のデビュー戦、かつ第30期の開幕局として、奇しくも[注 26]これまでの四段昇段最年少記録を保持していた加藤一二三との対局が行われた。対局当時、藤井は14歳5か月、加藤は76歳11か月で年齢差62歳という将棋の公式戦史上年齢差のある対局となり、結果は110手で藤井四段の勝ちとなった。この対局で藤井は公式戦での最年少勝利を収めた一方、加藤は将棋界史上初めて、19世紀生まれ〜21世紀生まれの棋士と公式戦で対局した棋士となった。のちに加藤九段はC級2組順位戦で3つ目の降級点を喫し引退が決定したので両者が共にエントリーする棋戦はこの第30期竜王戦の他に第43期棋王戦と第66回NHK杯戦だけだった。[注 27]加藤はその後行われた3位決定戦が現役最後の対局となった一方で、藤井はそのままランキング戦で優勝し史上最年少で本戦に出場した。
羽生善治、永世七冠達成(第30期)
前述の通り、第21期で3連勝後の4連敗で復位と永世竜王の資格の獲得に失敗した羽生はその後、第25期と第29期を除く全てで挑戦者決定トーナメントに進み、第23期では挑戦者になるも2-4で再び渡辺に敗れた。そして第30期、挑戦者決定三番勝負で松尾歩を下し、2010年の第23期以来の挑戦となった。2017年12月5日の第5局で4勝目をあげ、4勝1敗で自身15期ぶりとなる竜王を奪取。これにより竜王通算7期を満たして永世竜王の資格を取得、同時に永世七冠を達成した。ちなみに竜王初獲得から永世竜王の資格を得るまでに28期(年)かかったが、これは羽生、ならびに谷川浩司が名人戦で名人初獲得から永世名人の資格を得るまでに要した14期(年)を遥かに超える永世資格取得の最長の到達所要期間である。
戦後最長手数更新(第31期)
2018年2月27日に行われたランキング戦6組の牧野光則対中尾敏之において戦後最長手数である420手で持将棋が成立した。これまで棋譜が確認されている戦後最長記録は昭和44年の第23期順位戦B級1組の芹沢博文対原田泰夫戦の389手で、棋譜が確認されている中で初めて400手を超えた。指し直し局は100手で牧野の勝ち。休憩含めて約19時間に及ぶ激闘となった[23]。なお、この対局は2017年度の将棋大賞の一つである名局賞特別賞を受賞している。また、フリークラス在籍期限の最終年度であった中尾は、この後、規定の年度成績にあと1勝及ばず、現役引退となった。
七段昇段記録を61年ぶりに更新(第31期)
2018年5月18日に行われたランキング戦5組の準決勝・藤井聡太対船江恒平において、藤井が勝利したことにより4組に昇級を確定させた。藤井は当時六段で、6組に在位していた前期でも5組昇級相当の成績(ランキング戦6組優勝)を修めていた関係上、規定に基づき段位も昇段。従来の最年少七段昇段記録は加藤一二三(1957年4月1日、順位戦B級1組昇級に伴い七段昇段)の17歳3か月だったが、それを上回る15歳9か月で七段に昇進した[注 28]
勝てば100期、負ければ無冠の大一番(第31期)
羽生善治が通算獲得タイトル100期を賭けての虎の子1冠の防衛戦、広瀬章人との七番勝負は最終局までもつれ込み、第七局が100期か無冠かが決まる大一番となった。この対局に破れた羽生は27年ぶりの無冠[24]へ陥落。前竜王を名乗らず九段を名乗った[25]
6組ランキング戦参加者が64人を超える・竜王戦初の棋士以外同士の対戦(第33期)
6組ランキング戦の参加者が史上初めて64人を超え、優勝するには最大7勝が必要になり、1回戦として古賀悠聖三段対古作登アマの対局があった。棋士以外の者同士の対戦は竜王戦史上初である[注 29]
5組からの快進撃も最後は羽生に阻まれる(第33期)
5組から出場した梶浦宏孝は本戦トーナメントの最底辺から4連勝し準決勝まで進む快挙を成し遂げた。過去には6組から行方が挑決まで進んだことがあるが、このときの本戦トーナメントは今より低組からの出場者が有利な第18期以前のフォーマットであり、第19期以降のフォーマットでは初の快挙である。しかし準決勝で羽生善治に敗れ、竜王ドリームは成らなかった。
竜王戦史上初のランキング戦から全勝で竜王獲得(第34期)
2組から出場した藤井聡太はランキング戦で優勝し、史上初の5期連続優勝を果たした。本戦トーナメントにおいても勝ち進み、挑戦者決定三番勝負で永瀬拓矢を2勝0敗で下し、竜王初挑戦となった。竜王戦七番勝負では豊島将之を4勝0敗で下した。藤井はタイトル四冠(竜王・王位・叡王・棋聖)の最年少記録(19才3か月)を更新した。さらに藤井は史上初のランキング戦から全勝(12連勝)で竜王を奪取した。また、竜王奪取を決めた日は、藤井の師匠である杉本昌隆の誕生日でもあった。
1000勝目前で無念の引退(第35期)
現役最年長の棋士だった桐山清澄は、フリークラス転向後の引退規定により既に引退規定を満たしていたが、竜王戦で4組に昇級出来れば現役を続行出来た。フリークラスの引退から2期の間に竜王戦4組に昇級すれば現役を続行出来るというもので、1期目の第34期は昇級出来ず、2期目となる第35期を迎えた。この期で昇級出来なければ引退となる桐山は、竜王戦5組で昇級者決定戦に進出したが、その1回戦で伊奈孝介に敗れ昇級は出来ず引退が決まった。通算996勝、1000勝目前での引退だった。

第34期終了時点まで

獲得 番勝負出場 挑戦 決勝T進出(竜王在位含む) 決勝T進出(竜王在位除く) 1組以上所属
最多 渡辺明 11期 羽生善治 16期 羽生善治 9期 羽生善治 25期 羽生善治 18期 羽生善治 30期
連続 渡辺明 9連覇 渡辺明 10連続 佐藤康光・丸山忠久 2連続 渡辺明 10連続 久保利明 6連続 羽生善治 28連続
最年少 第2期 羽生善治 19歳3か月0日 第30期 6組優勝 藤井聡太 14歳 第2期 羽生善治 19歳2か月(竜王獲得)
最年長 第30期 羽生善治 47歳 第33期 羽生善治 50歳 第2期 1組3位 大山康晴 66歳 第5期 大山康晴 69歳
ランキング戦に関する記録
  • 5期連続昇級
    • 佐藤康光(1 – 5期):第6期の竜王獲得も「1組からの昇級」扱いとすれば「6期連続昇級」
    • 鈴木大介(8 – 12期)
    • 橋本崇載(15 – 19期):全て昇級者決定戦に回っての昇級
    • 佐藤天彦(21 – 25期)
    • 藤井聡太(30 – 34期):全てランキング戦優勝での昇級からの竜王獲得
  • 初連続優勝
1組のみ 条件なし 6組から
2期連続優勝 丸山忠久(23-24期) 羽生善治(1-2期、4組・3組) 行方尚史(7-8期)
3期連続優勝 木村一基(14-16期、4組・3組・2組) 永瀬拓矢(24-26期)
4期連続優勝 藤井聡太(30-34期、デビュー年から)
5期連続優勝
  • 復位した十段
    • 大山康晴永世十段は2度復位。1968年加藤一二三から奪われ、翌1969年に奪還。1970年中原誠に奪われ、1973年に十段位を保持し続けていた中原誠から奪還[26]
    • 中原誠永世十段は2度復位。1973年大山康晴に奪われ、翌1974年に奪還。1980年加藤一二三から奪われ、1982年に十段位を保持し続けていた加藤一二三から奪還。
    • 加藤一二三は、1969年大山康晴に奪われ、1980年に中原誠から奪還。

通算成績[編集]

  • 記載は決勝T進出・1組所属経験者に限る。
  • 太字は永世位獲得者または最多記録。
  • 1組所属期間は竜王在位期間も含む。
棋士別通算成績
氏名 竜王在位 七番勝負出場

(竜王在位、挑戦者問わず)

挑戦者決定戦進出

(竜王在位含む)

決勝T進出

(竜王在位含む)

1組所属

(竜王在位含む)

1組優勝 各組優勝 決勝T

最高成績

最高

所属組

通算 連続 通算 連続 通算 連続 通算 連続 通算 連続
渡辺明 11[注 24] 9 13 10 13 10 14 10 15 10 1 2 A 永世竜王
羽生善治 7 2 16 5 18 5 26 5 31 29 3 6 A 永世竜王
谷川浩司 4 2 6 3 6 3 15 7 22 18 2 3 B 竜王
藤井猛 3 3 4 4 4 4 8 5 16 9 0 2 B 竜王
森内俊之 2 1 5 2 6 2 13 5 18 12 1 5 B 竜王
豊島将之 2 2 3 3 3 3 10 4 8 8 0 3 B 竜王
佐藤康光 1 1 5 3 8 5 19 6 28 24 2 3 B 竜王
島朗 1 1 2 2 2 2 4 2 11 10 2 2 B 竜王
糸谷哲郎 1 1 2 2 2 2 3 2 6 5 0 2 B 竜王
広瀬章人 1 1 2 2 2 2 2 2 3 3 1 1 B 竜王
藤井聡太 1 1 1 1 1 1 5 5 0 0 0 5 B 竜王
丸山忠久 0 0 3[注 24] 2 6 2 12 3 22 21 5 8 C 挑戦者
木村一基 0 0 1 1 5 2 8 3 12 6 1 4 C 挑戦者
森下卓 0 0 1 1 3 1 7 1 17 14 1 4 C 挑戦者
鈴木大介 0 0 1 1 1 1 5 2 10 4 0 2 C 挑戦者
米長邦雄 0 0 1 1 1 1 4 1 12 11 0 0 C 挑戦者
阿部隆 0 0 1 1 1 1 4 1 10 9 0 3 C 挑戦者
真田圭一 0 0 1 1 1 1 4 1 4 3 0 3 C 挑戦者
三浦弘行 0 0 0[注 24] 0 2 1 7 1 13 3 1 3 D 挑決勝者[注 24]
久保利明 0 0 0 0 2 2 13 6 12 7 0 2 E 挑決 E01 1組
深浦康市 0 0 0 0 2 1 10 3 11 10 2 5 E 挑決 E01 1組
中原誠 0 0 0 0 2 1 8 3 18 9 3 3 E 挑決 E01 1組
永瀬拓矢 0 0 0 0 2 1 7 3 4 4 1 6 E 挑決 E01 1組
郷田真隆 0 0 0 0 1 1 8 2 18 16 0 3 E 挑決 E01 1組
山崎隆之 0 0 0 0 1 1 6 3 9 4 0 2 E 挑決 E01 1組
屋敷伸之 0 0 0 0 1 1 6 2 16 7 0 2 E 挑決 E01 1組
松尾歩 0 0 0 0 1 1 6 2 8 4 1 3 E 挑決 E01 1組
高橋道雄 0 0 0 0 1 1 6 1 23 13 2 2 E 挑決 E01 1組
行方尚史 0 0 0 0 1 1 5 2 7 6 0 4 E 挑決 E01 1組
先崎学 0 0 0 0 1 1 4 1 6 2 0 3 E 挑決 E01 1組
石田和雄 0 0 0 0 1 1 2 2 1 1 0 1 E 挑決 E01 1組
小林宏 0 0 0 0 1 1 2 1 0 0 0 2 E 挑決 E03 3組
中田宏樹 0 0 0 0 1 1 2 1 0 0 0 1 E 挑決 E02 2組
南芳一 0 0 0 0 0 0 6 2 16 16 1 1 F03 3位T E01 1組
塚田泰明 0 0 0 0 0 0 5 2 9 6 1 4 F03 3位T E01 1組
阿久津主税 0 0 0 0 0 0 5 2 6 6 0 2 F03 3位T E01 1組
稲葉陽 0 0 0 0 0 0 5 2 5 4 0 5 F03 3位T E01 1組
中村修 0 0 0 0 0 0 5 1 11 6 0 0 F03 3位T E01 1組
佐藤天彦 0 0 0 0 0 0 4 2 7 5 0 3 F05 5位T E01 1組
脇謙二 0 0 0 0 0 0 4 1 7 4 1 1 F03 3位T E01 1組
畠山鎮 0 0 0 0 0 0 4 1 5 3 0 1 F03 3位T E01 1組
井上慶太 0 0 0 0 0 0 4 1 2 1 0 4 F05 5位T E01 1組
梶浦宏孝 0 0 0 0 0 0 3 3 0 0 0 3 F03 3位T E04 4組
杉本昌隆 0 0 0 0 0 0 3 2 8 7 0 1 F05 5位T E01 1組
日浦市郎 0 0 0 0 0 0 3 2 6 4 0 1 F05 5位T E01 1組
勝浦修 0 0 0 0 0 0 3 1 4 3 0 1 F03 3位T E01 1組
片上大輔 0 0 0 0 0 0 3 1 0 0 0 3 F05 5位T E02 2組
北島忠雄 0 0 0 0 0 0 3 1 0 0 0 3 F09 9位T E02 2組
福崎文吾 0 0 0 0 0 0 2 2 10 10 0 0 F03 3位T E01 1組
大山康晴 0 0 0 0 0 0 2 2 4 3 0 0 F03 3位T E01 1組
増田康宏 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 0 2 F05 5位T E03 3組
橋本崇載 0 0 0 0 0 0 2 1 10 5 0 1 F03 3位T E01 1組
田中寅彦 0 0 0 0 0 0 2 1 9 9 0 1 F05 5位T E01 1組
青野照市 0 0 0 0 0 0 2 1 6 2 1 1 F05 5位T E01 1組
大内延介 0 0 0 0 0 0 2 1 6 2 0 2 F05 5位T E01 1組
森雞二 0 0 0 0 0 0 2 1 5 3 0 0 F05 5位T E01 1組
村山聖 0 0 0 0 0 0 2 1 4 4 0 2 F03 3位T E01 1組
内藤國雄 0 0 0 0 0 0 2 1 3 3 0 0 F05 5位T E01 1組
佐々木勇気 0 0 0 0 0 0 2 1 1 1 0 2 F05 5位T E01 1組
小野修一 0 0 0 0 0 0 2 1 1 1 0 1 F05 5位T E01 1組
神谷広志 0 0 0 0 0 0 2 1 1 1 0 1 F05 5位T E01 1組
富岡英作 0 0 0 0 0 0 2 1 1 1 0 1 F08 8位T E01 1組
畠山成幸 0 0 0 0 0 0 2 1 0 0 0 2 F03 3位T E02 2組
村山慈明 0 0 0 0 0 0 2 1 0 0 0 2 F05 5位T E02 2組
川上猛 0 0 0 0 0 0 2 1 0 0 0 2 F05 5位T E03 3組
伊奈祐介 0 0 0 0 0 0 2 1 0 0 0 2 F05 5位T E03 3組
青嶋未来 0 0 0 0 0 0 2 1 0 0 0 2 F05 5位T E05 5組
中座真 0 0 0 0 0 0 2 1 0 0 0 2 F08 8位T E02 2組
中村太地 0 0 0 0 0 0 2 1 0 0 0 2 F08 8位T E02 2組
戸辺誠 0 0 0 0 0 0 2 1 0 0 0 2 F08 8位T E03 3組
佐藤紳哉 0 0 0 0 0 0 2 1 0 0 0 2 F09 9位T E02 2組
増田裕司 0 0 0 0 0 0 2 1 0 0 0 2 F10 10位 E03 3組
桐山清澄 0 0 0 0 0 0 1 1 7 5 1 1 F08 8位T E01 1組
阿部健治郎 0 0 0 0 0 0 1 1 5 5 0 0 F05 5位T E01 1組
飯島栄治 0 0 0 0 0 0 1 1 3 3 0 0 F03 3位T E01 1組
斎藤慎太郎 0 0 0 0 0 0 1 1 2 2 0 1 F10 10位 E01 1組
佐藤和俊 0 0 0 0 0 0 1 1 2 2 0 0 F05 5位T E01 1組
小林裕士 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 0 1 F05 5位T E01 1組
児玉孝一 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 0 1 F05 5位T E01 1組
東和男 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 F05 5位T E01 1組
八代弥 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F03 3位T E02 2組
飯塚祐紀 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F05 5位T E03 3組
近藤正和 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F05 5位T E04 4組
千葉幸生 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F08 8位T E02 2組
三枚堂達也 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F08 8位T E03 3組
中村亮介 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F08 8位T E04 4組
野月浩貴 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F09 9位T E02 2組
泉正樹 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F09 9位T E03 3組
矢倉規広 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F09 9位T E03 3組
山本真也 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F09 9位T E03 3組
有森浩三 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F09 9位T E04 4組
木下浩一 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F09 9位T E04 4組
佐藤秀司 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F10 10位 E03 3組
大石直嗣 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F10 10位 E03 3組
近藤誠也 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F10 10位 E04 3組
石井健太郎 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F10 10位 E04 3組
金井恒太 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F10 10位 E05 4組
藤森哲也 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F10 10位 E05 5組
及川拓馬 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E02 2組
西尾明 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E02 2組
千田翔太 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E02 2組
松本佳介 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E03 3組
田村康介 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E03 3組
髙見泰地 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E03 3組
都成竜馬 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E04 3組
藤原直哉 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E04 4組
大野八一雄 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E04 4組
長沼洋 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E04 4組
宮田敦史 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E04 4組
黒沢怜生 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E04 4組
髙野秀行 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E05 5組
高野智史 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E06 5組
折田翔吾 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F11 11位 E06 6組
飯野健二 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 F13 13位 E04 4組
西村一義 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 F05 5位T E02 2組
西川慶二 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 F09 9位T E02 2組
佐伯昌優 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 F09 9位T E02 2組
浦野真彦 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 F09 9位T E02 2組
有吉道夫 0 0 0 0 0 0 0 0 6 6 0 0 G E01 1組
森安秀光 0 0 0 0 0 0 0 0 6 6 0 0 G E01 1組
加藤一二三 0 0 0 0 0 0 0 0 4 4 0 0 G E01 1組
中川大輔 0 0 0 0 0 0 0 0 4 4 0 0 G E01 1組
二上達也 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 0 0 G E01 1組
伊藤果 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 0 0 G E01 1組
小林健二 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 G E01 1組
澤田真吾 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 G E01 1組
女流棋士別出場実績
氏名 通算 連続 最高成績
清水市代 20 18 7,9-26,28 6組ランキング戦2勝(6組ベスト16進出 第19期)
中井広恵 9 4 7-10,12,14,16-18,25 6組ランキング戦1勝(6組ベスト16進出 第7,8,9期)
里見香奈 7 4 22-24,32-35 6組ランキング戦1勝(6組ベスト32進出 第33,34期)
伊藤沙恵 6 5 29,31-35 6組ランキング戦1勝(6組ベスト32進出 第29,32期)
甲斐智美 6 3 24-25,27-29,31 6組ランキング戦0勝
香川愛生 5 5 27-31 6組ランキング戦0勝
加藤桃子 5 3 29-31,34-35 6組ランキング戦1勝(6組ベスト32進出 第30,31,34期)
西山朋佳 4 4 32-35 6組ランキング戦4勝(6組ベスト4進出 第33期)
矢内理絵子 4 3 20,22-24 6組ランキング戦0勝
斎田晴子 4 1 8,11,15,21 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第21期)
上田初美 3 3 25-27 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第26期)
渡部愛 2 2 32-33 6組ランキング戦1勝(6組ベスト32進出 第33期)
石橋幸緒 2 1 13,22 6組ランキング戦0勝
岩根忍 2 1 23,30 6組ランキング戦0勝
千葉涼子 1 1 19 6組ランキング戦0勝
本田小百合 1 1 26 6組ランキング戦0勝
中村真梨花 1 1 26 6組ランキング戦0勝
鈴木環那 1 1 27 6組ランキング戦0勝
山田久美 1 1 28 6組ランキング戦0勝
室谷由紀 1 1 30 6組ランキング戦0勝
アマチュア選手別出場実績
氏名 通算 連続 最高成績
早咲誠和 13 7 6,10,12-14,19,21-27 6組ランキング戦3勝(6組ベスト8進出 第24期)
横山大樹 6 5 24,31-35 6組ランキング戦2勝(6組ベスト16進出 第32期)
遠藤正樹 6 3 6,11-13,20,28 6組ランキング戦2勝(6組ベスト16進出 第11期)
小山怜央 5 4 30,32-35 6組ランキング戦4勝(6組ベスト4進出 第34期)
今泉健司 5 2 16-17,19-20,26 6組ランキング戦3勝(6組ベスト8進出 第16,26期)
桐山隆 5 2 9-10,15-16,32 6組ランキング戦0勝
古作登 3 3 31-33 6組ランキング戦0勝
鈴木純一 3 2 7-8,11 6組ランキング戦1勝(6組ベスト16進出 第8期)
渡辺俊雄 3 2 16-17,21 6組ランキング戦0勝
古屋皓介 3 2 18,22-23 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第23期)
天野高志 3 1 4-5,26 6組ランキング戦3勝(6組ベスト4進出 第4期)
渡辺健弥 3 1 9,11,14 6組ランキング戦1勝(6組ベスト16進出 第11期)
加藤幸男 3 1 18,20,22 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第20期)
清水上徹 3 1 19,22,26 6組ランキング戦0勝
横山公望 2 2 4-5 6組ランキング戦0勝
蛭川敦 2 2 7-8 6組ランキング戦2勝(6組ベスト8進出 第7期)
林隆弘 2 2 12-13 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第12,13期)
吉沢大樹 2 2 14-15 6組ランキング戦3勝(6組ベスト8進出 第14期)
金内辰明 2 2 18-19 6組ランキング戦0勝
早川俊 2 2 20-21 6組ランキング戦0勝
渡辺誠 2 2 29-30 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第29期)
小野内一八 2 2 33-34 6組ランキング戦0勝
古賀一郎 2 1 1,6 6組ランキング戦1勝(6組ベスト8進出 第1期)
竹中健一 2 1 2,9 6組ランキング戦0勝
田尻隆司 2 1 2,12 6組ランキング戦0勝
宮本浩二 2 1 3,9 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第3期)
菊田裕司 2 1 5,7 6組ランキング戦0勝
下平雅之 2 1 14,28 6組ランキング戦0勝
中川慧梧 2 1 25,27 6組ランキング戦3勝(6組ベスト8進出 第25期)
吉本悠太 2 1 29,35 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第29期)
知花賢 2 1 33,35 6組ランキング戦2勝(6組ベスト32進出 第35期)
小林庸俊 1 1 1 6組ランキング戦0勝
谷川俊昭 1 1 1 6組ランキング戦0勝
小島一宏 1 1 1 6組ランキング戦0勝
沖元二 1 1 2 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第2期)
西本太郎 1 1 2 6組ランキング戦0勝
金子タカシ 1 1 3 6組ランキング戦0勝
野山知敬 1 1 3 6組ランキング戦0勝
西山実 1 1 3 6組ランキング戦0勝
柳浦正明 1 1 4 6組ランキング戦0勝
北村公一 1 1 4 6組ランキング戦0勝
新井田基信 1 1 5 6組ランキング戦0勝
永森広幸 1 1 5 6組ランキング戦0勝
中野博文 1 1 6 6組ランキング戦0勝
山本薫 1 1 7 6組ランキング戦0勝
中村知義 1 1 8 6組ランキング戦0勝
青柳敏郎 1 1 8 6組ランキング戦0勝
加賀屋浩美 1 1 10 6組ランキング戦0勝
樋田栄正 1 1 10 6組ランキング戦1勝(6組3回戦進出 第10期)
森岡正幸 1 1 11 6組ランキング戦0勝
篠田正人 1 1 13 6組ランキング戦0勝
中藤誠 1 1 15 6組ランキング戦0勝
細川大市郎 1 1 15 6組ランキング戦0勝
小牧毅 1 1 16 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第16期)
東野徹男 1 1 17 6組ランキング戦0勝
伊藤大悟 1 1 17 6組ランキング戦0勝
中川俊一 1 1 18 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第18期)
才田信之 1 1 20 6組ランキング戦0勝
野島崇宏 1 1 21 6組ランキング戦0勝
山口直哉 1 1 21 6組ランキング戦0勝
鈴木勝裕 1 1 22 6組ランキング戦0勝
秋山太郎 1 1 23 6組ランキング戦0勝
加來博洋 1 1 23 6組ランキング戦0勝
竹内俊弘 1 1 23 6組ランキング戦0勝
中村裕介 1 1 24 6組ランキング戦0勝
浅倉孝幸 1 1 24 6組ランキング戦0勝
武田俊平 1 1 24 6組ランキング戦3勝(6組ベスト8進出 第24期)
稲葉聡 1 1 25 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第25期)
佐伯紘一 1 1 25 6組ランキング戦0勝
千葉成人 1 1 25 6組ランキング戦0勝
川西勇作 1 1 26 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第26期)
伊ヶ崎博 1 1 27 6組ランキング戦0勝
林秦佑 1 1 27 6組ランキング戦0勝
吉岡大和 1 1 27 6組ランキング戦0勝
水谷創 1 1 28 6組ランキング戦0勝
小泉卓也 1 1 28 6組ランキング戦0勝
笠井将生 1 1 28 6組ランキング戦0勝
城間春樹 1 1 29 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第29期)
藤本裕行 1 1 29 6組ランキング戦0勝
桶屋郁夫 1 1 29 6組ランキング戦0勝
石井直樹 1 1 30 6組ランキング戦3勝(6組ベスト8進出 第30期)
中島灯希 1 1 30 6組ランキング戦3勝(6組ベスト8進出 第30期)
長森優作 1 1 30 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第30期)
藤原結樹 1 1 31 6組ランキング戦0勝
野島進太郎 1 1 31 6組ランキング戦2勝(6組ベスト16進出 第31期)
久保田貴洋 1 1 31 6組ランキング戦2勝(6組ベスト16進出 第31期)
橋嵜卓万 1 1 32 6組ランキング戦0勝
禰保拓也 1 1 33 6組ランキング戦0勝
天野倉優臣 1 1 34 6組ランキング戦0勝
奨励会員別出場実績
氏名 通算 連続 最高成績
石井健太郎 1 1 25 6組ランキング戦0勝
宮本広志 1 1 26 6組ランキング戦2勝(6組ベスト16進出 第26期)
西田拓也 1 1 27 6組ランキング戦0勝
佐々木大地 1 1 28 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第28期)
石川泰 1 1 29 6組ランキング戦3勝(6組ベスト8進出 第29期)
黒田尭之 1 1 30 6組ランキング戦0勝
甲斐日向 1 1 31 6組ランキング戦1勝(6組2回戦進出 第31期)
枡田悠介 1 1 32 6組ランキング戦0勝
古賀悠聖 1 1 33 6組ランキング戦2勝(6組ベスト32進出 第33期)
横山友紀 1 1 34 6組ランキング戦0勝
柵木幹太 1 1 35 6組ランキング戦2勝(6組ベスト32進出 第35期)

テレビ放送[編集]

七番勝負の模様は、名人戦七番勝負と同様、「将棋竜王戦」という番組名でNHKでテレビ放送されていた。

ネット配信では2020年現在、ABEMA・将棋チャンネルで七番勝負の完全生中継が行われている。2019年まではニコニコ生放送でも配信されていた。

第1期竜王戦[編集]

1987 – 1988年に行われた第1期は、竜王戦の前身が十段戦であったということで、最後の十段となった第26期十段と、永世十段資格者2名の計3名が本戦にシードされた。
ランキング戦の組分けの順序は、1期前(第25期)の十段と(十段以外の)タイトル保持者を優先し、以下、順位戦の順位で決められた。
本戦は14人によるトーナメントで、2つの準決勝は三番勝負、決勝は七番勝負で行われ、決勝を制した島朗六段が初代竜王となった。
(表中、「L残」は第26期十段リーグ残留の成績を挙げた者。称号や段位は当時のもの)

クラス 人数 本戦出場 構成
(第46期順位戦順位など)
備考
本戦
準決勝シード
1名 第26期十段
高橋道雄十段・棋王
準決勝三番勝負で米長に1勝2敗で敗れる。
本戦
準々決勝シード
2名 永世十段資格者
中原誠名人
大山康晴十五世名人
中原が準決勝三番勝負に
進出するが島に1勝2敗で敗れる。
1組 14名 4名 福崎文吾七段(第25期十段、L残)
米長邦雄九段(第23・24期十段、L残)

以上、1組予選2回戦より出場
桐山清澄棋聖(A級3位、L残)
谷川浩司王位(A級2位、L残)
塚田泰明王座(B級1組13位)
中村修王将(B級2組4位)
A級5-10位[注 30]
B級1組1位、2位

1組2位で本戦出場の米長邦雄九段が
竜王決定七番勝負に進出するが島に敗れる。
2組 16名 2名 B級1組3-12位
B級2組1,2,5-8位
3組 16名 2名 B級2組9-19,21-23位
C級1組1,2位
3組2位から本戦出場の
島朗六段(B級2組9位)が初代竜王に。
4組 32名 1名 C級1組3-24位
C級2組1-10位[注 31]
5組 32名 1名 C級2組11-42位
6組 残り全員
(19名)
1名 C級2組43位以下11名
C級2組からの降級者1名[注 32]
新四段3名
アマチュア4名

特記なしはすべて読売新聞社から刊行

  • 第一期竜王決定七番勝負 激闘譜―九段・米長邦雄 六段・島朗 1989/1/1
  • 第二期竜王決定七番勝負 激闘譜 1990/3/1
  • 第三期竜王決定七番勝負 激闘譜―竜王・羽生善治 王位王座・谷川浩司 1991/2/1
  • 第四期竜王決定七番勝負 激闘譜―谷川浩司‐森下卓 1992/3/1
  • 竜王決定七番勝負 激闘譜〈第5期〉竜王・谷川浩司‐王座棋王・羽生善治 1993/2/1
  • 竜王決定七番勝負 激闘譜〈第6期〉竜王・羽生善治‐七段・佐藤康光 1994/2/1
  • データブック 竜王決定七番勝負 激闘譜 第六期 1994/5/1
  • 第七期竜王決定七番勝負 激闘譜―竜王 佐藤康光 名人 羽生善治 1995/2/1
  • 第八期竜王決定七番勝負 激闘譜―羽生善治VS佐藤康光 1996/2/1
  • 第九期 竜王決定七番勝負 激闘譜―羽生善治 VS 谷川浩司 1997/2/1
  • 第十期竜王決定七番勝負 激闘譜―竜王谷川浩司VS六段真田圭一 1998/2/1
  • 第十一期竜王決定七番勝負激闘譜―竜王谷川浩司・七段藤井猛 1999/2/1
  • 第十二期竜王決定七番勝負激闘譜―藤井猛VS鈴木大介 2000/2/1
  • 第十三期竜王決定七番勝負 激闘譜―藤井猛vs羽生善治 2001/2/1
  • 第十四期竜王決定七番勝負激闘譜―藤井猛vs羽生善治 2002/2/1
  • 第十五期竜王決定七番勝負 激闘譜―羽生善治vs.阿部隆 2003/3/1
  • 竜王決定七番勝負―激闘譜 (第16期) 2004/2/1
  • 第十七期竜王決定七番勝負 激闘譜―森内俊之vs.渡辺明 2005/2/1
  • 第十八期竜王決定七番勝負 激闘譜―渡辺明vs.木村一基 2006/2/1
  • 第十九期竜王決定七番勝負激闘譜―竜王・渡辺明vs.棋聖・佐藤康光 2007/3/1
  • 第二十期竜王決定七番勝負 激闘譜―竜王・渡辺明×二冠・佐藤康光 2008/3/1
  • 第二十一期竜王決定七番勝負 激闘譜―渡辺明vs.羽生善治 2009/3/1
  • 竜王戦全集 第1期〜第32期 書籍編集部編 マイナビ出版刊行 2020/3/11

関連項目[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2021年現在、竜王戦中継ブログのトップページには主催として両者が併記されており、日本将棋連盟のサイトでも「日本将棋連盟主催棋戦一覧」のページに竜王戦を載せている。
  2. ^ たとえば、第9期は勝者賞金3200万円、敗者賞金800万円、竜王対局料1350万円、挑戦者対局料675万円、挑戦者決定三番勝負の対局料330万円。第19期は勝者賞金3200万円、敗者賞金800万円、竜王対局料1450万円、挑戦者対局料700万円、挑戦者決定三番勝負の対局料330万円。第22期・第23期は、竜王対局料3900万円、敗者賞金1500万円、挑戦者決定三番勝負の対局料350万円。
  3. ^ 昇級者・降級者決定戦も含む。
  4. ^ a b 第29期・第30期・第31期の加藤桃子や第32期の西山朋佳ら、女流タイトル保持者の奨励会員が女流枠から出場する場合もある。
  5. ^ 支部名人がアマチュア竜王戦のベスト4になった場合、第35期ではアマチュア出場枠が4名となった。過去には支部名人戦準優勝者が出場資格を得る例(第28期竜王戦)もあった。また前期竜王戦で優れた成績を残したアマチュアが連続出場する場合もある。
  6. ^ 次点2回による昇段者が発生した場合はその次位の者。
  7. ^ 佐藤秀司新四段、木下浩一四段、沼春雄五段に勝利するが、準決勝で丸山忠久新四段(後の名人)に敗れる。
  8. ^ 小林宏七段、田中寅彦九段、青野照市九段、長谷部浩平四段に勝利するが、準決勝で星野良生四段に敗れる。
  9. ^ 泉正樹八段、門倉啓太五段、出口若武四段、西山朋佳女流三冠に勝利。
  10. ^ 奨励会員枠からではなく、組み合わせ決定時に女王位と女流王座位を保有することによる女流棋士枠での出場
  11. ^ 次点獲得者が昇段した場合は違う。第34期に参加した横山友紀は次点を持っていない。
  12. ^ ただし、同一期内で調整をせず、次期に降級枠を1つ増やすことで1期遅れで清算する場合もある。実例として第17期では4組在籍の渡辺明が挑戦者となったため、第18期の1組の人数は17人となり、降級枠が通常より1名増やされた。同様に3組在籍の糸谷哲郎が挑戦者となった第27期でも1組の残留決定戦は行われず、第28期で1組の降級者が1名増やされた。
  13. ^ 第22期では、1組に在籍していた中原誠の引退に伴う欠員の補充のため、3組と4組で追加の昇級者決定戦が組まれたものの、すでに欠員があった5組では追加がなかったため、翌第23期は4組で欠員が生じた
  14. ^ 60歳以上で順位戦C級2組から降級した棋士を含む。
  15. ^ 順位戦C級2組からの降級・棋士編入試験の合格・奨励会三段リーグで次点(リーグ3位)2回獲得によりフリークラスに編入した棋士が対象となる。
  16. ^ なお、竜王戦以外の棋戦についても同様に当該棋戦のみ参加可能な特例があるが、2020年時点で竜王戦以外での適用例はない。
  17. ^ 棋士 (将棋)#引退を参照のこと。なお、2009年度に引退が決定したにもかかわらず同年度の竜王戦5組への「残留」を果たした大内延介と有吉道夫は、この規定による現役延長に1年度の差で間に合わなった。
  18. ^ 但し、降級直後に2期連続で昇級した場合は昇段の対象とならない。
  19. ^ 但し、五段以下の棋士が2期連続昇級で2組に昇級しても六段にしか昇段しない(連続昇級による昇段の方が2組昇級による昇段より先に処理される。2組昇級による六段に昇段した後、連続昇級により七段に昇段するということはない。)。
  20. ^ 2組の棋士は最低でも六段である。
  21. ^ 竜王挑戦すれば自動的に1組に昇級するので1組昇級による昇段と本質的には変わらない。
  22. ^ 竜王挑戦者は最低でも七段である。
  23. ^ 竜王経験者は最低でも八段である。また、七段の棋士が竜王を獲得し、翌期に防衛して連覇した場合、肩書としての八段を名乗ることなく九段に昇段する。2018年時点で、藤井猛と渡辺明の2名が達成している。
  24. ^ a b c d e 挑戦者決定三番勝負の勝者は三浦弘行であったが、三番勝負敗者の丸山忠久が繰り上げで挑戦者になった[19]。詳しい経緯は将棋ソフト不正使用疑惑を参照のこと。
  25. ^ 2組のランキング戦では畠山七段・木村八段・稲葉七段で3人ともB級1組に在籍。本戦初戦の真田圭一八段はC級1組、2戦目は再び稲葉七段、準決勝は阿久津八段でB級1組であった。(段位と在籍クラスは共に対局当時)
  26. ^ 6組ランキング戦1回戦は関東所属棋士同士、関西所属棋士同士が対戦するのが慣例である。しかし第30期は関東所属棋士と関西所属棋士の対戦が加藤一二三対藤井聡太戦含め2つあった。
  27. ^ ただし棋王戦とNHK杯戦は加藤は関東、藤井は関西所属である関係上、別々のブロックに組まれており、両者が当たるためには共に予選を通過し本戦に進出することが絶対条件だった。結局、加藤は共に初戦で敗れたため再び顔を合わせることはなかった。(藤井は共に本戦に進出した。)
  28. ^ 加藤の昇段時は竜王戦がなく、竜王ランキング戦による昇段制度がなかった。
  29. ^ 1回戦以外では第34期準々決勝において小山玲央アマと西山朋佳女流三冠の対戦があった。
  30. ^ 第26期十段リーグで陥落相当の成績に終わった有吉道夫九段は、A級8位で1組に組み分けされた。
  31. ^ 第26期十段リーグで陥落相当の成績に終わった泉正樹五段は、C級2組8位で4組に組み分けされた。
  32. ^ 関屋喜代作六段。第1期が行われた当時は、フリークラスの制度が存在していなかった。
  33. ^ 第1期は未就学児を含む小学生以下。第2期は小学生のみ。第3期は年齢制限が無くなった。
  34. ^ シード権付与に加え、旅費・交通費主催者負担となる。

出典[編集]

外部リンク[編集]