プレミア・ボクシング・チャンピオンズ – Wikipedia

プレミア・ボクシング・チャンピオンズ(Premier Boxing Champions、PBCと略される)は、アメリカのボクシングマネージャー兼アドバイザーのアル・ヘイモンが手がけるボクシング興行及び、ボクシング中継番組。ウォリアーズ・ボクシング、サンプソン・ボクシング、マッチルーム・スポーツ、GYM・ボクシング、TGB・プロモーションズ、ディベイラ・エンターテインメント所属の選手の試合を放送している(日本ではWOWOW「エキサイトマッチ」が試合映像を放送)。

ボクシング興行[編集]

WWE風の派手な入場ステージ(開始当初は入場曲をかけなかった)や円盤型巨大スコアボードを設営、リングアナウンサーはリング上に登場せず声のみのコール(下述のFOXとの4年契約締結でリングアナウンサーがリング上でコールをするようになった)、リングガールの廃止、アシスタントトレーナーやカットマンはリング内に入れずコーナーポストを定位置にしリング内に入れる選手の関係者をセコンドの1名のみに限定、レフェリーにはカメラ機能付きのゴーグルを装着させるなど、これまでのボクシングの演出を一新した。

しかし初回こそ順調な滑り出しだったが、その後は視聴率が下落し続けていて、中継を打ち切る放送局や放送回数を減らす放送局が出てきている[1]。また選手への高額なファイトマネーと番組制作費などの経費で赤字経営になっているため、入場ゲートや巨大スコアボードの廃止や著名アナウンサーの解雇等で経費削減に努め、PBCシリーズに出ていた選手を ショウタイム のチャンピオンシップ・ボクシングへ転出させ巻き返しを図っている[2][3][4]

2018年9月5日、FOXと4年契約をした。詳細の発表はなかったが1年あたりの放映権料は5000万ドル(約56億円)から6000万ドル(約68億円)と報じられた。これまでプレミア・ボクシング・チャンピオンズは全てのテレビ局にお金を払って放送枠を買っていたため、この契約が初めて放映権料を得られる契約となった[5][6]

ドーピング検査[編集]

プレミア・ボクシング・チャンピオンズの設立会見で、プレミア・ボクシング・チャンピオンズの興行に出場する全選手に対して米国反ドーピング機関(USADA)によるドーピング検査を実施すると発表していた。しかし2015年3月7日のエイドリアン・ブローナーvsジョン・モリーナ・ジュニアの試合でモリーナ・ジュニアが禁止薬物の利尿薬の陽性反応が検出され失格となるが、ドーピング検査を実施していたのはネバダ州アスレチック・コミッションのみで、米国反ドーピング機関によるドーピング検査は一切行われていなかったことが発覚した[7]。同様に2015年8月14日のスティーブ・カニンガムvsアントニオ・ターバーの試合においても、ターバーが以前にドーピング違反で失格したことがあるため、カニンガムはより厳格な米国反ドーピング機関によるドーピング検査の実施を要求したが、米国反ドーピング機関によるドーピング検査は実施されなかった[8]

ボクシング中継番組[編集]

Fox[編集]

2016年1月23日、ダニー・ガルシアvsロバート・ゲレーロの試合でFox初放送[9]。土曜日のプライムタイムに放送されている。ガス・ジョンソンが実況アナウンサー、レノックス・ルイスが解説者、トレーナーのジョー・グーセンがアナリスト、ヘイディー・アンドロルがレポーター、ブライアン・ケニー(チャンピオンシップ・ボクシング進行役も兼任)が司会者を担当[10]

Fox Sports 1[編集]

2015年9月8日にオースティン・トラウトvsジョエル・エルナンデスの試合でFox Sports 1初放送。これに伴い同局は2013年8月から続いていたゴールデンボーイ・プロモーションズの若手選手の登竜門的ボクシング中継番組「ゴールデンボーイ・ライブ」を打ち切っている[11][12]。一時期は毎週火曜日に放送されていたが、現在は不定期金曜日に放送されている。上述のFOXを担当の他にリングアナウンサーを兼任しているレイ・フローレスが進行役、ガス・ジョンソンが実況、ショーン・ポーターが解説者、ジョルダン・プラント(カレブ・プラント夫人)がリポーターを担当している。

中継を終了した放送局[編集]

NBC・NBCSN[編集]

2015年3月7日にキース・サーマンvsロバート・ゲレーロの試合でNBC初放送。土曜日のプライムタイムか夕方に放送されていた。NBCがボクシングをプライムタイムに放送するのは1985年のラリー・ホームズ対カール・ウィリアムス以来30年ぶりだった[13][14]。初回のサーマンVSゲレーロは平均視聴者数340万人が視聴した(瞬間最高視聴者数は420万人)[15]

マーヴ・アルバートが実況アナウンサー、シュガー・レイ・レナードが解説者(降板)、ダニエル・ジェイコブスとBJ・フローレスがアナリスト、アル・マイケルズが司会者を担当していた[16]

NBCとNBCSNは2016年いっぱいでPBCと契約延長をしない意向を示し[17]、2016年8月21日の夕方に放送したエロール・スペンスvsレオナルド・ブンドゥの試合を最後に放送が途絶えた。

ESPN[編集]

2015年7月11日にキース・サーマンvsルイス・コラーゾの試合でESPN初放送。定期的に月に一回、土曜日の夜か稀に水曜日の夜に放送されていた。放送開始に伴い、ESPN2で17年間放送されてきたフライデー・ナイト・ファイトは同年5月22日で番組終了となった。ジョー・テシトレが実況アナウンサー、テディ・アトラスが解説、マリソル・カストロ(女性)が司会者、トッド・グリシャムとバーナードー・オオスナがリポーターを担当していた[18][19]
2015年8月29日に放送したレオ・サンタ・クルスvsアブネル・マレスは、ESPNが放送したボクシング中継では1998年2月以来最高となる121万7000人の平均視聴数を記録した[20]

上記のNBCと同じように2016年8月12日のミゲル・フローレスvsライアン・キェルツェウルスキーの試合を最後に放送が途絶えた。

Spike[編集]

2015年3月13日にアンドレ・ベルトvsホセシート・ロペスの試合で初放送[21]。NBCとESPNとFoxに次いで多くのビックマッチを提供し、フライデー・ナイト・ライツ・アウトとして金曜日と土曜日の夜に放送していた。スコット・ハンソンが実況アナウンサー、アントニオ・ターバーとジミー・スミス(同局の総合格闘技解説者で元選手)が解説者、デーナ・ジェーコブソン(女性)が司会者を担当していた[22]

2016年4月1日の放送で最高視聴者数88万人を記録した。

2017年4月12日、Sipkeが「PBCの提供カードの質が低かった」ことを要因の一つとして挙げ、放送の打ち切りを決定。最後の放送は1月13日のエリスランディ・ララvsユーリ・フォアマンの試合となった[23]

CBS[編集]

2015年4月4日にアドニス・ステベンソンvsサキオ・ビカの試合でCBS初放送。プライムタイムの放送ではないが、CBSがボクシングを定期放送するのは1997年のバーナード・ホプキンス対グレンコフ・ジョンソン以来18年ぶりとなった[24]

2016年6月25日にはキース・サーマンvsショーン・ポーターでプライムタイムに進出し、CBSがボクシングをプライムタイムに放送するのは1978年のモハメド・アリがレオン・スピンクスに敗れた試合以来38年ぶりの放送になった。ただし純粋なPBCの中継とは異なり、PBCが試合を提供し、ショウタイムが放送するチャンピオンシップ・ボクシングが番組制作を担当、CBSが放送するという3社のジョイント形式の中継で、通常はリングアナウンサーを置かないPBCのリングでジミー・レノン・ジュニアが初めてのリングアナウンスを行い、実況やリポーター陣がチャンピオンシップ・ボクシングのメンツというPBC色の薄まった構成だった[25]。キース・サーマンvsショーン・ポーターの試合は240万人の平均視聴数を記録した[26]
ケビン・ハーランが実況アナウンサー、ポール・マリナッジ(チャンピオンシップ・ボクシングのアナリストも兼任)とバージル・ハンターが解説者、ブレント・ストーバーが司会者を担当していた[27]

Bounce TV[編集]

2015年8月2日にファン・カルロス・パヤノvsルーシー・ウォーレンとの試合で初放送[28]。不定期金曜日にPBC:ザ・ネクスト・ラウンドとして若手を中心に放送されていた[29]。フラン・チャールズが進行役、フレッド・ヒックマンが実況アナウンサー、オースティン・トラウトとデオンテイ・ワイルダーがアナリスト、デボン・アレクサンダーとコーリー・スピンクスのトレーナーを務めたケヴィン・カニンガムが解説者を担当していた[30]

2018年8月3日、ラディリウス・ミラーvsデニス・ガルザの試合を最後に放送を打ち切った[31]

日本人選手が放送された試合[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]