ワールドラグビー – Wikipedia

ワールドラグビー (World Rugby; 略称WR)は、ラグビーユニオンの国際競技連盟。本部はアイルランドのダブリンにおかれている。15人制および7人制ラグビーにおいて世界的な運営を行い、15人制に関してはテストマッチでの成績をもとにワールドラグビーランキングを作成している(参考・ランキングポイント算出方法の説明(英語))。

1886年にスコットランド、ウェールズ、アイルランドの3か国のラグビー協会により、各国のルール統一などをはかる目的で、国際ラグビーフットボール評議会 (International Rugby Football Board; 略称IRFB)として発足した。当時すでに競技規則を作り世界最古のラグビー協会を持つイングランドは、当初参加を拒否していたが、1890年に加盟した。

1934年にはフランスが中心となり、国際アマチュア・ラグビー連盟 (Federation International de Rugby Amateur; 略称FIRA)を設立したが、1994年に事実上IRFBに統合された(FIRAは欧州ラグビー協会に変更)。

IRFB加盟国のうち、8か国(オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、フランス、イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランド)は、現在でもワールドラグビーランキングの上位にあり「旧IRFB強豪8か国」などと呼ばれ[1][2]、日本代表の目標にもなっている。

1987年、日本が加入。同年5~6月に第1回ラグビーワールドカップがオーストラリア協会とニュージーランド協会による共同開催で行われ[2]、第2回のラグビーワールドカップ1991からはIRFB(後のIRB、WR)が主催に当たっている。

1997年、国際ラグビー評議会 (International Rugby Board; 略称IRB)に改称した。1995年8月にアマチュア規定を撤廃しラグビーのプロ化へと舵を切ったことが、その背景にある[3][4]

2014年11月19日、ワールドラグビーWorld Rugby; 略称WR)に改称した[5][6]。シンプルなネーミングにより、スポーツ市場におけるブランド力を高める目的がある[7]

2021年現在、128の加盟協会(正規加盟協会108、アソシエート加盟協会20)を有し[8]、地域連盟(リージョナルアソシエーション)は6つ(アジアラグビー、ラグビーアフリカ、ラグビーヨーロッパ、オセアニアラグビー、ラグビーアメリカス・ノース(北米ラグビー)、スダメリカラグビー(南米ラグビー))[8]

2022年2月にロシアとベラルーシによるウクライナへの侵攻が起き、ワールドラグビーは、ロシアとベラルーシに対して国際大会および国境を越えたラグビー大会への全面的出場停止とすることを決定した[9]。これにより、男子ワールドラグビーチャレンジャーシリーズ2022(ワールドカップ2023出場権をかけたヨーロッパ地区予選)においてロシアは開催途中で離脱し、ラグビーワールドカップセブンズ2022の予選、女子HSBCワールドラグビーセブンズシリーズ2022への参加も、ロシアは不可能となった。

加盟団体[編集]

アフリカ[編集]

19団体がメンバーで5団体がアソシエイトメンバー:

除外された団体:

備考:

  1. ^ ガーナは2004年にアソシエイトメンバーとして加入、その後2017年にフルメンバーに昇格[10]
  2. ^ モーリタニアは2003年にアソシエイトメンバーとして加入、その後活動していない団体して2013年11月に除外[11]

 * アソシエイトメンバーとして加入した年


アジア[編集]

20団体がメンバーで7団体がアソシエイトメンバー:[Asia 1]

除外された団体:

備考:

 * アソシエイトメンバーとして加入した年


ヨーロッパ[編集]

37団体がメンバーで4団体がアソシエイトメンバー:

除外された団体:

備考:

  1. ^ スロバキアは2016年にアソシエイトメンバーになった[15]。しかし翌年発行されたワールドラグビーのハンドブックではスロベニアと誤表記された[16]
  2. ^ ギリシャの協会は2014年より活動していない[14]

 * アソシエイトメンバーとして加入した年


北アメリカ[編集]

11団体がメンバーで2団体がアソシエイトメンバー:

備考:

 * アソシエイトメンバーとして加入した年


南アメリカ[編集]

9団体がメンバーで2団体がアソシエイトメンバー:

備考:

 * アソシエイトメンバーとして加入した年


オセアニア[編集]

12団体がメンバー:

主な主催大会[編集]

クリーンスタジアム[編集]

ワールドラグビーでは、主催大会の試合会場、参加チーム練習場などでは、施設を自己の負担においてクリーンの状態にしたうえで提供し、商業的なブランドについては、メディアに見えないようにする必要がある、とされている[17]。この場合の「クリーン」とは、以下の状態を指すという。

  1. 施設に、施設又はその所有者と一定の人(個人及び法人を含む)、製品、サービス又はブランドとの間の何らかの関係を示唆又は暗示する名称が付されていないこと。
  2. 形態や媒体を問わず、一切の広告、販売促進若しくは宣伝材料用の素材、ブランド、ロゴ若しくは名称、その他一定の人(個人及び法人を含む)、製品、サービスを識別させるものも付されていないこと。
  3. 方法や態様を問わず、ワールドラグビーが運営委託する団体(例えば、ラグビーワールドカップで言えば「ラグビーワールドカップリミテッド (RWCL)」)またはその団体のライセンシーによるコマーシャル・ライツの行使と競合し、それを制限若しくは妨害し、又はそれに対して損害を与える、いかなる権利、契約、活動、状態も存在しないこと。

これらに抵触する可能性のある契約として「スポンサーや広告に関する契約」「ブランド設定やネーミングライツに関する契約」「施設における商品の販売に関する契約」「施設使用者向けの飲食物の提供に関する契約等」が挙げられており、命名権や広告類の掲出のみならず、ワールドラグビー主催大会の公式スポンサーと競合する商品類の取り扱いについても制限している。また、命名権によるものではなくとも、その呼称がコマーシャル・ライツと競合するおそれがあるとみなされた場合(例えば、豊田スタジアムの英語名称「TOYOTA Stadium」はトヨタ自動車を想起させるものとRWCLが指摘している→所有者の豊田市を強調した「City of Toyota Stadium」を使用)は、別の名前に置き換えることで「クリーン」な状態にする必要があるとしている。

グローバルパートナー[編集]

参考文献[編集]

  • Handbook 2017 (PDF 6.0 MB)”. World Rugby (2017年1月3日). 2017年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月17日閲覧。

外部リンク[編集]