トビアス・ハスリンガー – Wikipedia

トビアス・ハスリンガーTobias Haslinger 1787年3月1日 – 1842年7月18日)は、オーストリアの音楽出版者、作曲家。

ハスリンガーはバート・ツェル英語版に生まれた。リンツで少年合唱隊に所属していた時期に複数の楽器の演奏を覚え、聖堂のカペルマイスターだったフランツ・クサファー・グレッグルの音楽劇に参加した。

1810年にウィーンへと移った当初は簿記係として働いていたハスリンガーであったが、その後ジークムント・アントン・シュタイナーの芸術事業の共同経営者となり、1826年に事業を引き継いだ。彼が率いた事業では印刷と楽譜製版の工房が国際的地位に繋がっていた。この会社からはベートーヴェン、シューベルト(歌曲集『冬の旅』、1828年出版)、シュポーア、フンメル、マイセダー、モシェレス、ウェーバー、モーツァルト、ツェルニー、クレメンティの楽曲、そしてヨハン・シュトラウス1世の全作品が刊行された。ベートーヴェンは1821年に冗談的作品である3声のカノン『O Tobias!』WoO.182をハスリンガーに献呈している。また、ハスリンガーは作曲家としても活動した。

彼がウィーンで没すると、息子のカールが「カール・ハスリンガー、旧トビアス」(Carl Haslinger quondam Tobias)という社名で引き継ぎ、順調に事業を展開した。この会社からはヨハン2世とヨーゼフのシュトラウス兄弟の作品が出版された。

1894年からは、ウィーンの第16、17街区を走る通りがハスリンガーの名前にちなみハスリンガーガッセと呼ばれている。彼の書簡はライプツィヒのStaatsarchiv(州立文書保管庫)に音楽出版社ペータースの文書として保管されている。

参考文献[編集]

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