単位球面 – Wikipedia

様々な単位球面

単位球面(たんいきゅうめん、英: unit sphere)とは、中心点からの距離が1の点の集合である。なお、ここでの距離とは一般的な距離の概念である。一方、単位球(たんいきゅう、英: unit ball)は、中心点からの距離が1以下の点の集合(閉単位球 (closed unit ball))、あるいは1未満の点の集合(開単位球 (open unit ball))である。通常、特に断らない限り、対象とする空間の原点を中心点とする。したがって英語で何の前置きもなく “the” をつけて書かれている場合は、原点を中心点とする単位球面や単位球を指す。

単純に言い換えれば、単位球面は半径が1の球面であり、単位球は半径が1の球である。任意の球面は平行移動と拡大・縮小によって単位球面に変換でき、この点が重要である。したがって、球面の研究は一般に単位球面を研究することに還元できる。

ユークリッド空間での単位球[編集]

n次元のユークリッド空間では、単位球面を

(x1,,xn){displaystyle (x_{1},ldots ,x_{n})}

という点の集合としたとき、次の式が成り立つ。

そして、閉単位球の全ての点の集合については、次の不等式が成り立つ。

面積と体積の一般的な式[編集]

最初に、単位球面の古典的な式が半径1でx軸、y軸、z軸で違いがない楕円面の式となることは重要である。

n次元ユークリッド空間の単位球の体積と単位球面の面積は、解析学の様々な重要な方程式に出てくる。n 次元の単位球体の体積 Vn はガンマ関数を用いて書くことができる。

ここで n!! は二重階乗であり、

,{displaystyle lfloor cdot rfloor ,lceil cdot rceil }

は床関数と天井関数である。

(n−1) 次元単位球面の超体積(すなわち n 次元単位球体の表面積)An は次のように表せる

ただし最後の等号は n > 0 に対してのみ成り立つ。

いくつかの

n{displaystyle n}

に対応した表面積と体積は次のようになる。

n ≥ 2 に対する小数は近似値である。

再帰[編集]

An の値は次のように再帰的に表せる。