ナヨクサフジ – Wikipedia

ナヨクサフジ(学名:Vicia villosa)は、ヨーロッパや西アジアに自生する植物である。飼料作物として栽培されるマメ科植物である。

別名・亜種[編集]

英語では、hairy vetch, fodder vetch、winter vetchという呼び名があり、日本ではヘアリーベッチなどの呼び名も使われる[1][2]

  • Vicia villosa ssp. ambigua (Guss.) Kerguelen (= ssp. elegantissima, ssp. pseudocracca)
  • Vicia villosa ssp. eriocarpa (Hausskn.) P.W.Ball
  • Vicia villosa ssp. microphylla (d’Urv.) P.W.Ball
  • Vicia villosa ssp. varia (Host) Corb. (= ssp. dasycarpa)(ヘアリーベッチ
  • Vicia villosa ssp. villosaビロードクサフジ

茎の長さが 1.5 – 2mに達するつる性の一年生植物で、開花は5~8月である。クサフジによく似ているが、クサフジのような滑らかな茎ではなく軟毛が生えている[2]

侵略性

絶滅危惧種を含む在来種と競合、駆逐する[2]

用途・特徴[編集]

特徴
  • 他のマメ科植物と同様に、空気中の窒素固定として200lb/acreの土壌の富栄養化を行う[2][3]
  • 植物が放出する化学物質が他植物の育成を阻害・除去するアレロパシー効果を持つ[1]とされるが、明確な結果が確認できなかったとする報告もある[4]
用途
中毒

ヘアリーベッチを飼料として与えていた牛や馬に3種類の中毒症状が報告されている。

  1. ベッチの種子を摂取したとき,急性の神経症状を示し死亡する。原因は、ある種のベッチ種子に含まれる青酸配糖体によるものとされる。
  2. 生草を食べた牛の頭部,頚部,体幹の皮下浮腫,口腔粘膜のヘルペス状の発疹,膿状の鼻汁,ラ音,咳嗽などの症状がみられた。
  3. 生草を食べた牛および馬に,発熱,皮膚炎,結膜炎,下痢などの臨床症状を呈し,病理学的には全身性の肉芽腫性病変がみられる。

このうち、(3)の中毒症状が大半を占めているが、ヘアリーベッチを飼料として与えている家畜数に比べ報告件数は少なく原因の解明にも至っていないため、別の要因の可能性も指摘されている[9]

関連項目[編集]