登木目 – Wikipedia

登木目とぼくもく[要出典]、Scandentia)は、哺乳綱に分類される目。別名登攀目(とうはんもく)[4][5]攀登目(はんともく)[2]

外見、行動はリスに似ているが、系統的には全く別の動物である。昆虫や果実を食べ、東南アジアの熱帯雨林に生息している。樹上性で、長い尾を持ち、やや細身のリスのような姿である。頭部は鼻が尖り、耳が小さい。

基本的な体の構成はモグラ目のものに似ている。しかし、脳や目が大きい点でサル目に似た外観を有するが、サル目に比べ原始的な頭骨の特徴を持つ。そのため、最も原始的な霊長目(のちのサル目)のメンバーと考えられたこともあった。

現在では、その形質は非常に原始的な哺乳類の特徴をよく残したものであると認められ、独立した目とされている。

2008年のアメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)によると、ツパイ目の一種ハネオツパイは、ヤシ科のブルタムヤシ英語版の花や花芽から分泌される蜜が発酵して最大数%のアルコールを含むようになった液体を、主要なエネルギー源として日常的に摂取していることがわかり、飲酒の習慣を持つ動物として話題となった[6]
人間に換算するとビールの大瓶を毎日7-8本摂取しているアルコール量になるが、体内の特別な酵素によって摂取したアルコールを速やかに体外に排出しているのではないかと考えられている。

名前のtupaiはマレー語やインドネシア語で「リス(本目のようにリスのような動物も含む)」を指す語に由来する[2]。古くは英名treeshrew(shrewはジネズミやトガリネズミの意だが、食虫目に含まれると考えられていたため)を直訳して「キネズミ」、独名Spitzhornchen(鼻口部の尖ったリスの意)の直訳である「トガリリス」や意訳である「リスモドキ」が和名として使用されることもあった[2]

骨格や歯から食虫目に含まれると考えられていたが、1920年代に眼や脳・盲腸などの内部形態から霊長目の祖先から分岐した生物とする説が提唱された[2]。1945年には霊長目に含む体系が発表された[2]。1980年代以降は霊長目に含めず、独立した目を形成する説が有力とされる[2]

以下の分類・英名は、Helgen(2005)に従う[1]。和名は川田ら(2018)に従う[3]

  • ハネオツパイ科 Ptilocercidae
    • ハネオツパイ属 Ptilocercus

関連項目[編集]