LATAM チリ – Wikipedia

LATAM チリ(LATAM Airlines Chile 旧名: LAN Airlines、旧々名: LanChile、NYSE:LFL)は、チリの首都のサンティアゴ・デ・チレを本拠地としているLATAM航空グループの航空会社で、チリのフラッグキャリアでもある。

LATAM チリは南米チリ最大の航空会社で、世界有数の航空連合であるワンワールドの一員である。本拠地はサンティアゴ・デ・チレの アルトゥーロ・メリノ・ベニテス国際空港 で、マイアミ国際空港及びペルーのリマ市にあるホルヘ・チャベス国際空港もハブ空港としている。

チリ国内やラテンアメリカ、北アメリカ、オセアニア、及びヨーロッパへの路線を運航している。また、アルゼンチン航空とともに南極経由でオセアニアへ路線を持つ数少ない南アメリカの航空会社であり、世界で唯一チリ国内のイースター島への路線がある会社でもある。

航空券の座席予約システム(CRS)はSABREを利用している。
[2]

デ・ハビランド DH.60G ジプシー・モス
ボーイング707(1981年)
エアバスA320シリーズ

設立[編集]

ラン航空はチリの空軍将校アルトゥーロ・メリーノ・ベニテスによって設立され、サンティアゴ・デ・チレとアリカの間でデ・ハビランド DH.60G ジプシー・モスにより1929年3月5日に航空郵便の運航を始めた。その後1932年に、「ラン・チリ(LAN Chile)」の名称になった。この「Lan」は当初「Línea Aérea Nacional(国営航空)」 の頭文字だったが、後に「Latin American Network」の頭文字とされた。

拡大[編集]

第二次世界大戦後にダグラス DC-3などのアメリカ製旅客機を導入し、ブラジルやアルゼンチン、ペルーなどの近隣諸国への路線を増やした他、国内線を充実させた。

1960年代にはボーイング707を導入して北アメリカやヨーロッパへの路線を開設した。またボーイング727を導入し、国内線や近距離国際線のジェット化を進めた。

民営化[編集]

1989年9月に、前年に行われた国民選挙でアウグスト・ピノチェトの長期政権が否決されたチリ政府は、持ち株会社の「Icarosan」及びスカンジナビア航空へこの会社のほとんどの資産を売却し、航空会社として民営化された。

チリの独占禁止法委員会は、1995年8月11日にこの国の2番目の航空会社で、国内線と南アメリカ域内路線を運航していた「Ladeco」をラン・チリが運営することを認める事となった。1998年10月にラン・チリは「Ladeco」を吸収合併した。

ラン航空へ[編集]

2004年3月、ラン・チリ及びその子会社 ラン・ペルー航空、LAN Ecuador 及び LAN Dominicana はラン商標の下で統一される事になった。2004年6月17日にラン・チリはこの再商標化の課程の一部として「ラン航空 (LAN Airlines) 」に名称を正式に変更した。

TAM航空の買収とLATAMへの統合[編集]

2010年8月13日、ブラジル最大の航空会社であるTAM航空を買収することで合意[3]。2012年6月22日に正式に合併した[4]。合併後のグループ名はLATAM Airlines Group S.A. [5]、新会社は世界11位の規模となる[6]

なおTAM航空はスターアライアンスに加盟していたが、LATAM発足後の航空連合一本化(ワンワールドへの加盟)に関しては2012年まで結論を保留する方針とされた[7]

2013年3月7日、ワンワールドは、2014年4月から6月の第2四半期に、TAM航空がスターアライアンスを脱退し、ワンワールドに加盟すると発表。また、ラン航空子会社のラン・コロンビアも、2013年10月1日に、ワンワールド・アフィリエイトメンバーとして、正式加盟する事となった[1][8]

関連会社[編集]

子会社[編集]

貨物会社[編集]

就航都市[編集]

南米[編集]

都市 空港コード 空港名 運航機種 その他
IATA ICAO
 アルゼンチン
ブエノス・アイレス EZE SAEZ エセイサ国際空港 [9] A320 / A340 / B767 / B787 LATAM アルヘンティナのハブ
ブエノス・アイレス AEP SABE ホルヘ・ニューベリー空港 [10] A320 LATAM アルヘンティナのハブ
コルドバ (アルゼンチン) COR SACO コルドバ国際空港 A319 / A320
メンドーサ MDZ SAME メンドーサ国際空港 A318 / A320
サルタ SLA SASA サルタ国際空港 A320 乾季運行
リオ・ガジェゴス RGL SAWG リオ・ガジェゴス国際空港 A320
ウシュアイア USH SAWH ウシュアイア国際空港 A320
 ボリビア
ラ・パス LPB SLLP エル・アルト国際空港 A320
サンタ・クルス・デ・ラ・シエラ VVI SLVR ビル・ビル国際空港 A320
 ブラジル
フロリアノポリス FLN SBFL フロリアノポリス国際空港 A320 乾季運航
リオデジャネイロ GIG SBGL アントニオ・カルロス・ジョビン国際空港 A319 / A320 / B767
サン・パウロ GRU SBGR グアルーリョス国際空港 A320 / B767
 チリ
サンティアゴ SCL SCEL アルトゥーロ・メリノ・ベニテス国際空港 A318 / A319/ A320 / A340 / B767 / B787 LATAM チリのハブ
アントファガスタ ANF SCFA アントファガスタ国際空港 A318, A319, A320
アリカ ARI SCAR アリカ国際空港 A318, A319, A320
バルマセーダ BBA SCBA バルマセーダ国際空港 A318, A319, A320
カラマ CJC SCCF エル・ロア国際空港 A318, A319, A320
コンセプシオン CCP SCIE カリエル・スール国際空港 A318, A319, A320
コピアポ CPO SCAT コピアポ空港 A318, A319, A320
イキケ IQQ SCDA イキケ国際空港 A318, A319, A320
ラ・セレナ LSC SCSE ラ・セレナ空港 A318, A319, A320
オソルノ ZOS SCJO オソルノ空港 A318, A319, A320
プエルト・モン PMC SCTE プエルト・モン国際空港 A318, A319, A320
プンタ・アレーナス PUQ SCCI プンタ・アレーナス国際空港 A318, A319, A320
テムコ ZCO SCTC マンケウエ空港 A318, A319, A320
バルディビア ZAL SCVD ピチョイ空港 A318, A319, A320
イースター島 IPC SCIP マタベリ国際空港 B767 B787-8 B787-9 N700
 コロンビア
ボゴタ BOG SKBO エル・ドラード国際空港 [11] B767 LATAM コロンビアのハブ
 エクアドル
グアヤキル GYE SEGU グアヤキル国際空港[12] A320 / B767 LATAM エクアドルのハブ
キト UIO SEQU マリスカル・スクレ国際空港[13] A319 / A320 / B767 LATAM エクアドルのハブ
 フォークランド諸島
スタンリー (フォークランド諸島) MPN EGYP マウント・プレザント空軍基地 Airbus A320 family
 ペルー
リマ LIM SPIM ホルヘ・チャベス国際空港[14] A319 / A320 / B767 / B787 LATAM ペルーのハブ
 ウルグアイ
モンテビデオ MVD SUMU カラスコ国際空港 A320 / A318 / B767
プンタ・デル・エステ PDP SULS プンタ・デル・エステ国際空港 A320 乾季運行
 ベネズエラ
カラカス CCS SVMI シモン・ボリバル国際空港 A319 / B737 / B767

北米[編集]

ヨーロッパ[編集]

オセアニア[編集]

コードシェア[編集]

LATAM チリは以下の航空会社とのコードシェアーサービスを行っている。

保有機材[編集]

2019年9月現在、LATAM チリの機材は以下の通りである。

LATAM チリはプラット・アンド・ホイットニーPW6000を搭載するエアバスA318とインターナショナル・エアロ・エンジンズV2500を搭載するエアバスA320のローンチカスタマーである。

外部リンク[編集]