核酸の三次構造 – Wikipedia
核酸の三次構造(かくさんのさんじこうぞう)とは、核酸ポリマーの三次元的形状を指す[1]。RNAとDNAの分子は、分子認識や触媒などさまざまな機能を有する。このような機能を発揮するには正確な三次構造を取る必要がある。その構造は多様で一見複雑であるものの、簡単に認識できる三次構造モチーフがビルディングブロックとなって構成されている。ここではRNAとDNAの三次構造の最も一般的なモチーフの一部について記述するが、これらの情報は限られた数の既知構造に基づいている。新たなRNAやDNA分子の構造が解明されれば、さらに多くの三次構造モチーフが明らかとなるであろう。 らせん構造[編集] 左からA型、B型、Z型のDNA二重らせん構造。 二重らせん[編集] 二重らせんは生体のDNAで最も多くみられる三次構造であり、RNAもこの構造をとることができる。自然界で見つかるDNAのコンフォメーションはA-DNA、B-DNA、Z-DNAであると考えられている。ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックによって記載されたB型のDNAが、細胞内で最も多くみられる構造であると考えられている[2]。ワトソンとクリックは、この構造を半径 10 Å、ピッチ 34 Å、10塩基対ごとに1回転する二重らせんとして記載した[3]。溶液中では、二重らせんは10.4–10.5塩基対ごとに1回転する。このねじれの頻度は、各塩基が隣接塩基に及ぼすスタッキング相互作用に大きく依存している。RNAの二重らせんは、A型の構造に類似したコンフォメーションをとる。 A型、B型、Z型以外のコンフォメーションも可能である。事実、多くのコンフォメーションが発見されており、将来的に新たなDNA構造が見つかったときに使えるアルファベットはF、Q、U、V、Yだけしか残されていない[4][5]。しかし、これらの構造形式の大部分は人工的に作り出されたものであり、自然発生した生物学的な系では観察されていない。 Oceanobacillus IheyensisのグループIIイントロンでみられるmajor groove triplex。スタッキングした各層が異なる色で示されている。三重鎖間の水素結合は黒い破線、窒素原子は青、酸素原子は赤で示されている[6]。 ヒトのテロメラーゼRNAのシュードノット内で形成されたmajor groove triplex (U114:A175-U101)。水素結合は黒の破線、窒素原子は青、酸素原子は赤で示されている[7]。 三重鎖[編集] minor
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