鉄道事業法 – Wikipedia

鉄道事業法(てつどうじぎょうほう、昭和61年12月4日法律第92号)は、1986年(昭和61年)12月4日に公布された鉄道事業及び索道事業等の運営について規定する日本の法律。日本国有鉄道の分割民営化に伴い、従前の日本国有鉄道法、地方鉄道法、索道規則に代わって制定された日本の鉄道事業を一元的に規定する法律である。

本法に規定される「鉄道事業」とは、2本レールの構造を持つ普通の鉄道、モノレール、案内軌条式鉄道、トロリーバス、ケーブルカー、リニアモーターカーなどを経営する事業であり、「索道事業」とはロープウェーやスキーリフトを経営する事業である。

また、専用鉄道とは工場への引込み線などのように自分専用の鉄道で、鉄道事業用線路に接続しているものを言う。いわゆる路面電車は、鉄道事業法ではなく軌道法が管轄する。

原則的に道路に敷設してはならないのが鉄道(本法61条)で、道路に敷設しなければならないのが軌道(軌道法2条)である。

鉄道事業の種類[編集]

鉄道事業は、その経営方法により3種類に分けられ、それぞれの種別に応じた鉄道事業許可が必要である。

第1種鉄道事業
自らの鉄道施設を使用して運送を行う事業。通常の鉄道事業である。
第2種鉄道事業
他者(第1種又は第3種)の鉄道施設を借用して運送を行う事業。

直通運転は車両の貸し借りを行っているだけなので、第2種鉄道事業ではない。
第3種鉄道事業
第1種鉄道事業者に譲渡する目的で鉄道施設を建設する事業及び第2種鉄道事業者に貸付ける目的で鉄道施設を建設・整備する事業。後者は、鉄道施設を建設後に第2種鉄道事業者に貸付けている鉄道施設を保守・整備して管理にあたる。

なお、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(旧日本鉄道建設公団)及び日本高速道路保有・債務返済機構(旧本州四国連絡橋公団)が行う第3種鉄道事業に該当する業務は、本法の適用がなく、これらから直接借り受け、他人の需要に応じ、鉄道による旅客又は貨物の運送を行う事業については第1種鉄道事業となる(第59条)。
  • 第一章 総則(1 – 2条)
  • 第二章 鉄道事業(3 – 31条)
  • 第三章 索道事業(32 – 38条)
  • 第四章 専用鉄道(39 – 40条)
  • 第五章 削除
  • 第六章 雑則(54 – 66条)
  • 第七章 罰則(67 – 76条)
  • 附則

関連項目[編集]

  • 下位法令
    • 鉄道事業法施行規則
    • 鉄道施設等検査規則
    • 鉄道事故等報告規則
    • 鉄道事業会計規則
    • 鉄道事業等報告規則
    • 鉄道事業等監査規則
    • 鉄道線路の道路への敷設の許可手続を定める政令
    • 索道施設に関する技術上の基準を定める省令

外部リンク[編集]