『かげふみさん』は、小路啓之による日本の漫画作品。『Webコミック幻蔵』(幻冬舎コミックス)において2007年5月号から2009年2月号まで連載。尾行対象の影を踏めるほど近付いても気付かれない特殊能力の持ち主、通称「かげふみさん」を主人公に、暗殺ビジネスにまつわるドラマを描いた作品。読者は主にめぐみの視点で、対象人物が命を狙われる理由に肉薄していく。人の命を対象にしながらも決して過度に重苦しくはならず、スピーディな展開、洒落の効いた軽妙な会話、レトロながらどこか未来的なファッションや町並み、それぞれにこだわりを持ったどこか異常な対象者・依頼者・殺し屋などが作品を多彩に飾る。エピソードごとの扉絵ではめぐみのが手でタイトルの動物の影絵を作っている。 ストーリー[編集] めぐみのメグは存在感が極端に希薄であるという能力の持ち主で、ひとたび群衆に紛れると個体識別がほぼ不可能になる。その才能を生かしてめぐみのは殺し屋からの依頼を受け、対象の人物に張り付いて行動を調査する仕事を請け負っている。ただしめぐみのには物事に関心を持つと、その理由や結末を知って納得するまで鼻血が止まらなくなるという強迫観念の持ち主でもあり、尾行対象の人となりを解き明かすことにたびたび没頭することになる。 登場人物[編集] めぐみのメグ 「かげふみさん」と呼ばれる尾行のプロフェッショナル。小柄な体に短い金髪、ショートパンツ&カエルがモチーフの靴がトレードマーク。尾行対象の目の前に立ってもその存在に気付かれないという能力の持ち主。ただし存在を信じて意識を集中すれば見破れる事もあり、また物理的に消えているわけではないので監視カメラ等には姿が映る。調査対象者の情報を殺し屋に渡すことを仕事にしている。何かが気になり始めると、納得するまで不安で鼻血が止まらなくなるという強迫観念に悩まされている。姿が見えない為、アパート等の契約がままならず、ホテルで暮らしている(幽霊扱いされているが)。 がじゅ丸(がじゅまる) 名刺での綴りは「我呪丸」。行動心理学を研究している明和大の院生。毎朝一回、道具でする人。眉がない上に色付きメガネで悪目立ちするため尾行調査には不向きで、メグに協力を要請する。その代わりに彼氏を見つけてあげる約束をしている。調査対象の一見不可思議な行動をそれらしく説明する事がある(メグは“師匠”と呼んでいる)。しかし、がじゅ丸が必ずしも真実を言い当てているとは限らない。“普通の人間”を探しているようだ。 一発屋カン太(いっぱつや カンた) スナイパー。標的を絶対に外さないという自負から、弾を1発しか持たない。 華の子のルソルソ(はなのこの ルソルソ) 毒の花を相手に突き立てる殺し屋。普段は花売り娘として生活している。メグ曰く『耳にエロ垢が溜まっている』。父親であるカイザーセゾに殺害される。月に一回、道具を使わないでする派。 名前の元ネタは花の子ルンルン。[要出典] キリコ(漢字では“切離子”) 四十七の刃物を武器とする殺し屋で、「元」虎の会会員。メグと同じく“かげふみさん”であるが、なぜかメグ以外には半透明に見える。幼少期、アナーキーな母親のもとで育つ。父親は既に死んでいるらしい。ペッツの入れ物を「ぴえぴえ」と呼んで会話していた。単なるメルヘンだと思いきや、実際は「かげふみ」のぴえぴえパパが影で喋っていた。以降の経歴は判然としないが、ひょんなことでがじゅ丸らと知り合い、何故かがじゅ丸を気に入る。 カイザーセゾ 虎の会会員。伝説的な殺し屋。出で立ちはどこにでもいるサラリーマン風のおっさんだが、その実は冷徹なキリングマシーン。殺す寸前に、相手から「最後に言い残す言葉」を聞き、それを録音するのが慣例。ルソルソの実の父親だが、その彼女すらも躊躇いなく殺害している。がじゅ丸の見立てでは、「人間嫌いな孤独な人」らしい。武器は銃など。再来年には五十路になる。口臭を気にしている。 名前の元ネタはユージュアル・サスペクツのカイザーソゼ。[要出典]
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