オサイリス・レックス(英語: Origins, Spectral Interpretation, Resource Identification, Security, Regolith Explorer。OSIRIS-REx)とは、アメリカ航空宇宙局のゴダード宇宙飛行センター (NASA/GSFC) が、アリゾナ大学の月惑星研究所(英語版)などと共同開発した、小惑星ベンヌからのサンプルリターンを目的とした宇宙探査機である。なお、オサイリスはエジプト神話に出てくる神の名であり、レックスは「王」を意味するラテン語になるように、語呂合わせが行われた名称である。片仮名転記では「オサイレス・レックス」「オシリス・レックス」などとも表記され、日本では「アメリカ版はやぶさ」と呼ばれる場合もある[4]。 ベンヌでのサンプル採取には成功したと見られており、2023年にサンプルが入っていると見られるカプセルを、地球へ投下する予定である[5]。投下場所はアメリカ合衆国のユタ州の沙漠を予定している。なお探査機本体は、その後も太陽を公転し続ける見込みである。 概要 NASAにおけるニュー・フロンティア計画において、ジュノー、ニュー・ホライズンズに次いで3番目に選定されたミッションが、オサイリス・レックスである。炭素などが含まれているだろうと言われてきたC型のスペクトルを有した地球近傍小惑星であるベンヌの詳細観測と、ベンヌからのサンプルリターン、さらに、ヤルコフスキー効果の観測を、オサイリス・レックスは主目的としている[6]。また、NASAが2020年代に実施したいとしてきた、有人小惑星探査のための重要な準備として位置付けられた[7]。総事業費は約8億ドルである[2]。2016年9月8日に打ち上げが成功した。 2017年2月にNASAは、ベンヌへ向けて飛行中のオサイリス・レックスに、地球と太陽の系におけるラグランジュ点の1つである、L4に存在する可能性が考えられてきた地球のトロヤ群を観測するミッションを追加した[9]。 2018年12月3日にベンヌの上空19 kmへ到達し、ベンヌとのランデブーに成功した[10][11]。2018年12月31日にはベンヌから2 km以内に接近し、周囲を約62時間で1周する軌道に入った[12]。これにより、ベンヌは宇宙機が公転軌道に乗った最小の天体となった[12]。2020年10月20日にはベンヌ表面から試料を採取し[13]、2021年に地球へ向けて航行を開始した[14]。 搭載機器 オサイリス・レックスには、電源として、1
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