アメリカ合衆国内閣 – Wikipedia

アメリカ合衆国内閣(アメリカがっしゅうこくないかく、英: Cabinet of the United States)は、アメリカ合衆国の副大統領や各省長官(閣僚)および閣僚級高官で構成される会議体。「大統領顧問団」とも訳される[1]

アメリカにおいて「Cabinet」とは、議院内閣制の国における首相を中心とした合議体の内閣とは異なり、大統領が任免する12名の各省長官により構成され、大統領が主宰する会議体を意味する。憲法上に規定がない慣例上の制度であるため、閣員は何らの法的地位も権限も有していない。また各閣員は大統領に対して責任を負うが、合議体として連帯責任を負うことはない。いわば大統領の諮問機関であり、議院内閣制の国における内閣に相当する機関は、アメリカにおいては大統領である[2]

議院内閣制の先駆であるイギリスでは、行政権が内閣にあり、その行使に関し、首相を含めて内閣を構成する閣僚全員が連帯して議会下院に責任を負う。日本においても行政権は内閣にあり[3]、首相を含めて内閣を構成する閣僚全員が連帯して国会に責任を負う[4]。それに対しアメリカ合衆国では、行政権を管轄する大統領はその地位を維持するために議会の信任を必要とせず、一旦任命された閣僚は大統領に対してのみ責任を負う[5]。閣議に相当する会合も開かれるが、あくまで諮問会議であり、最終的には大統領の判断に任される。エイブラハム・リンカーン大統領が全閣僚の反対に遭った際に「賛成1、反対7。よって可決。」と諧謔的に述べた逸話もある。

閣僚・閣僚級高官は、連邦議会議員や州知事英語版との兼務・兼職を禁止され、連邦議員や州知事が閣僚に就任する際は、その職を辞さなければならない。

閣僚・閣僚級高官は、一部の例外を除き、大統領の指名と上院の過半数による承認[6]と宣誓を経て大統領から任命される。大統領の所属党と上院の多数党が異なる場合でも、概ね大統領の所属党の人物が選ばれる。なお、内閣に含まれる副大統領は基本的には公選職であり、また首席補佐官などは議会の承認手続きを経ずに大統領が任命する。

閣僚・閣僚級高官[編集]

オバマ政権時の閣僚・閣僚級高官の面々(2012年7月26日撮影)

以下は、2021年発足の民主党ジョー・バイデン政権の内閣。
以下の表中、「順」は、大統領権限継承順位を示す。表中にない第1位、第2位、第3位は、それぞれ副大統領、下院議長、上院仮議長である。表中で番号のない、エネルギー長官及び国土安全保障長官は、現在の在任者が憲法上大統領に就任する資格(出生による合衆国市民)がないためである。画像の列のソートボタンで元の順序に戻る。

閣僚[編集]

閣僚級高官[編集]

外部リンク[編集]