緑はるかに – Wikipedia

緑はるかに(みどりはるかに)は、北条誠の児童向け物語と、これを原作とした日活映画で、浅丘ルリ子のデビュー作。

児童向け絵物語として1954年4月12日から12月14日まで読売新聞に連載され、中原淳一が絵を描いていた。連載中に映画化が決まり、水の江滝子のプロデュース、中原淳一の衣装考証で、3000人が集まった主役オーディションの中から、中原によって当時15歳になる浅丘ルリ子が選ばれ、そのデビュー作となる。監督は井上梅次。1955年5月8日公開。カラー。上映時間90分。

あらすじ[編集]

ルリ子の父は木村博士だが、研究のため北海道の研究所へ行っている。ルリ子は孤独で、夢の国へ遊びに行ったりする。ある日、父が病気だというので迎えに来た男たちに、母とともに車に乗せられていくが、それは奥多摩のスパイ団のアジトで、父はそこに囚われて、秘密の研究について白状するよう責められていた。母は拷問を受けて死んでしまい、父はルリ子に贈った緑のオルゴールの中に秘密が隠されていると遺言して死んでしまう。逃げ出したルリ子はスパイたちに襲われるが、孤児院「光の家」から逃げ出したノッポ、チビ真、デブの三人の子供に救われる。だがオルゴールは川へ落ちてしまい、四人の子供らは、途中で入っていたマミちゃんとともにオルゴールを探しながら川を下り都心へ行く。スパイ団に追われて入った古道具店で緑のオルゴールを見つけるが、1500円だというので靴みがきをして金をこしらえていくと、朝方27,8の女性が買っていったという。スパイ団もそのことを知り、サーカスに化けて、緑のオルゴールを持ってきたら五万円をやると言いオルゴールを集める。光の家から多くの孤児がやってきて、警察に連絡がいき警官たちが来て、ルリ子の両親も生きて戻り、スパイたちは逮捕される。そして本物のオルゴールはマミちゃんの母が買っていたもので、父は中から秘密を書いた紙を取り出して焼いてしまう。ルリ子の家には少年三人組が住み、マミも遊びに来るようになってルリ子は孤独ではなくなり、また夢の国へ遊びに行くのだった。

スタッフ[編集]

  • 製作…………….水の江滝子
  • 監督…………….井上梅次
  • 脚本…………….京中太郎
  • 原作…………….北条誠
  • 撮影…………….柿田勇
  • 音楽…………….米山正夫
  • 主題歌…………..作詞 西條八十、作曲 米山正夫
  • 美術…………….木村威夫

キャスト[編集]

  • 『緑はるかに』花房英樹 絵. ポプラ社, 1955
  • 『緑はるかに』(映画物語シリーズ わちさんぺい 絵. トモブック社, 1955