ソンソン – Wikipedia
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『ソンソン』は、1984年に稼働したカプコンのアーケード用アクションシューティングゲーム。
開発はカプコン開発部が行い、ゲーム・デザインは岡本吉起、音楽は河本圭代と『バルガス』(1984年)を手掛けた森安也子が担当している。
『西遊記』の日本版絵本に着想を得た作品で、プレイヤー1がソンソン(サル)、プレイヤー2がトントン(ブタ)を操作して協力プレイできるのが特徴。主人公ソンソンは孫悟空の孫(孫孫=ソンソン)という設定だが、他のキャラクターについては不明(トントンのビジュアルモチーフは絵本版の猪八戒)。
後に続編として同社のアーケードゲーム『ブラックドラゴン』(1987年)をアレンジ移植したPCエンジン用ソフト『SON SON II』(1989年)が発売されている。
ゲーム内容[編集]
システム[編集]
4方向レバーで自機を操作、1ボタンでショットを撃ち敵を倒して進んで行く。フィールドが全て6段に分かれているため、自機の移動は左右は自由に行えるが上下の移動は段ごとにしか行えない。画面上に出現する敵は、全て自機の弾で消滅させることが可能なので、とにかく連射することが攻略の要となる。
マップの特定の場所を通過すると生えてくる隠れキャラクター「竹の子」は、『ゼビウス』(1983年)に登場する隠れキャラクター「ソル」のオマージュである。
ボーナスアイテム[編集]
- スモールフーズ – 場所と種類は完全固定。スコアは10〜100点で、同じ得点のものが2種類ずつ、計20種類ある。先の面に進むほど、高得点のものが出現しやすい。
- ジャンボフーズ – スモールフーズを6つ取るごとに出現。10種類あり、スコアは1000〜10000点。取得したスモールフーズの平均点の約100倍のものが出現する(2周目以降は、レートが上昇)。
- POW – 特定の場所、もしくはジャンボフーズを8つ取るごとに出現。画面上の敵全てをジャンボフーズに変える。
- 竹の子 – 特定の場所を通過すると生えてくる。出現させると500点。取ると1000点。生えてくる途中に取ると2000点。
- エリマキトカゲ – ジャンボフーズを取り逃すと出現。画面左端から右端まで走り去り、取り逃したフーズの約半分の得点のフーズに変わる。例外的に、ジャンボイチゴ(10000点)を取り逃がした場合のみミソラ(雲雀)が出現し、ショートケーキ(5000点)に変わる。
- ヤシチ – 砦を20秒以内に陥落させると出現。取ると4000点。
- ありがたいお経 – 最終エリアで、お釈迦様から手に入れることができる。
登場キャラクター[編集]
敵キャラクター[編集]
- デク – 石地蔵。6体が1グループ。歩行と上下移動で主人公を追いかけてくる。資料によっては“兵馬俑”と表記されているのもある。
- ラニア – ピラニア。4匹が1グループ。画面下から二次曲線を描くようにジャンプしてくる。
- アンブレ – コウモリ。4匹が1グループ。サインカーブを描いて飛行。上下の頂点で減速する時が狙い目だが、難易度が上がると1匹だけ別の軌道を飛んで来ることもある。
- ブリガン – 山賊。6体が1グループ。基本的にデクと同じ動きだが、槍(射程は主人公の弾と同じ。相殺可能)を投げてくる。すぐ逃げるので全滅は難しい。
- 赤次郎 – 赤トンボ。4匹で1グループ。直進して一時停止(縦一列に並ぶが、同じ段に重なることも)した後、主人公に突撃してくる。
- 青次郎 – 青トンボ。8匹で1グループ。時計回りにグルグル回転している。
以上の敵は1グループを全滅させると全滅ボーナスが入る。
- スピンスカル – ドクロの絵が描かれた円盤。スクロールに同期して流れていく障害物で、5発で破壊可能。難易度が上がると、スクロールに逆らって動くこともある。
- ウォールスカル – 砦を守る障害物。5発で破壊可能。
- チェン – 砦の守り手で、爆弾(相殺可能)を投げてくる。
- ムサシ – 蜂。2匹で登場。曲線を描いて飛び、一時停止した後、再び主人公を狙って曲線飛行を繰り返す。
- 魔人 – 赤、青、緑の3体で登場。耐久力5発の楯を持ち、斧(相殺可能)を投げつけてくる。いわゆる中ボス。ゲーム序盤で三蔵法師と河童のスイスイを拉致する。
1986年にファミリーコンピュータへ初移植。その後は様々なハードでアーケード版が復刻版としてリリースされている。詳細は上記を参照。
なお、携帯電話アプリゲームとして2005年にiアプリやEZアプリ、2006年にVアプリで配信された際は[9]、オリジナル版では三蔵と共にさらわれていた河童のスイスイが新しくプレイヤーキャラクターとして使用できる仕様が追加された。ソンソンがバランス型、トントンがパワー型、スイスイがスピード型とそれぞれ異なったカラーの性能を持つよう改良されていた。
トピック[編集]
- 製作経緯
- 本作をメインで製作した岡本吉起によると、岡本が前に在籍のコナミ時代から同期だった藤原得郎らとカプコンへ移籍し、それまで販売会社だったカプコンに開発部署が設けられ開発がスタート。岡本はコナミ時代はメカニカル系を、藤原はキャラクター系を製作を担当していたことから、今回は逆転してみるかということでスイッチし、岡本がソンソンを、藤原が『バルガス』をと2ライン体制で開発がスタートしたという。スイッチした理由については遊び心で大した理由はないとのこと[10]。
- 『西遊記』をモチーフにした理由
- 猿を主人公というよりは、ヨーロッパなど海外でキャラ的に受け入られやすい豚を引っかけたのと、日本国内でウケそうなのは猿だろうということから、豚と猿で『西遊記』がモチーフになったとのこと。これは当時起業したばかりで販売能力の弱かったカプコンの事情を考慮し、少しでも市場で売りやすいようにという販売戦略によるものである[11]。
- POWと弥七
- カプコン創業初期のゲームによくPOWと弥七が登場していたのは、当時開発の藤原得郎が、創業間もなかったカプコンをいち早く広く世間に認知させるべく、ゲーム中に一目でプレイヤーにこれはカプコンだとわかる共通したキャラクターが必要だという判断から、全てのカプコンのゲームにPOWと弥七を出そうというブランディング戦略から行われていた。ナムコゲームにおける「スペシャルフラッグ」的なものを目指したもの。
- マップデザイン
- 容量の関係で、当初設定されたマップが入り切らなかったため、一部のマップが省略されている。あまり登場しないフーズや、有効利用しにくい場所にPOWが置かれている場合があるのは、そのせいである。
- BGMについて
- 本作のメインBGMには歌詞がついており、ファミコン版の取扱説明書に楽譜付きで掲載されている。またTBS系列で1980年代後期に放映されていた『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』においては、番組内の「だるまさんがころんだ」のコーナーで本作のメインBGMが原音そのままで使用されていた。
スタッフ[編集]
- アーケード版
- ファミリーコンピュータ版
- 音楽:森安也子
- 編曲:森安也子、河本圭代
- 音楽プログラマー:坂口由洋
ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、18.21点(満30点)となっている[1]。また、同雑誌1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、「当時流行した隠れキャラもあり、カワイイキャラがなかなか魅力的。昔のゲームのわりには音も良く、ゲーム音楽も軽快だが、動きの悪さが欠点だ」と紹介されている[1]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.55 | 3.09 | 2.88 | 2.87 | 3.73 | 3.09 | 18.21 |
- SON SON II
- 1989年1月27日にNECアベニューよりPCエンジン用ソフトとして発売された本作の続編。ゲーム内容はアーケードゲームの『ブラックドラゴン』(1987年)をベースに全編を『西遊記』の世界観に変更したアレンジ移植であるため、キャラクター名はソンソンやトントンではなく孫悟空や猪八戒などになっている。なお、発売はNECアベニューだが開発はカプコン側が行っている[14]。
関連項目[編集]
- スーパーパズルファイターIIX
- 春麗ステージの背景のオブジェでソンソンが觔斗雲に乗って飛んでいる。
- MARVEL VS. CAPCOM 2
- カプコン代表として新規に描き起こされたキャラクター「ソンソン」は、本作のソンソンのさらに孫という設定の女の子である。
- ポケットファイター
- ソンソン、トントン、スイスイ、サンゾウがアイテムキャリアーとして登場している。
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