滋賀県立琵琶湖博物館 – Wikipedia
滋賀県立琵琶湖博物館(しがけんりつびわこはくぶつかん)は、滋賀県草津市の琵琶湖湖岸烏丸半島にある県立の博物館。湖をテーマにした博物館としては日本で最大規模であり、淡水専門の水族展示を含め多彩な展示がある。2020年に3期に分けて行っていた展示室がリニューアルオープンした。通称「びわ博」。
琵琶湖の歴史は、およそ400万年前まで遡る。その琵琶湖をテーマに置いていることから、それに特化した展示内容が充実している。水族館施設は、ほかでは珍しい淡水魚を中心とするもので、琵琶湖固有種がすべて見られるほか、国内外の淡水魚も展示されている。プランクトンは生きたものが観察できる。また、琵琶湖と人間の関わりについての展示も充実している。琵琶湖や「湖と人間」に関する資料を、11分野、512,036点を収蔵・登録し、利用に供している(2016年3月現在)。
- 目的
- 琵琶湖に対する総合的な理解を深めることにより、湖と人間のよりよい共存関係を築いていく(滋賀県立琵琶湖博物館の設置および管理に関する条例 第1条)。
- 事業
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- 研究、資料の整備および情報の提供を行う
- 常設展示、企画展示その他の展示を行う
- 観察会、見学会その他の交流事業を行う
- その他博物館の設置の目的を達成するために必要な事業
- 3つの「基本理念」
- 1. テーマをもった博物館
- 「湖と人間」というテーマを掲げ、自然と文化の両方を同時に扱う総合博物館を目指す
- 2. フィールドへの誘いとなる博物館
- みなさんの興味が博物館の中だけで終わるのではなく、生活や地域などのフィールド(現場)に向かいたくなるような展示や体験プログラムを提供する
- 3. 交流の場としての博物館
- あらゆる人びとが、展示や交流活動、研究・調査活動などに関わることができ、楽しみながら学び考え、出会いの場となる博物館を目指す
建築概要[編集]
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常設展示[編集]
- A展示室 湖の400万年と私たち 〜琵琶湖の自然と生い立ち〜
- 自然環境の変化について展示してあり、化石・岩石・鉱物も展示している。半身半骨のツダンスキーゾウが展示されており、世界初である。琵琶湖周辺にゾウやワニが生息していたことや、その時代にどのような樹木が生息していたかなどを学ぶことができる。
- B展示室 湖の2万年と私たち 〜自然と暮らしの歴史〜
- 琵琶湖に関する湖底遺跡や湖上の交通、漁業について展示している。展示室中央にはかつての湖上水運の主力だった「丸子船」を展示している。リニューアルオープン後、丸子船の位置は変更され、部屋の端になった。また、リニューアル後の丸子船はVRで展示を見ることができたり、丸子船の中には船ネズミの剥製があるなど、より当時の様子を学ぶことができる。
- C展示室 湖のいまと私たち 〜暮らしとつながる自然〜
- 琵琶湖と人々の暮らしの関わりについて展示している。彦根市から移築された農家を利用して昭和30年代の生活風景を再現している。展示室入り口付近の床には、琵琶湖・瀬田川・宇治川・淀川周辺の巨大な航空写真が印刷されている。展示室内では、カヤネズミ・ハッタミミズ・クサガメ・イシガメ・ナゴヤダルマガエルなどの生体展示も行っている。
- 水族展示室 湖のいまと私たち 〜水の生き物と暮らし〜
- 琵琶湖に住む多くの種類の魚を展示している。竹生島の周辺の水中を再現したトンネル形の水槽があり、展示通路を進みながら魚を見ることができる。淡水のトンネル水槽では、日本最大である。展示面積は約2000㎡で淡水生物の展示室としては国内最大級。バイカル博物館と協定を結んでいることから、バイカル湖のLive映像を常に見ることができる。また、バイカルヨコエビである、アカントガンマルスビクトリィは飼育下で世界初の繁殖をし、展示物がされているが、隣の水槽のバイカルアザラシに人が集まり、あまり見られていない。微小生物の展示をしているマイクロアクアリウムでは、毎日琵琶湖へプランクトンの採集を行い、それを展示しているため、毎日観察できるプランクトンが異なる。運が良ければ珍しいプランクトンを観察することができる。
- ディスカバリールーム
- ザリガニの模型など、親子で楽しむ展示がされている。五感を使って学ぶことができる展示になっている。すべての展示室に関わる展示物が展示されている。手に取ることができる展示物が多く、小学生3年生以下の子どもは保護者がいないと入室ができない。季節の行事に合わせて展示替えやイベントがあるが、なぜか展示替えはホームページなどで公開されていないため、展示室に行くまで分からない。入室数が多い時は人数制限がされており、すぐに入室できないこともある。入室時間は16:30までである。ディスカバリールームには必ず1人以上のスタッフがおり、カウンターでディスカバリーBOXという展示物を借りることができる。この展示物は多くの園館でよく似たものが作られているが、オリジナルはびわ博らしい。
- おとなのディスカバリー
- 質問コーナーも内蔵されている。剥製や標本を360度観察することができる。剥製を作成している動画や種名を当てるクイズなどもある。本も置いてあるため、自分で調べることもできる。入室時間は16:30までである。
質問コーナー、レストラン、ショップのみの利用も、別途手続きにより引き続き無料で利用できる。
屋外の樹冠トレイルについても無料で利用できる。
この他、野外展示(生活実験工房)もある。
企画展示[編集]
- 第26回 化石林 ねむる太古の森(Fossil Forests – The buried ancient woodlands)
- 第25回 小さな淡水生物の素敵な旅(Dispersal: The fantasitic journeys of aquatic micro-fauna)
- 第24回 20周年記念 びわ博カルタ 見る知る楽しむ新発見
- 第23回 琵琶湖誕生 -地層にねむる7つの謎-
- 第22回 魚米之郷(ぎょまいのさと) -太湖・洞庭湖と琵琶湖の水辺の暮らし-
- 第21回 生きものがたり -生物多様性 湖国から 世界から-
- 第20回 ニゴローの大冒険 ~フナから見た田んぼの生き物のにぎわい~
- 第19回 こまった! カワウ-生きものとのつきあい方-
- 第18回 湖底探検~びわ湖の底はどんな世界?~
- 第17回 骨の記憶―あなたにきざまれた五億年の時
- 第16回 「昆虫記」刊行100年記念日仏共同企画 ファーブルにまなぶ
- 第15回 琵琶湖のコイ・フナの物語 -東アジアの中の湖と人-
- 第14回 湖辺~水、魚、そして人~東アジアの中の琵琶湖
- 第13回 歩く宝石オサムシ―飛ばない昆虫のふしぎ発見―
- 第12回 のびる・ひらく・ひろがる 植物がうごくとき
その他の施設[編集]
- ホール(246席)
- 実習室
- 生活科学実習室
- セミナー室(90席)
- ミュージアムショップ
- ミュージアムレストラン にほのうみ(80席)
- 休憩コーナー・カフェテリア
- 図書室(貸し出しは不可能)
- 情報利用室・新空間
- 総合案内所
- 授乳室
- 屋上広場
- うみっこ広場
重要文化財[編集]
- 東寺文書(107通)7巻、3冊、94通 – 京都の東寺に伝わった古文書のうち、江戸時代に寺外に流出して御上神社(野洲市)の社家である大谷家に伝わったもの。平安時代から江戸時代に至る庄園文書、書状、その他各種の文書を含み、その大部分が表装されずに作成当時の形態をとどめている点も貴重である。2009年に国の重要文化財に指定[1]。
- 珪藻
- 里山のゴミムシ
- 琵琶湖地域の火山灰
収蔵品データベース[編集]
- 歴史・民俗データベース
- 民具
- 人と暮らしアルバム
- 地学データベース
- 化石
- 岩石・鉱物
- 堆積物
- 地学プレパラート
- 生物データベース
- 植物さく葉
- 魚類
- 貝類
- 昆虫液浸
- 昆虫乾燥
- 爬虫両生類
- 鳥類
- 哺乳類
- 生命の湖 琵琶湖をさぐる 滋賀県立琵琶湖博物館編 文一総合出版 2011年4月5日 初版
- 琵琶湖博物館ブックレットシリーズ(サンライズ出版)
- 1「ゾウがいた、ワニもいた琵琶湖のほとり」高橋 啓一
- 2「湖と川の寄生虫たち」浦部 美佐子
- 3「イタチムシの世界をのぞいてみよう」鈴木 隆仁
- 4「琵琶湖の漁業 いま・むかし」山根 猛
- 5「近江の平成雲根志 鉱山・鉱物・奇石」福井 龍幸
- 6「タガメとゲンゴロウの仲間たち」市川 憲平
利用情報[編集]
- 開館時間
- 10時 – 17時(入館は16時まで)
- 休館日
- 月曜日(ただし祝日や振替休日である場合を除く)
- 祝日の翌日(ただし土曜日または日曜日である場合を除く)
- 年末年始(その年の曜日配列により休館日は異なる)
- 館長が特に必要があると認めるとき
- 観覧料金
- 通常
- 20人以上の団体
- 小学生・中学生 : 無料
- 高校生・大学生 : 360円
- 大人 : 640円
- 琵琶湖博物館常設展示・みずの森共通券(※個人券のみ、みずの森は小中学生は有料)
- 高校生・大学生 : 560円
- 大人 :890円
- 年間観覧券『倶楽部LBM』
- 1年間、常設展示と企画展示の観覧が何回でもできる。
- 高校生・大学生 : 900円
- 大人 : 1,600円
- 滋賀県内に住む満65歳以上の人は、常設展示の観覧料が免除となる(ただし証明となるものが必要)。
- 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持つ人は常設展示・企画展示の観覧料が免除となる。
- 滋賀県内の小学校・中学校・高校・特別支援学校が教育課程に基づく学校行事で観覧する場合は、常設展示と企画展示の観覧が引率者も含めて免除となる(ただし減免申請書の提出が必要)。
- 家族ふれあいサンデー (毎月第三日曜日)
- 滋賀県内在住で、家族連れの来館者は、受付で「滋賀プラスワン」「スマイルカード」または滋賀県内在住が分かるものを提示すると常設展示観覧料が免除となる[2]。
- 体験学習の日 (毎週土曜日)
- 滋賀県在住、在学、在園の18歳未満のこどもは、受付で「滋賀プラスワン」「スマイルカード」または滋賀県内に在住または在学・在園していることが分かるものを提示すると常設展示観覧料が免除となる[2]。
- バス(定員30人以上) 1,700円、マイクロバス(定員11〜29名) 1,100円
- 普通車 550円、自動二輪・原付 200円
- 普通車、自動二輪・原付については、博物館利用者の方に総合案内所で駐車無料サービス券を渡している。
交通アクセス[編集]
JR草津駅「西口」2番バス乗り場から、近江鉄道バス、琵琶湖博物館行き(約25分)、「琵琶湖博物館前」下車、徒歩1分。なお、夏期には草津駅西口発、琵琶湖博物館行の路線バスにおいて、期間限定で臨時増便運行されている。
またはJR草津駅「西口」から、タクシーで20分。
- JR守山駅からタクシーで20分。
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E1 名神 栗東ICから国道1号、滋賀県道31号、湖周道路を経由して、駐車場を利用する。
- 大津港から琵琶湖汽船シャトルボートで草津烏丸半島港へ(ただし、不定期なので事前に確認が必要)。
出典[編集]
- ^ 文化庁文化財部「新指定の文化財」『月刊文化財』549号、第一法規、2009、pp.35 – 36
- ^ a b “スマイルカード”. 滋賀県教育委員会事務局. 2021年1月17日閲覧。
参考文献[編集]
- 竹内誠監修『知識ゼロからの博物館入門』幻冬舎 2010年
関連する人物[編集]
館長[編集]
研究者[編集]
退職[編集]
その他[編集]
- 松井三四郎(館内に復元展示されている丸子船を製作した船大工)
関連施設[編集]
海外研究機関との連携[編集]
琵琶湖の価値を世界的に高めるとともに博物館活動の発展のために積極的に海外の研究機関と協力関係を結んでいる。
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