あにいもうと – Wikipedia

あにいもうと」は、室生犀星が1934年に発表した短編小説。

『文藝春秋』1934年7月号にて発表、1935年1月刊行の『神々のへど』所収。同年の第1回文芸懇話会賞受賞作。室生犀星の養母・赤井ハツをモデルとする赤座もんを主人公に、元々仲が良かったが、妹の妊娠を機に激しく対立する兄妹の複雑な愛情を描く。

1953年に成瀬巳喜男監督、京マチ子主演で映画化、1972年に山田洋次脚本、渥美清・倍賞千恵子出演でテレビドラマ化されるなど、たびたび映像化されている。

あらすじ[編集]

登場人物[編集]

  • 赤座 – 川仕事の人夫頭。
  • りき – 赤座の妻。
  • 伊之助 – 赤座の長男(28歳)。
  • もん – 赤座の長女(23歳)。
  • さん – 赤座の次女。
  • 小畑 – 書生(24歳)。

書誌情報[編集]

これまで3度映画化されている。

1936年版[編集]

兄いもうと』のタイトルで1936年(昭和11年)6月21日に公開。製作はP.C.L.、配給は東宝。モノクロ。上映時間は61分[1]
1936年度キネマ旬報ベストテン第7位。

スタッフ
キャスト

1953年版[編集]

1953年(昭和28年)8月19日に公開。製作・配給は大映。監督は成瀬巳喜男、主演は京マチ子。1953年度キネマ旬報ベスト・テン第5位。

1976年版[編集]

1976年(昭和51年)10月23日公開。製作は東宝映画。配給は東宝。カラー。上映時間は88分。1976年度キネマ旬報ベストテン第6位。第19回ブルーリボン賞主演女優賞(秋吉久美子)・助演男優賞(大滝秀治)受賞。

同時上映は『星と嵐』(原作:池田一朗、出目昌伸 / 監督:出目昌伸 / 主演:三浦友和)。

スタッフ
キャスト

テレビドラマ[編集]

1958年版[編集]

兄いもうと』のタイトルで、1958年11月9日21:15 – 22:15にKRテレビ系列の「東芝日曜劇場」枠で放送された。

キャスト
スタッフ

1959年版[編集]

1959年3月11日水曜20:00 – 21:00に日本テレビ系列の「ヤシカゴールデン劇場」枠で放送された。

キャスト

1960年版(NET)[編集]

兄いもうと』のタイトルで、1960年1月28日木曜20:00 – 21:00にNETテレビ系列の「文芸劇場」枠で放送された。水谷八重子が再び主人公もん役で出演した。

キャスト

1960年版(CX)[編集]

1960年8月7日日曜22:00 – 22:45にフジテレビ系列の「百万人の劇場」枠で放送された。

キャスト

1972年版[編集]

1972年9月3日21:30 – 22:26にTBS系列の『東芝日曜劇場』枠で放送された。脚本は山田洋次、兄・伊之助役は渥美清、妹・もん役は倍賞千恵子と『男はつらいよ』シリーズの面々が顔を揃えた。

キャスト
スタッフ
TBS 東芝日曜劇場
前番組 番組名 次番組
ある夏の終り
(HBC制作)
(1972年8月27日)

あにいもうと
(1972年9月3日)

もしか或る日
(1972年9月10日)

1974年版[編集]

あに、いもうと』というタイトルで、1974年3月6日にNETテレビの『女・その愛のシリーズ』で放送された[2]

キャスト
スタッフ

1995年版[編集]

1995年9月12日にテレビ東京系列の『火曜ゴールデンワイド』特別企画として放送された。

キャスト
スタッフ

2018年版[編集]

ドラマ特別企画『あにいもうと』のタイトルで、2018年6月25日月曜20:00 – 21:57[注釈 1]に放送された。主演は大泉洋[4]。視聴率は10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)[5]

山田洋次脚本・石井ふく子プロデューサーのコンビで1972年に渥美清・倍賞千恵子の出演でテレビドラマ化して以来、46年ぶりの再ドラマ化となる[6]

キャスト
大工の仕事をしていて、部下の面倒見もいい。もんちと衝突するが実は本気で憂いていて、赤座家に来た裕樹を殴った。
トラックの運転手[注釈 2]。イノと衝突するが兄を心配している。実は裕樹との間に子供がいるのを秘密にしていた。
イノやもんちと仲がいい。
  • 小畑裕樹(もんちの彼氏) – 太賀
もんちと別れたが、彼女の妊娠を知り復縁を考える。イノの制裁を受けるが、その後もんちと結婚する。
  • 岡村咲江(伊之の友人、のち妻) – 西原亜希
花屋に勤務。元夫との間に息子供がいるその息子はイノと仲がよく、もんちは彼女を気に入っているので兄嫁にと思っている。
イノが面倒を見ている後輩。
もんちと復縁しようと赤座家にやってきた裕樹を一喝する。
裕樹を怒る忍とイノを宥め、もんちとの結婚を認める。
スタッフ

注釈[編集]

  1. ^ 『月曜名作劇場』枠外で放送。
  2. ^ 演じるにあたって、宮﨑は大型自動車免許を取得している[7]

出典[編集]

外部リンク[編集]