大田運輸区 – Wikipedia

大田運輸区構内に留置中のE233系1000番台(敷地内から撮影)

大田運輸区(おおたうんゆく)は、東京都大田区にある東日本旅客鉄道(JR東日本)東京支社の運転士・車掌が所属する組織である。本項では旧・蒲田電車区についても記述する。

蒲田現業事業所[編集]

乗務員などの施設となる事務所は、蒲田駅近くの大田区役所庁舎とTOKYU REIT蒲田ビルに挟まれた土地にある2棟のビルのうち、東海道線の線路側のビルが大田運輸区の現業事務所(蒲田現業事務所)である[1]。建物は地上6階建て、1階は駐車場兼保守作業ヤード、2階以上が乗務員事務所等である[1]

乗務範囲[編集]

総合訓練センター 蒲田トレーニングセンター[編集]

2019年(平成31年)7月1日に駅員の異常時対応訓練を目的とした「総合訓練センター 蒲田トレーニングセンター」が開設された[2][3]。元々は電車庫とテニスコートなどがあった場所であるが、トレーニングセンター建設に伴い解体された[4]

構内には「荏原線」(えばらせん)と称する190 mの訓練線2本と、80 mの訓練線1本を備えている[2]。その両端には訓練用の大田駅と志茂田駅(旧地域名・しもだ)が用意された[2][3]。京浜東北線用のE233系1000番台に似せた小型の訓練用車両(ミニ車両)2両がある(蓄電池駆動式)[2][3]

主な訓練内容は[2]

  1. ホーム上での基本動作訓練
  2. お客様救済訓練
  3. 列車見張員訓練
  4. 落とし物習得訓練

蒲田電車区[編集]

蒲田電車区(かまたでんしゃく)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)東京支社の運転士が所属していた組織。1996年12月のダイヤ改正までは車両が配置される車両基地であったが、その後も検査部門は残り、京浜東北線の電車が留置されて仕業検査も行われていた。

所属車両の車体に表記される略号[編集]

東京地域本社(当時)を意味する「東」と、蒲田の電報略号である「カマ」から構成された「東カマ」であった。

  • 掲載写真はすべて敷地外または公道・踏切から撮影

過去の配置車両[編集]

1996年12月1日以降、配置されている車両はなかった。ただし、それ以降も京浜東北線用車両の車庫として使用されている(配置は浦和電車区→さいたま車両センター)。

  • 205系電車
    • 1988年から1989年にかけ、横浜線用として7両編成25本の計175両が新製投入された。1991年に6両が浦和電車区(現・さいたま車両センター)から転入、新製した1両を加えて26本配置となる。1994年には6扉のサハ204形100番台を新製投入して8両編成化され、8両編成26本の208両配置となるが、前述の通り、1996年に大船電車区(→鎌倉総合車両センター→現・鎌倉車両センター)に転出した。
  • 103系電車
    • 京浜東北線用は前述の通り1986年に浦和電車区に集約され転出、横浜線用は205系電車に置き換えられて転出した。
  • 72系電車
    • 京浜東北線用などとして配置されていたが、1971年までに103系電車に置き換えられて転出または廃車となった。

小説『砂の器』[編集]

松本清張の小説『砂の器』には、大田運輸区の前身である国鉄蒲田操車場が登場するため、同名の映画やテレビドラマのロケに使われた。

参考文献[編集]

  • 交友社『鉄道ファン』
    • 2006年1月号特集「短絡線ミステリー8」
  • 鉄道建築協会『鉄道建築ニュース』
    • 2016年8月号「大田運輸区」(JR東日本 東京支社 施設部建築課 下田利崇・新宿建築技術センター 鈴木大樹)pp.50 – 53
    • 2020年3月号「総合訓練センター 蒲田トレーニングセンター研修棟新築」(JR東日本 新宿建築技術センター 増沢拓也)pp.67 – 68

関連項目[編集]

座標: 北緯35度33分25.1秒 東経139度42分47.8秒 / 北緯35.556972度 東経139.713278度 / 35.556972; 139.713278