ナミュール伯 – Wikipedia

ナミュール伯の紋章

ナミュール伯(フランス語:Comté de Namur, ワロン語:Conteye di Nameur, オランダ語:Graafschap Namen)は、フランク王国、後に神聖ローマ帝国の領主。その領地はサンブル川およびマース川の合流点に位置し、現在のベルギーのナミュール区およびディナン区北西部に当たる。西にエノー伯領、北にブラバント公領、南および東にリエージュ司教領、南東にルクセンブルク伯領があった。

1400年頃のナミュール伯領(緑色の領域)

ナミュール伯領は10世紀にナミュールの城および街を中心として形成された。その発展は長い間、周囲のエノー伯領、ブラバント公領およびリエージュ司教領により阻まれていた。しかし、三代にわたる婚姻政策により、1150年にアンリ1世(ルクセンブルク伯ハインリヒ4世)は、ナミュール、ラ・ロッシュ英語版、デュルビュイ、ロンウィ、ルクセンブルクの支配権、およびスタヴロ修道院、トリーアのザンクト・マクシミン修道院、エヒタナハ修道院のフォークトの領地を手に入れた。

しかし、アンリ1世の死後、領地は分割され、伯領はもとの地域に再び限定された。アンリは男子継承者を残さず死去し、ナミュール伯領は1191年にフランドル伯家のものとなった。1217年、ナミュールはカペー家の分家であるクルトネー家に相続された。その後、ダンピエール家が相続していたフランドル伯家のものに再びなったが、同家の最後の伯ジャン3世は後継者がなく、1421年4月23日に伯領の継承権をブルゴーニュ公フィリップ3世に売却した。

1429年3月1日、ジャン3世が死去し、ナミュールはブルゴーニュ公家に継承され、1477年のシャルルの死後はハプスブルク家に継承された。ハプスブルク領ネーデルラントはカール5世によりブルグント・クライスとされ、1548年、最終的にネーデルラント17州として承認された。

歴代ナミュール領主[編集]

ナミュール家[編集]

  • ベランジェ(924年以降没) – ロム伯
  • ロベール1世(981年頃没) – ナミュール城建設
  • アルベール1世(1011年以前没) – 992年にナミュール伯
  • ロベール2世(1031年以前没) – アルベール1世の子
  • アルベール2世(1063/4年没) – ロベール2世の弟
  • アルベール3世(1102年没) – アルベール2世の子
  • ジョフロワ(1139年没) – アルベール3世の子
  • アンリ1世(1196年没) – ルクセンブルク伯(1136年 – 1196年)、ナミュール伯(1139年 – 1189年)

フランドル家[編集]

括弧内はナミュール侯の在位期間。

クルトネー家[編集]

  • フィリップ2世(1216年 – 1226年) – ヨランドとピエール2世の子
  • アンリ2世(1226年 – 1229年) – フィリップ2世の弟
  • マルグリット(1229年 – 1237年) – アンリ2世の姉、フィアンデン(Vianden、ヴィアンダン)伯ハインリヒ1世と結婚
  • ボードゥアン2世(1237年 – 1259年) – ラテン皇帝(1228年 – 1261年)、マルグリットの弟

1263年に権利をフランドル伯に売却。

リンブルフ=アルロン家[編集]

ダンピエール家[編集]

  • ギー1世(1265年 – 1297年) – アンリ3世の女婿、1263年にナミュールを購入
  • ジャン1世(1297年 – 1331年) – ギーの子
  • ジャン2世(1331年 – 1335年) – ジャン1世の子
  • ギー2世(1335年 – 1336年) – ジャン2世の弟
  • フィリップ3世(1336年 – 1337年) – ギー2世の弟
  • ギヨーム1世(1337年 – 1391年) – フィリップ3世の弟
  • ギヨーム2世(1391年 – 1418年) – ギヨーム1世の子
  • ジャン3世(1418年 – 1429年) – ギヨーム2世の弟

1421年、ジャン3世は伯領の継承権をブルゴーニュ公フィリップ3世に売却し、1429年のジャン3世の死により、ナミュール伯領はブルゴーニュ公家のものとなった。

1477年、ナミュールはブルゴーニュとともにハプスブルク家に継承された。

参考文献[編集]

  • Léon Vanderkindere: La formation territoriale des principautés belges, 2 Bände, Brüssel 1909
  • Rousseau (Hg.): Actes des comtes de Namur, 1936f.
  • E. Brouette: Introduction aux études historiques, archéologiques et folkloriques du Namurois, Manur 1947
  • J. Balon: La maison de Namur sur la scène de la grand histoire, Namur 1950
  • Genicot: Le Namurois politique, 1964
  • Hermann Grote: Stammtafeln, Leipzig 1877

関連項目[編集]