ポーの法則 – Wikipedia

ポーの法則(ぽーのほうそく、Poe’s law)は、インターネットユーザーであるネイサン・ポー(Nathan Poe)が2005年にインターネット上で提唱した法則[1]

「皮肉で言っている」という作者の意図が明確に示されていない場合、「本気でやっている過激な主張」と「ネタでやっているトンデモ」の区別が難しいことを示す[2]

主に2010年代以降の英語圏のWeb2.0界隈において、創造論などの原理主義や似非科学などを批判するブロガーの間で使われている用語である。
元々は皮肉として「ネタでやっているトンデモ」の書き込みをする人々(ポーら)の間で使われていた用語だが、後に、原理主義者や似非科学信奉者の書き込みには「ネタ」であることを疑うレベルで過激なものがあることを示すようになった。

法則とその意味[編集]

ポーの法則を一般化して言うと:

ユーモアの明白な表出が無い限り、誰かが本気だと誤解しない形の過激主義または原理主義のパロディを作るのは不可能である。

Without a blatant display of humor, it is impossible to create a parody of extremism or fundamentalism that someone won’t mistake for the real thing.

[3]

ポーの法則は、創造論に関して、創造論者と進化論者と彼らを煽って楽しむ三者間で際限なく議論が行われている「christianforums.com」というウェブサイトで、2005年にネイサン・ポーと名乗るユーザーによって提唱された[4]。オリジナルの文章はこのようなものである。

そんな感じに創造論者のパロディをするときは、顔文字とか「ネタ」だとはっきり解る部分を入れておかないと、本気で書かれた記事だと「誰かさん」が誤解しちゃうのは完全に不可避だよ。
Without a winking smiley or other blatant display of humor, it is utterly impossible to parody a Creationist in such a way that someone won’t mistake for the genuine article.[5]

この法則はポーが初めて言い表したわけではなく、1983年にジェリー・シュウォーツ(Jerry Schwarz)がUsenetで似たようなことを既に言っている。

8. 皮肉やふざけた意見を言わないでください。

声の抑揚やボディランゲージなしでの個々人のコミュニケーションは、いともたやすく誤解を招きます。横向きの顔文字 🙂 は「冗談だよ」の表現としてネット上で広く受け入れられるようになって来ています。そういうシンボル無しで皮肉めいた書き込みをした場合、どれだけ明々白々な皮肉だろうと自分で思っていたところで関係なく、他人に本気で受け止められても驚くようなことではありません。

8. Avoid sarcasm and facetious remarks.

Without the voice inflection and body language of personal communication these are easily misinterpreted. A sideways smile,, has become widely accepted on the net as an indication that “I’m only kidding”. If you submit a satiric item without this symbol, no matter how obvious the satire is to you, do not be surprised if people take it seriously.[6]

また別の先例として、Usenetに2001年に投稿されたものがあり、アラン・モーガン(Alan Morgan)が有名なクラークの三法則になぞらえてこう記した。

十分に発達したtroll(議論を乱したり注目を集める目的で意図的に間違った説を展開する荒らし)は本物のkook(間違った方向にゆるぎない信念を持ったきちがい)と見分けがつかない
“Any sufficiently advanced troll is indistinguishable from a genuine kook.”[7]

関連項目[編集]

  • クラークの三法則 – その第三法則 「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」