イット・バイツ – Wikipedia

イット・バイツ (It Bites)は、1982年にイギリス、カンブリア州エグレモントで結成されたプログレッシブ・ロック・バンド。

1982年、フランシス・ダナリー、ジョン・ベックらにより、カンブリアで結成される。1984年、ロンドンに活動拠点を移す。その年の暮れ、デモ・テープが認められヴァージン・レコード、ゲフィン・レコードと契約を交わす。マネージメントはエイジア、元・イエスの敏腕マネージャーとして知られるブライアン・レーンが行い、当初は『第2のエイジア』としての売り込みが考えられていた。

1986年3月シングル「All In Red」発売。同年6月にシングル「Calling All The Heroes」を発売。全英シングルチャートで、6位まで上がるヒットとなり注目を集める。1986年7月、ファースト・アルバム『ザ・ビッグ・ラド・イン・ザ・ウィンドミル』発売。これには「Calling All The Heroes」も収録されていたものの、売り上げはさほど伸びなかった。

1988年、セカンド・アルバム『ワンス・アラウンド・ザ・ワールド』発表。演奏時間が9分間、15分間という長大な楽曲も収録された、いわゆるプログレッシブ・ロックの影響を強く感じさせる作品となった。

1989年、サード・アルバム『イート・ミー・イン・セント・ルイス』発表。このアルバムのアートワークにはマネージメントの関係からロジャー・ディーンが参加している。

1990年、イギリスでのミニツアー後、ロサンジェルスでアルバムのレコーディングに入るが、音楽性の相違から7月にフランシスが脱退。後任にリー・ノットが加入するが、レコード契約を失い、バンド名を「シスター・サラ」、「ナバホ・キッス」と改名して活動を続けるも解散に至る。

2003年にオリジナル・メンバー4人による顔合わせがあり、ツアー及びアルバムの予定があることが発表されたが、実現には至らなかった。

2006年、ジョン・ミッチェルをフロントマンに据えて再結成。アルバムのリリース、来日公演を含むツアーを行い、積極的に活動してきたが、2015年にジョン・ベックが事故で右手と右腕を骨折して[1][2]以来、活動休止中。

メンバー[編集]

現在のメンバー[編集]

  • ジョン・ベック (John Beck) :(1961年7月29日 – )キーボード、ボーカル。女性のようなルックスで人気が高かった。ライブではギターも弾いていた。また、2008年発表のオリジナル・アルバムではベースも弾いている。解散後、2001年ごろからジョン・ウェットンのソロ・ツアーなどにも参加。
  • ボブ・ダルトン (Bob Dalton) :(1962年11月20日 – )ドラムス。ジョン・ベックと同じくジョン・ウェットンのツアーに参加。
  • ジョン・ミッチェル (John Mitchell) :ボーカル、ギター、ベース。2006年の再結成から加入。他のプログレッシブ・ロック・バンド、アリーナ、キノ、フロスト*、ジョン・ウェットン・バンドのメンバーとしても活動している。
  • リー・ポメロイ (Lee Pomeroy) :ベース。2009年に加入。

旧メンバー[編集]

ディスコグラフィ[編集]

スタジオ・アルバム[編集]

  • 『ザ・ビッグ・ラド・イン・ザ・ウィンドミル』 – The Big Lad In The Windmill (1986年、ヴァージン/ゲフィン) ※旧邦題『ヒーローをさがせ!』
  • 『ワンス・アラウンド・ザ・ワールド』 – Once Around The World (1988年、ヴァージン/ゲフィン) ※旧邦題『限りなき挑戦』
  • 『イート・ミー・イン・セント・ルイス』 – Eat Me In St. Louis (1989年、ヴァージン/ゲフィン)[3]
  • 『ザ・トール・シップス』 – The Tall Ships (2008年、インサイド・アウト)
  • 『マップ・オヴ・ザ・パスト』 – Map of the Past (2012年、インサイド・アウト)

ライブ・アルバム[編集]

  • 『サンキュー・アンド・グッドナイト』 – Thank You And Goodnight (1991年、ヴァージン) ※1989年のライブ・アルバム
  • 『ライヴ・イン・モントルー』 – Live in Montreux (2003年) ※1987年に行われたモントルー公演を収録したライブ・アルバム
  • 『ホウェン・ザ・ライツ・ゴー・ダウン』 – When The Lights Go Down (2007年) ※2006年12月に行われたイギリス公演を収録したライブ・アルバム
  • 『イッツ・ライヴ』 – This Is Japan (2010年、キングレコード) ※2009年7月に行われた来日公演を収録したライブ・アルバム
  • Deutsches Live! (2010年)
  • Live in London (2018年) ※1986年、1988年、1990年のロンドンでの3公演を収録した5CDセット

コンピレーション・アルバム[編集]

  • 『ジ・イット・バイツ・アルバム』 – The It Bites Album (1990年、ヴァージン) ※リミックスやシングルのB面曲などを収録した来日記念アルバム
  • The Best Of It Bites – Calling All the Heroes (1998年、EMI) ※ベスト・アルバム
  • Whole New World: The Virgin Albums 1986-1991 (2014年、ヴァージン)

映像作品[編集]

  • 『ライヴ・イン・トーキョー』 – Live in Tokyo (2003年、WHDエンタテインメント) ※1989年の東京・芝郵便貯金ホール公演の映像
  • 『イット・ハップンド・ワン・ナイト』 – It Happened One Night (2011年、キングレコード)
  1. ^ John Beck breaks arm in accident”. loudersound.com. 2018年8月16日閲覧。
  2. ^ DUTCH SHOWS CANCELLED- JOHN BECK BREAKS HIS RIGHT ARM IN ACCIDENT 28 NOVEMBER 2015”. CHOCOLATE FROG RECORDS. 2018年8月16日閲覧。
  3. ^ タイトルはジュディ・ガーランド主演のミュージカル映画『若草の頃』の原題『Meet Me in St. Louis』のパロディ

外部リンク[編集]