スノーピーク – Wikipedia
スノーピークは、日本の新潟県三条市に本社を置くアウトドア総合メーカーおよびそのブランド名(Snow Peak )である。世界に先駆け、「オートキャンプ」のスタイルを生んだ会社として知られる[1]。近年はキャンピングオフィス事業、複合型リゾート事業、ワーケーションの推進などに力を入れている[2][3][4]。
創業は山井幸雄商店という金物問屋で、当時の登山用品に不満があった初代社長の山井幸雄が、オリジナルの登山用品・釣り具を開発したことによりアウトドアレジャーメーカーとして事業を拡大し、株式会社ヤマコウと社名変更した。
1986年に山井幸雄の長男である山井太が入社してキャンプ製品の開発を開始。1988年にオートキャンプ事業を立ち上げた[1]。これにより、オートキャンプシーンを創りだしたパイオニアとして知られることになった。1996年に山井太は代表取締役に就任して同時に社名を株式会社スノーピークとし、オートキャンプの需要拡大とともに新しい製品を市場へ投入していった。
90年代前半にオートキャンプブームが収束すると減収が続く長いトンネルに入る。1990年代後半、ユーザーとのキャンプイベント「Snow Peak Way」を開催した時にユーザーから語られた「製品は良いけど高い」「品揃えが悪い」という言葉にショックを受け、見直しを図る。正規特約店制度を導入し、問屋の介在を排した[5]。同時期、直火での焚き火が禁止されたキャンプ場でも焚火ができるステンレス製の焚火台をリリースしてロングセラー商品として育て上げるなど状況に応じた製品開発で苦境を脱した[6]。現在では日本国内のみならず海外にもグループ会社を持ちオートキャンプ、登山用のテントや寝具、タープ、チェア、マグカップ等のアウトドア用品や自然指向のライフスタイルを実現するアイテム等の販売を行なっている。
経年劣化やユーザー自身の過失などを除いて、全ての商品に「永久保証」を付けている[2]。故障やテントの破れ等ほとんど全てのアイテムが同社のアフターサービスで修理のサービスを受けることができる。
2009年4月1日、フライフィッシング以外のフィッシング事業をグローブライド(旧:ダイワ精工)に譲渡した。譲渡後もグローブライドはスノーピークブランドを展開している。
2011年4月29日、本社機能をそれまでの三条市三貫地から同市中野原(旧:南蒲原郡下田村)に「HEADQUARTERS」として拡張移転。計165,000m2の土地に直営のオートキャンプ場「HEADQUARTERS Campfield」をオープン。同社製品の全てを手に取ることができる直営店「HEADQUARTERS Natural Lifestyle Store」を併設している。キャンプ場ではレンタルも可能。『手ぶらキャンププラン』という機材一式レンタルや宿泊利用費、スタッフによる設営サポートが含まれた初心者向けのプランも用意している。本社「HEADQUARTERS」は工場やアフターサービス、オフィスの見学が可能である。
2014年、アパレル事業をリニューアル。2015年11月、表参道に旗艦店をオープン。他にも、住まいやオフィスにおけるアウトドアライフスタイルを提案するアーバンアウトドア事業を展開するなど新規事業にも力を入れている。
2016年7月、北海道帯広市と、観光振興や人材育成に協力する「包括連携協定」と結ぶ。地方自治体との同協定の締結は初めて[7][注 1]。同年9月、建築家隈研吾とコラボーションしたモバイルハウス「住箱」を発表。
2019年、社長の山井太がアメリカ合衆国に移住[13]。2020年2月26日、3月27日付で山井太が代表権のある会長に就任し、長女の山井梨沙副社長が社長に就任する人事を発表した[14][15]。
2020年7月23日、長野県白馬村で体験型複合施設「Snow Peak LAND STATION HAKUBA」が全面オープン[16]。
2021年4月24日、本社のHeadquartersについて、現在の5万坪の敷地を周辺の土地を購入して15万坪に拡張すると発表した[17]。
同年7月8日、本社の敷地内に温浴施設を中心とする複合型リゾート「フィールド スイート スパ ヘッドクォーターズ」を2022年春に開業すると発表した。設計は隈研吾[18]。スパの面積は約400平方メートル。宿泊施設はヴィラ棟(2タイプ、3棟)に「住箱」を併設する予定。レストランは「神楽坂 石かわ」の石川秀樹が監修する[19]。
同年12月1日、新潟土地建物販売センターと石田伸一建築事務所と協働して、2022年10月に新潟市西蒲区和納地区へ住宅街「野きろの杜」を開発すると発表した。約2万1818平方メートルの敷地内に、34区画の分譲地と8戸の賃貸住宅からなる「住宅エリア」、ショップやイベントを通して交流が生まれる「コマーシャルエリア」、宿泊体験ができる「ゲストハウスエリア」の3つのエリアが整備される予定[20]。
- 1958年(昭和33年)7月 – 山井幸雄商店を創業。
- 1963年(昭和38年)10月 – 「スノーピーク」を商標登録。
- 1964年(昭和39年)1月 – 有限会社山井商店を設立、法人組織化。
- 1971年(昭和46年)5月 – 株式会社ヤマコウへ組織変更。
- 1996年(平成8年)12月 – 株式会社スノーピークに商号変更。
- 2011年(平成23年)4月 – キャンプフィールドを併設した店舗・工場・オフィスが一体となったHeadquatrsへと本社及び工場を移転。
- 2014年(平成26年)12月11日 – マザーズ上場。
- 2015年(平成27年)12月11日 – 東京証券取引所第一部に市場変更。
- 2016年(平成28年)7月1日 – 株式会社スノーピークビジネスソリューションズ設立。
- 2017年(平成29年)
- 1月4日 – 株式会社スノーピークグランピング設立。
- 2月1日 – 株式会社スノーピーク地方創生コンサルティング設立。
- 3月1日 – 物流や製造、アフターサービス、営業の一部等中核機能を集約した「スノーピーク オペレーションコア HQ2」稼働開始。
ギャラリー[編集]
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スノーピーク製のテント
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イベントで使われるテントとタープ
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スノーピークEat久屋大通店。2020年9月18日にオープン[21]。
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スノーピークEat豊田鞍ヶ池店。2021年5月1日にオープン[22][23]。
- Headquarters
- スノーピーク二子玉川
- スノーピーク丸の内
- スノーピーク昭島
- スノーピーク表参道
- スノーピーク新宿LUMINE
- スノーピーク東急プラザ銀座
- スノーピークららぽーとTOKYO-BAY
- スノーピーク横浜みなとみらい
- スノーピーク武蔵小杉
- スノーピーク海老名
- スノーピークららぽーと湘南平塚
- スノーピークビルボードプレイス新潟
- スノーピークららぽーと名古屋みなとアクルス
- スノーピーク箕面自然館
- スノーピークALBi大阪
- スノーピーク京都藤井大丸
- スノーピーク太宰府
- スノーピーク天神Dice&Dice
- スノーピーク奥日田
米国 2店舗
- Snow Peak Portland
- Snow Peak SoHo
韓国 4店舗
- Snow Peak HQ Lounge (Korea)
- Snow Peak Store Busan
- Snow Peak Store Icheon
- Snow Peak Store Pangyo Hyundai
台湾 1店舗
- Snow Peak HQ Lounge (Taiwan)
合計24店舗
インストア店舗[編集]
国内49店舗、台湾6店舗 合計53店舗
ショップインショップ店舗[編集]
国内65店舗、韓国34店舗 合計99店舗
キャンプ場[編集]
- スノーピーク十勝ポロシリ
- Headquarters
- スノーピーク箕面キャンプフィールド
- スノーピークおち仁淀川
- スノーピーク土佐清水キャンプフィールド
- スノーピーク奥日田キャンプフィールド
主な製品[編集]
- ランドブリーズシリーズ(テント)
- ランドステーションシリーズ(タープ)
- オフトンシリーズ(寝袋)
- ギガパワーシリーズ(ストーブ・ランタン・バーナー・ヒーター等)
- ほおずきシリーズ(LEDランタン)
- 焚火台
- テーブルウェア・チタンマグカップ
- 住箱
関連子会社[編集]
2019年12月末時点では以下のとおり。
- 株式会社スノーピークウェル
- Snow Peak Korea, Inc.
- 株式会社スノーピークビジネスソリューションズ
- 株式会社スノーピーク地方創生コンサルティング
- 株式会社スノーピーク白馬
- Snow Peak London, Limited.
- Snow Peak USA, Inc.
パートナーシップ[編集]
2018年10月末現在以下のとおり。
- 環境省(国立公園オフィシャルパートナー)
- 燕三条「畑の朝カフェ」
- ZOZOTOWN
- YAMAP(登山情報サイト)
- コンサベーション・アライアンス・ジャパン
- 一般社団法人フォレストック協会
- TranTixxii(トランティクシー)(日本製鉄-意匠性チタンブランド)スノーピークのチタン製アウトドア製品は、全て最高級チタンのTranTixxii(トランティクシー)を使用
メディア[編集]
関連書籍[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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