大型自動車 – Wikipedia
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 大型自動車(おおがたじどうしゃ)とは、日本における自動車の区分のひとつで、車両総重量11,000キログラム (kg) 以上、最大積載量6,500 kg以上、または乗車定員30人以上の、四輪以上の車輛を指す。 大型自動車第一種免許、大型自動車第二種免許(以下それぞれ「大型免許」、「大型第二種免許」と略記)の運転免許でのみ運転することができる。略称は大型。 なお2007年6月2日施行の法令改正により、区分の下限が従来の車両総重量8,000 kg以上、最大積載量5,000 kg以上、または乗車定員11人以上から変更された(詳細は後述)。 道路運送車両法では「四輪以上の、小型自動車より大きい、普通自動車」に分類される。 車体が大きいため普通自動車に比べ機敏な動作が難しく、また車高の高さに伴う死角の大きさなどから、歩行者、特に小さな子供や高齢者の飛び出しなど予測不能な行動には対処しにくいとされる。ホイールベースも長く内輪差が大きい。右左折時には車両内側の物と接触しないか確認が必要である。もちろん普通自動車でも確認は必要だが、内輪差が大きい分より慎重な確認が必要である。 車両前方のオーバーハングが大きいために乗用車ではあり得ない、車両前方を路面からはみ出させる運転操作が可能であり、また必要でもある。運転免許試験場や指定自動車教習所ではこの操作を必ず要求される。実際の路上では多くの場合ガードレールがあるためそれほど頻繁に行なう運転操作ではないが、それでも時に必要ではある。ハンドルを切れば、後輪より前の車体部分がハンドルを切った方向に曲がると同時に、後輪より後ろの車体部分はハンドルを切ったのとは反対の側に振れる。例えば、左折時には後輪より後ろの車体部分は右側に振れ、時として右隣の車線にはみ出る。このことは普通自動車も同様だが、普通自動車ではオーバーハングが短いためにこのことをそれほど意識しなくてもよいのに対し、大型自動車ではオーバーハングが長いために強く意識する必要がある。ボンネットバスのような例外もあるが、現代の大型自動車のほとんどはキャブオーバー形態であるため、操舵輪である前輪はトラックでは運転者のほぼ真下、バスでは後方にある。そのため運転者から見たハンドルを切り始めるタイミングは普通自動車に比べ、かなり遅くなる。 後二軸の車両では、旋回時にも後輪は直進を続けようとする力が強い。そのため状況によっては前輪が負けてしまってハンドルを切っても切ったようには曲がらない事がある。広さだけから見ればハンドルを大きく切りさえすれば曲がれるはずの角でも、積載・路面・勾配によってはあえてハンドルを少ししか切らずに前後進を繰り返しながら何度かに分けて曲がる必要がある。 大型一種免許を取得すると、営業目的でなければバスの運転もできるようになる。逆に、大型一種を持たない人が大型二種を取得した場合もトラックの運転ができるようになるが、上記のように同じ大型車でもトラックとバスでは運転方法が全く異なるので、一種免許所持者がバスを、二種免許所持者がトラックを運転する場合は、それを理解して運転しなければならない。 ナンバープレートは大板サイズになっている。 免許制度[編集] かつての自動車免許には、大型免許と言う区分は存在せず、普通自動車免許(以下「普通免許」と略記)を持っているだけで大型自動車相当の自動車を運転することができたが[1]、1956年8月1日に大型免許と普通免許に区分され、普通自動車のうち乗車定員11名以上の自動車[疑問点 – ノート]または最大積載量5,000 kg以上の貨物自動車は普通免許で運転することができなくなった。このとき普通免許を所持していた者は第二種運転免許の新設と合わせて大型二種免許に免許区分が変更された[2]。ただし、道路交通取締法施行規則の運転できる自動車の種類では大型自動車ではなく普通自動車のままである。1960年の道路交通法制定時に大型自動車の区分が明記された[3]。
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