ショッピングタウンピア – Wikipedia

ショッピングタウンピアは福井県福井市二の宮に所在していたショッピングセンター。

地元の専門店による地元商業組合法人の協同組合フクイショッピングプラザと、イオン株式会社(現:イオンリテール株式会社=イオンの純粋持株会社移行による)が共同で運営を行っていた。

なお、長野県下伊那郡阿智村に所在する同名の商業施設とは、資本、人材共に無関係である。

1977年(昭和52年)11月23日開店。同年2月設立のいとはんジャスコ[2]による第1号店舗として開店[3]した、専門店による組合と核テナントが同居した日本初のショッピングセンターである。3階建ての建物に約42,000平方メートルの敷地面積を持ち、約60店舗が入居[4]。ジャスコは店舗北側の住関(生活用品)を取り扱うエリアを担当し、食品はユース運営の「ピアフードマート」が店舗南東側に入居する形となっていた。

このように特殊な形態を取った理由としては、当時隆盛を極めていたダイエーの県内進出を阻む動きとも関係していたが[4]、結果的にダイエーの直営店舗が県下に開業することは無かった(しかし、地場系スーパーのヤスサキと提携する形で一応は進出した)。なお、この運営方法は「福井方式」と呼ばれるなど全国的にも注目を浴び、現在多数ある商業施設の中(特に福井県内における)にもこの方式に沿った形態のものが多い[5]

周辺に大型店舗が少なかった関係で商圏は石川県などの広域にまで及び、ピーク時の1992年(平成4年)には売上高が150億円を記録したが[4]、1990年代後半以降は近隣のみでもヤスサキ(パワーシティワイプラザ福井店、1997年〈平成9年〉開店)やフェアモール福井(アピタ福井大和田店、2000年〈平成12年〉開店)が相次いで開店。次第に来店者数が減少していったことから、リニューアルオープンを執り行うという名目で2003年(平成15年)5月12日に一旦閉店する。

しかし、同年7月28日に運営するフクイショッピングプラザが福井地方裁判所へ自己破産を申請した[6]ことによって、リニューアルの予定は全面的に白紙となった。なお、閉店前後にはイオン(当時)との土地売却交渉を行っていると報じられていたものの、交渉が難航していた上、実際にはフクイショッピングプラザ独自での改装は閉店前の段階で断念しており、その後の先行きは不透明であった[5]。また、建設費の返済に充てる目的で入居する組合員から徴収した“建設協力金”の返還訴訟も行われている[5]

その後は県内の12の商業者による「北部商業開発事業協同組合」が設立され、イオンと共同での再建を目指すも、実現されることはなかった。

閉店後[編集]

一時期、東側駐車場が京福バスの駐車場として利用されたことがあった。その他、施設の西側にマンションが建設され、2008年4月には東側駐車場の一部に自動車販売店「Honda Cars福井南二の宮店」がオープンした。

2004年(平成16年)12月22日には、土地全体の約6割(旧・フクイショッピングプラザ所有分)を「コパ(現:エルパ)」を運営するフクイモールが12億3600万円で落札・所有したが[7]、建物の解体について先行きが未定だったことで、2007年(平成19年)4月には運営していたイオンとフクイショッピングプラザに対し、建物の解体と土地の明け渡しを求める訴えを起こす。2008年(平成20年)12月24日に、福井地方裁判所は(イオンの純粋持株会社化に伴う事業移管先の)イオンリテールの責任(一部フクイモールと協同組合福井ショッピングモールが負担)による建物の解体を前提とした和解勧告を出し、2009年(平成21年)4月24日に和解が成立した。

フクイモールは建物解体後の跡地に中規模のショッピングセンター「二の宮マーケットプレイス(仮称)」の開店を検討していたが[8]、上記の明け渡しに関する問題から計画は頓挫し、2010年(平成22年)6月10日には同社所有分の土地を県内の不動産会社へ売却。同日にドラッグストアチェーン・ゲンキーが土地の賃貸借契約締結を発表し、2011年(平成23年)5月26日に店舗をオープンさせた。

これ以降、イオンは福井県への出店を行っていなかったが、2021年7月に「マックスバリュ九頭龍店」を出店して18年ぶりに進出した。12月までに5店舗を出店したが、いずれも他の業態に併設されている。

南東側(正面入口)吹き抜けの様子(2001年)
  • 1976年(昭和51年)2月23日 – 協同組合フクイショッピングプラザ設立。
  • 1977年(昭和52年)11月23日 – ショッピングタウンピア開業。
  • 2000年(平成12年)5月1日 – ジャスコピア店の閉店時間を20:00から23:00に繰り下げ。
  • 2003年(平成15年)
    • 5月12日 – ショッピングタウンピア閉店。
    • 7月28日 – フクイショッピングプラザが自己破産を申請。
  • 2005年(平成17年)5月11日 – 建物西側部分のみが解体される。
  • 2008年(平成20年)6月 – 建物上部にあった「ピア」の看板(巨大広告塔)のみが撤去される。
  • 2009年(平成21年)4月24日 – 残った建物を解体することで和解成立。
    • 6月10日 – 旧・フクイショッピングプラザ所有分の土地を県内不動産会社へ売却。
    • 10月30日 – 建物解体完了。