上海市 – Wikipedia
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中華人民共和国 上海市 | |
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上から時計回り: 外灘から望む浦東陸家嘴地区、豫園、上海国際博覧会、南京路、外灘の夜景 |
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略称:滬 | |
別称:申 | |
中華人民共和国中の上海市の位置 |
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中心座標 北緯31度10分00秒 東経121度29分00秒 / 北緯31.16667度 東経121.48333度 / 31.16667; 121.48333 | |
簡体字 | 上海 |
繁体字 | 上海 |
拼音 | Shànghǎi |
カタカナ転写 | 北京官話:シャンハイ、呉語・上海語:ザォンヘー |
滬拼 | Zaon3 he2 |
国家 | |
行政級別 | 直轄市 |
設立 | 1927年7月7日 |
市委書記 | 李強(党中央政治局委員) |
市長 | 龔正(市委副書記) |
面積 | |
総面積 | 6,340.5 km² |
市区 | 5,299 km² |
海抜 | 4 m |
人口 | |
総人口(2014) | 2419.68 万人 |
経済 | |
GDP(2020) | 6兆5,325億元 |
一人あたりGDP | 149,500元 |
電話番号 | 021 |
郵便番号 | 200000 – 202100 |
ナンバープレート | 滬A, B, D, E, F, G, H, J, K, L, M, N 滬C(郊外) |
行政区画代碼 | 310000 |
市花 | 白玉蘭 |
2017年のHDIは0.92。 | |
公式ウェブサイト: https://www.shanghai.gov.cn/ |
上海市 | |
中国語 | 上海 |
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文字通りの意味 | Shanghai |
上海市(シャンハイし)は、中華人民共和国の直轄市である。
同国の商業・金融・工業・交通などの中心地。強力な世界都市であり、英国のシンクタンクZ/Yenグループが2021年3月に発表した世界金融センターランキングによると、ニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界3位[1]。アメリカのシンクタンクが2021年に発表した総合的な世界都市ランキングにおいて、世界10位の都市と評価された[2]。
2012年6月時点の常住人口は2,400万人を超え[3]、市内総生産は2兆3,560億元(約45兆円)である[4]。中華人民共和国国務院により国家中心都市の一つに指定されている。
中国語表記は中国語: 上海市、拼音: (
中国の戦国時代、今の上海あたりは春申君の封地だったため、今も古称として申(しん:シェン)と称することがある。また略称として滬(簡体字: 沪/こ:フー)又は「滬瀆(ことく)(簡体字: 沪渎」とも呼ばれる[5][6]。これは、上海市の北東を流れる呉淞江(蘇州河)の下流部分の呼称である[7][注 2]。「沪」の文字は、上海市の自動車のナンバープレートの識別記号として使われている。
上海の地名は、11世紀の宋時代に始まる。「上海」の字義については論争があったが、中国の歴史家は唐時代には現在の上海地区は海下にあって、その後の陸化によって文字通り「海の上」に土地が出現したことによると結論している[8]。
長江河口南岸に位置し、河口島である崇明島、長興島、横沙島などを含む。北部から東部は江蘇省・西南部は浙江省と接する。東は東シナ海(東海)に面する。市街地は、長江の支流である黄浦江を遡ったところにある。黄浦江の河口は呉淞口と称した港があり、崇明島などの島や市外への航行に用いられている。
気候[編集]
ケッペンの気候区分では温暖湿潤気候 (Cfa) に属し、年間平均気温は17℃。1月の平均気温は5.1℃と鹿児島県と同緯度の割には寒冷であり、曇りの日が多いため、日中でも10度以下、朝晩は氷点下まで下がることもある。降雪は年に1~2日程度あり、数年に一度は積雪(数cm程度)に見舞われるが、例年あまり見られない。梅雨は約20日間あり、例年7月10日前後には梅雨明けする。7月から8月にかけては高温多湿となり、7月の平均気温は28.6℃、日中猛暑日(35度以上)となる日は年間平均で8.7日に達する。平均最低気温も25.8度に達するなど暑さが厳しく、熱帯夜の日が続くなど非常に過ごしにくい。
最高気温極値は40.8℃(2013年8月7日)、最低気温極値は-12.1℃(1893年1月13日)[9]である。
上海市(徐家匯)(1981〜2010年平均、極値1951〜2013年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 22.1 (71.8) |
27.0 (80.6) |
29.6 (85.3) |
34.3 (93.7) |
35.5 (95.9) |
38.4 (101.1) |
40.9 (105.6) |
40.8 (105.4) |
38.2 (100.8) |
34.0 (93.2) |
28.7 (83.7) |
23.4 (74.1) |
40.9 (105.6) |
平均最高気温 °C (°F) | 8.6 (47.5) |
10.1 (50.2) |
13.9 (57) |
19.9 (67.8) |
25.2 (77.4) |
28.2 (82.8) |
32.6 (90.7) |
32.0 (89.6) |
28.1 (82.6) |
23.3 (73.9) |
17.5 (63.5) |
11.3 (52.3) |
20.8 (69.4) |
日平均気温 °C (°F) | 5.1 (41.2) |
6.4 (43.5) |
9.8 (49.6) |
15.3 (59.5) |
20.7 (69.3) |
24.4 (75.9) |
28.6 (83.5) |
28.3 (82.9) |
24.6 (76.3) |
19.5 (67.1) |
13.5 (56.3) |
7.4 (45.3) |
17.0 (62.6) |
平均最低気温 °C (°F) | 1.9 (35.4) |
3.4 (38.1) |
6.7 (44.1) |
11.8 (53.2) |
17.1 (62.8) |
21.5 (70.7) |
25.7 (78.3) |
25.6 (78.1) |
21.8 (71.2) |
16.3 (61.3) |
10.3 (50.5) |
4.1 (39.4) |
14.1 (57.4) |
最低気温記録 °C (°F) | −10.1 (13.8) |
−7.9 (17.8) |
−5.4 (22.3) |
−0.5 (31.1) |
6.9 (44.4) |
12.3 (54.1) |
16.3 (61.3) |
18.8 (65.8) |
10.8 (51.4) |
1.7 (35.1) |
−4.2 (24.4) |
−8.5 (16.7) |
−10.1 (13.8) |
降水量 mm (inch) | 62.0 (2.441) |
61.5 (2.421) |
104.7 (4.122) |
87.2 (3.433) |
97.5 (3.839) |
187.8 (7.394) |
165.9 (6.531) |
198.3 (7.807) |
133.1 (5.24) |
62.9 (2.476) |
58.3 (2.295) |
40.1 (1.579) |
1,259.3 (49.579) |
平均降水日数 | 9.9 | 9.2 | 12.4 | 11.2 | 10.4 | 12.7 | 11.4 | 12.3 | 9.1 | 6.9 | 7.6 | 7.7 | 120.8 |
% 湿度 | 74 | 73 | 73 | 72 | 72 | 79 | 77 | 78 | 75 | 72 | 72 | 71 | 74 |
平均月間日照時間 | 114.3 | 119.9 | 128.5 | 148.5 | 169.8 | 130.9 | 190.8 | 185.7 | 167.5 | 161.4 | 131.1 | 127.4 | 1,775.8 |
出典:中国气象局 国家气象信息中心 2014-01-01
注:上海国际交换站,1951-1955年在徐家汇,1956-1990年在龙华,1991年起在宝山 |
地名の特徴[編集]
上海は長江デルタの河口域にあるため、地名には浦、涇、漕、蕩、浜、橋など水に関連する漢字がよく用いられる。
行政区画[編集]
上海市は16の区に区分されている[10]。なお、浦東新区は副省級市轄区(地級行政区レベル)に指定され、大幅な自主権が与えられている。
- 黄浦区(ホアンプゥ) – 2011年に黄浦区と盧湾区が合併。市人民政府や外灘が所在する上海中心部。旧黄浦区は旧イギリス上海租界で、20世紀からの金融や貿易の中心地区である。旧盧湾区は旧上海フランス租界、江南造船廠の所在地で、中国近代工業の発祥地である。中華イージスの蘭州級駆逐艦もここで建造された。
- 徐匯区(徐汇区/シューホィ) – 上海市でもっとも豊かな地域である。上海交通大学、中国科学院上海分院、中国航天院上海分院、上海映画撮影所など、数々のハイテク研究所、医療機関、大学などがある。戦前の資本家や著名人たちの旧居が多く残っている。衡山路周辺にはしゃれた飲食店も多い。上海軌道交通徐家匯駅周辺は近年オフィスビルや百貨店が増加し、発展が目覚ましい。
- 長寧区(长宁区/チャンニン) – 西にある天山新村は、かつての紡織労働者の団地である。改革開放後に設けられた虹橋新区は外国企業の事務所が多いビジネス地区となっている。日本を含む各国の領事館も区内に点在し、多くの外国人が古北新区などに住んでいる。上海市内で日本人駐在者が一番多い地域でもある。
- 静安区(ジンアン) – 中心部にある区で、静安寺があることに因む。第二次世界大戦以前の高級マンションが今も残っている。また、1990年代に移転した現上海駅がある。
- 普陀区(プゥトゥオ) – 市の西北部にある。かつての紡織労働者の団地も多い。江沢民も上海市市長になる前に区内の曹楊新村に住んでいたことがある。
- 虹口区(ホンコウ) – 第二次世界大戦前は日本の租界で、当時「小東京」と呼ばれた。横浜橋、西本願寺などの史跡が残り、魯迅公園がある。
- 楊浦区(杨浦区/ヤンプゥ) – 旧アメリカ合衆国租界で、上海楊樹浦発電所、上海電表廠、上海光機所、上海柴油機廠などの所在地。市中心部の区としては面積がいちばん広く、人口も120万人と最多である。区内には復旦大学、同済大学、上海理工大学、上海海洋大学(元・水産学院)、上海電力学院など大学が多い。2010年1月10日に区として「国家イノベーションモデル・パイロット都市」の名誉を獲得した。これは“工業の楊浦”から“知識の楊浦”へと転換が済んだことを意味する。だが、依然重工業の町でもある。
- 浦東新区(浦东新区/プゥドンしんく) – 楊浦区、黄浦区、南市区と盧湾区の浦東部分と上海県の三林塘部分と川沙県が1992年に合併し、副省級市に昇格した。2009年には南匯区と合併した。経済特区として金融、IT産業、電子、化学などの工場・オフィス誘致が進み、あわせて上海浦東国際空港や上海トランスラピッドも建設され、上海の新しい玄関となった。これに伴って、外国人も古北小区などから区内の聯洋小区に移る例が多い。中華民国総統・孫文の妻宋慶齢と、青幇のボス杜月笙の実家がある。区内の滬東造船廠で、江凱型フリゲートと071型揚陸艦が建造された。082型空母は区内の外高橋造船廠で建造する予定。
- 宝山区(バオシャン) – 1988年に呉淞区と宝山県が合併。日本の技術協力を得た宝山鋼鉄の所在地である。
- 閔行区(闵行区/ミンハン) – 1992年に閔行区と上海県が合併。多くの外国企業の工場や国産の精密機器、ロケットと人工衛星の製造工場がある。
- 嘉定区(ジァーディン) – 旧嘉定県が1992年に改称。光学研究所などの研究機関やトヨタ自動車、ゼネラルモーターズ、フォルクスワーゲンなどの自動車工場がある。また2004年6月には上海国際賽車場(上海インターナショナルサーキット)が完成し、フォーミュラ1中国グランプリやロードレース世界選手権中国グランプリなどの国際的大レースが開催されている。
- 金山区(ジンシャン) – 旧金山県が1997年に改称。金山石化総廠の所在地である。1937年旧日本軍が金山沖に上陸した。
- 松江区(ソンジャン) – 旧松江県が1998年に改称。市街地の西約20kmの位置にあり、海鴎がここにある。上海影視楽園も有名。区内の佘山(シェーシャン、標高97メートル)は上海市内の陸地で一番高い山で、頂上には東アジア一を誇るキリスト教会が建てられている。上海市天文台も頂上にある。男子ゴルフ世界選手権シリーズのHSBCチャンピオンズは毎年区内の「佘山国際ゴルフクラブ」で行う。
- 青浦区(チンプゥ) – 旧青浦県が1999年に改称。機械製造、金属加工などが盛ん。西にある淀山湖は黄浦江の水源であり、上海の水道水の水源池でもある。湖畔には紅楼夢の大観園を再現したテーマパークもある。
- 奉賢区(奉贤区/フォンシェン) – 旧奉賢県が2001年に改称。市街地の南に位置し、スイカなど農産物の産地。近年、海水浴場ができて観光業にも力を入れている。
- 崇明区(チョンミン) – 旧崇明県が2016年6月に改称。長江河口の巨大な中洲である崇明島の大部分を占める。島の北の一部は江蘇省に属す。中国第三の島で、崇明老黒皮スイカ、長興島温州ミカンや中国モクズガニの養殖が有名。江南造船廠が区内の長興島へ移転した。2009年10月31日、総工費1638億円の上海長江トンネル・大橋の開通により、島へのアクセスが大幅改善された。
上海市の中心部は以上の行政区とは別に、黄浦江を境に2つの部分でも分けられている。
- 浦東 – 黄浦江の東側にあるためそう呼ばれる。1991年の開発開始までは水田が広がる土地であり、市街地への交通の便も非常に悪く、上海には「寧要浦西一張床、不要浦東一間房」(浦西のベッド一つの方が浦東の一部屋よりまし)という俗諺もあった。
- 浦西 – 黄浦江の西側部分で、豫園を中心とした旧市街や、旧租界時代からの金融、商業の町が含まれる。旧イギリス租界、フランス租界の資本家、政治家、外国人によって建てられた洋館が多く残るため。
区 | 地域 | 街道、鎮 |
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黄浦区 | 浦西 | 南京東路街道、外灘街道、半淞園路街道、小東門街道、豫園街道、老西門街道、五里橋街道、打浦橋街道、淮海中路街道、瑞金二路街道 |
徐匯区 | 浦西 | 天平路街道、湖南路街道、斜土路街道、楓林路街道、長橋街道、田林街道、虹梅路街道、康健新村街道、徐家匯街道、凌雲路街道、竜華街道、漕河涇街道、華涇鎮 |
長寧区 | 浦西 | 華陽路街道、江蘇路街道、新華路街道、周家橋街道、天山路街道、仙霞新村街道、虹橋街道、程家橋街道、北新涇街道、新涇鎮 |
静安区 | 浦西 | 江寧路街道、石門二路街道、南京西路街道、静安寺街道、曹家渡街道、天目西路街道、北站街道、宝山路街道、共和新路街道、大寧路街道、彭浦新村街道、臨汾路街道、芷江西路街道、彭浦鎮 |
普陀区 | 浦西 | 曹楊新村街道、長風新村街道、長寿路街道、甘泉路街道、石泉路街道、宜川路街道、万里街道、真如鎮街道、長征鎮、桃浦鎮 |
虹口区 | 浦西 | 欧陽路街道、曲陽路街道、広中路街道、嘉興路街道、涼城新村街道、四川北路街道、北外灘街道、江湾鎮街道 |
楊浦区 | 浦西 | 定海路街道、平涼路街道、江浦路街道、四平路街道、控江路街道、長白新村街道、延吉新村街道、殷行街道、大橋街道、五角場街道、新江湾城街道、長海路街道 |
浦東新区 | 浦東 | 濰坊新村街道、陸家嘴街道、周家渡街道、塘橋街道、上鋼新村街道、南碼頭路街道、滬東新村街道、金楊新村街道、洋涇街道、浦興路街道、東明路街道、花木街道、川沙新鎮、高橋鎮、北蔡鎮、合慶鎮、唐鎮、曹路鎮、金橋鎮、高行鎮、高東鎮、張江鎮、三林鎮、恵南鎮、周浦鎮、新場鎮、大団鎮、康橋鎮、航頭鎮、祝橋鎮、泥城鎮、宣橋鎮、書院鎮、万祥鎮、老港鎮、南匯新城鎮 |
宝山区 | 市郊 | 友誼路街道、呉淞街道、張廟街道、羅店鎮、大場鎮、楊行鎮、月浦鎮、羅涇鎮、顧村鎮、高境鎮、廟行鎮、淞南鎮 |
閔行区 | 市郊 | 江川路街道、古美街道、新虹街道、浦錦街道、莘荘鎮、七宝鎮、顓橋鎮、華漕鎮、虹橋鎮、梅隴鎮、呉涇鎮、馬橋鎮、浦江鎮 |
嘉定区 | 郊区 | 新成路街道、真新街道、嘉定鎮街道、南翔鎮、安亭鎮、馬陸鎮、徐行鎮、華亭鎮、外岡鎮、江橋鎮 |
金山区 | 郊区 | 石化街道、朱涇鎮、楓涇鎮、張堰鎮、亭林鎮、呂巷鎮、廊下鎮、金山衛鎮、漕涇鎮、山陽鎮 |
松江区 | 郊区 | 岳陽街道、永豊街道、方松街道、中山街道、広富林街道、九里亭街道、泗涇鎮、佘山鎮、車墩鎮、新橋鎮、洞涇鎮、九亭鎮、泖港鎮、石湖蕩鎮、新浜鎮、葉榭鎮、小崑山鎮 |
青浦区 | 郊区 | 夏陽街道、盈浦街道、香花橋街道、朱家角鎮、練塘鎮、金沢鎮、趙巷鎮、徐涇鎮、華新鎮、重固鎮、白鶴鎮 |
奉賢区 | 郊区 | 西渡街道、奉浦街道、金海街道、南橋鎮、奉城鎮、荘行鎮、金匯鎮、四団鎮、青村鎮、柘林鎮、海湾鎮 |
崇明区 | 郊区 | 城橋鎮、堡鎮、新河鎮、廟鎮、竪新鎮、向化鎮、三星鎮、港沿鎮、中興鎮、陳家鎮、緑華鎮、港西鎮、建設鎮、新海鎮、東平鎮、長興鎮、新村郷、横沙郷 |
飛地[編集]
上海市域外の江蘇省と安徽省に、上海市飛地がいくつか存在する。以下の各地域の住民(中国人犯罪者を除く)は上海戸籍を有する。日常会話は上海語。
- 上海梅山冶金基地 – 江蘇省南京市付近。上海鉄鋼生産基地のひとつである。1968年設立。
- 上海市大屯炭鉱 – 江蘇省沛県付近。245平方キロ、1970年設立、上海市内の発電所と錬鉄工場に石炭を供給する。2001年8月に上海証券取引所に上場した。
- 上海大豊農場 – 江蘇省塩城地域。3つの農場があり、合計307平方キロ、1950年設立。上海市の米の12%、豚肉の8%、水産物の3%を供給する。文化大革命時代には上海の知識青年と労働教養者(軽犯罪者・政治犯)を監禁していた。
- 上海市軍天湖監獄 – 安徽省宣城市、14平方キロ、1962年設立。刑期5年以下の者を監禁する場所。
- 上海市白茅嶺監獄 – 安徽省広徳地域、40.5平方キロ、1956年設立。上海で刑事犯罪を犯した者を監禁する場所。上海で発見された不発弾をここで処分する。
年表[編集]
上海の地は古代の周の時代に始まり、秦・新・漢以降は、東呉、晋、宋、南斉、梁、陳、隋の時代を経て、唐代には華亭県の一部だったが、蘇州河の南に上海浦という村ができ、宋代には上海鎮とよばれるようになった。これに対し黄浦江下流の現虹口区あたりには下海廟も存在した。元代には上海に市舶提挙司が置かれ港町として発展し始めた。1292年に上海県となったが、それ以前は華亭県に属した。
清代のアヘン戦争を終結させた1842年の南京条約により、上海は条約港として開港した。これを契機としてイギリスやフランス、アメリカ合衆国などの上海租界が形成され、日本も租界を開き、虹口区は「小東京」と呼ばれた。1865年に香港上海銀行が設立されたことを先駆として、欧米の金融機関が本格的に上海進出を推進した。1871年には、香港-上海-日本の長崎を結ぶ海底電信ケーブルを大北電信会社が敷設したことから、上海租界は北京より逸早く電信ネットワークに組み込まれ、国際電信が可能となった。1873年には、日本の岩倉使節団が帰路に上海に立ち寄り、当時の上海の様子を「米欧回覧実記」に記している[11]。上海共同租界は各国によって構成された独自の警察力・軍事力(上海共同租界工部局警務処と万国商団)を保有した。
日清戦争の後、外国企業を中心に全般的投資ブームが起こった。下関条約で工業企業権が諸外国に与えられ、工場建設が促進された。1896年に露清銀行が出店した。1897年末に香港上海銀行の株価は176%のプレミアムを記録した。1899年インドシナ銀行が進出してきた[12]。上海は英領香港の高税率に対して課税が緩く、また租界も用意されたので、香港のユダヤ資本が上海に向かって全面的に移転し、たとえばサスーン家などのセファルディ系ユダヤ人グループが第一次世界大戦後に全盛を極めた[13]。
1920年代から1930年代にかけて、上海は中国最大の都市として発展し、イギリス系金融機関の香港上海銀行を中心に中国金融の中心となった。上海は「魔都」あるいは「東洋のパリ」とも呼ばれ、ナイトクラブ・ショービジネスが繁栄した。こうした上海の繁栄は、民族資本家(浙江財閥など)の台頭をもたらし、階級闘争的な労働運動が盛んになっていた。
1925年に上海から始まった五・三〇事件は、中国における大規模な民族運動とされるが、同時に社会主義的労働運動の台頭を示した事態であった。こうした状況を懸念した浙江財閥は、蒋介石と提携し反共クーデター(上海クーデター)を決行させた。なお、中華民国の下で1927年に上海特別市となり、1930年5月、上海直轄市が成立している。
1932年には、上海日本人僧侶襲撃事件などを原因に第一次上海事変が起きた。1935年には、中山水兵射殺事件や日本人が経営する商店が襲撃される事件が起きた[14]。1937年には、大山中尉殺害事件後に第二次上海事変が勃発した。中国軍機の爆撃を受けた上海共同租界では多くの市民が犠牲となったが、日本軍によって上海共同租界への中国軍の侵攻は阻止された。1941年には、太平洋戦争の勃発と共に上海共同租界は日本軍に接収された。1949年の中華人民共和国成立により、外国資本は香港に撤収したが、1950年代から1960年代にかけては工業都市として発展した。
1978年の改革開放政策により、再び外国資本が流入して目覚ましい発展をもたらし、上海市指導部から江沢民、朱鎔基、呉邦国、曽慶紅、黄菊ら中国共産党の政治局常務委員などの指導部を輩出した(上海閥)。
1992年以降本格的に開発された浦東新区が牽引役となって高度経済成長を続け、2010年には世界189カ国が参加した史上最大の国際博覧会である上海万博を開催して国際都市としての上海は復活を遂げた。
人口動態[編集]
2012年6月末の常住人口は2,433.4万人、このうち上海戸籍人口が1,451.1万人、外来人口が982.3万人となっている。上海市人民政治協商会議の統計によると、ここ10年間、平均で約66万人上海市の人口は増え続けている。
2012年末の男性平均寿命80.18歳、女性平均寿命84.67歳、戸籍人口平均寿命82.41歳。2012年には60歳以上の高齢者の人口比率が17%となっている。100歳以上の老人が1,251名、最高齢者は114歳。現在上海市家庭総数の61.06%に当たる305万世帯が一人っ子家庭である。高齢化と少子化問題は、市政府にとって大きな課題となっている。近年、中国の優秀人材に上海の戸籍を発給(いわゆる“新上海人”)したり、上海人に2人の子を産む許可を出すなどの人口政策を打ち出している。
計画生育政策[編集]
2016年1月1日から、中華人民共和国で「全面二人っ子政策」(簡体字中国語:全面二孩政策)が正式に施行された[15]。2016年に新しく修正された「上海市人口と計画生育条例」によると、夫・妻の中の一人、若しくは二人ともが上海の戸籍を持つ場合は、上海の政策が適用される。法律に則って結婚している夫婦は、国で定めた結婚休暇の日数以外、さらに7日が付与される。また、子供を産んだ妻は、国で定めた産休の日数以外、さらに30日の育休が付与される。夫の方は10日の配偶者出産休暇が付与され、休み中の賃金は全額支給される。
上海の戸籍を持つ公民は、2016年1月1日以降に子供を出産した場合、上海市の計画生育家庭特別扶助制度が適用されなくなる。2015年12月31日以前に子供を出産し、且つ計画生育家庭特別扶助制度の条件を満たす上海戸籍を持つ公民は、引続きその扶助金が支給される[16]。
「全面二人っ子政策」に関して注意すべきなのは、特殊な状況を除き、初めての出産が多胎出産である場合は、その後の出産は認めないという点である[17]。この政策は、二回産むことではなく、二人の子供を産むことを強調しているのである。
上海人の構成[編集]
上海の原住民は松江周辺に居住していた。元の時代には上海県ができた。1840年のアヘン戦争以後経済が急速に発展し、近隣の地方から次々に移民が入ってきた。現在の上海人の8割以上は、北の江蘇省と南の浙江省からの移民である。特に江蘇省長江の南部と浙江省北部の江南からの出身者が上海人の半分以上を占める。これが上海の文化にも大きな影響を与えている。上海語は寧波市・蘇州市と上海本地語の集合である。商売に長けた江蘇人と政治に敏感な浙江人が近代上海の歴史を作ってきた。
近年、日本も長江デルタに進出、蘇州市・無錫市に工場が建てられている。部品調達、製品流通販売のため、港町の上海に事務所や子会社を設けるケースが多い。今、上海に常駐する日本人は約4万8,000人と、上海にいる外国人のなかで最も多い。上海と、隣接する江蘇・浙江を加えると、出張と観光あわせて10万人近い日本人がいるといわれる。海外一の規模の日本人コミュニティーも形成されている。
上海は、中国で経済的に最も豊かな地方であるため、上海人はねたみもあってか、他地域では嫌われていることが多いとの意見がある。上海人のステレオタイプとして、横暴で傲慢、わがままというものがある[18]。
在留日本人[編集]
戦前から多くの日本人が住む上海には2015年現在、9,962社の日系企業が進出、46,115人の日本人が住み、海外で3か月以上留まって暮らす長期滞在の日本人が多い都市として、タイのバンコクに次ぎ、2番目となっている[19]。短期滞在者を含めると10万人以上の日本人が滞在しているといわれる。日本総領事館や日本人学校などもあり、日本料理店をはじめ、日本人向けの店も多い。
上海人の姓[編集]
上海人の姓(苗字)は多い順に、張、王、陳、李、朱、徐、周、沈、呉、陸である。沈と陸が上海特有の姓、それ以外は中国人姓の20位以内に数えられる。近隣の江蘇省、浙江省の姓ランキングも上海とほぼ同じである。
戸籍問題[編集]
中国は人口問題を抱えるため、農村と地方都市の人は自由に大都市に移住することができない。それにもかかわらず、近年の経済発展に伴って多くの出稼ぎ労働者が中国各地から上海に来て仕事をしている。その数約660万人以上といわれるが、正確な数字の把握は難しい。出稼ぎ労働者の出身地はいずれも普通語を使う四川省、江蘇省蘇北、安徽省、東北地方の者が多い。出稼ぎ労働者は上海を建設すると同時に、大きな社会問題と治安問題をも招いている。公安機関の統計によれば、上海市の75%以上の強盗、殺人、暴行などの悪質な犯罪は市外の中国人により発生している[20]。
したがって、上海では北京市と並び、中国大陸において最も厳しい戸籍政策がとられている。しかし大都市の戸籍を持つ人には様々な特権がある。例えば、親が上海戸籍を持つ者なら、子供が生まれたとき区の社会保険局から15万円から数十万円までの援助金を得ることができる。戸籍を持つ子供は優先的に幼稚園、小学校、中学校に進学できる。一方、上海戸籍を持たない者は、上海の大学受験に参加できない[21]。また、一部の悪質な会社は、上海戸籍を持たない社員に住宅積立金、年金を支払わないケースもある。このような戸籍問題に関するトラブルは絶えない。
中国は都市と地方の格差が激しいため、日本やアメリカ合衆国などの外国への観光査証発行は、上海や北京など沿岸経済発展地域の戸籍を持つ者が優待される[22]。
普通話。学校や公式な場面で使われている。
上海語。上海語は呉語を代表する方言である。本来文字はなかったが、音に近い漢字が当てられた。上海語の中にも方言があり、浦東・青浦地域に存在する。崇明島ではまた違った言語が話されるが、上海語に近い。上海には周囲の江蘇省・浙江省から多くの労働者が出稼ぎに来たため、彼らの多くが今も住む上海駅周辺では上海語とは異なる言語である「蘇北語」が話されている。普通話と上海語とはまったく通じないが、普通話の教育が中国全土で行われているため、大抵の上海人が普通話を使用することができる。
上海語で放送されるテレビ番組や上海語で上演される戯曲などがある。中国で上海語の学習書なども出版されている。
中国最大の経済都市である。2014年の市内総生産は2兆3,560億元であり、北京市を凌ぎ同国第1位である[23]。2014年の上海都市圏の総生産は5647億ドルであり、世界8位の経済規模を有する[24]。アジアでは東京都市圏、ソウル都市圏、大阪都市圏に次ぐ第4位である。
また、日本経済研究センターは、2035年にはニューヨーク、東京、ロサンゼルスに次ぐ世界第4位の経済規模に成長すると予測している[25]。
2020年9月の調査によると、上海は世界3位の金融センターであり、東京や香港を抑えて初めてアジア首位に立った[26]。
2015年に上海市が公表した統計によると、2014年における労働者の平均賃金は年65,412元(約126万円)であり、月平均5,451元(約10.5万円)である[27]。また、2015年の上海市の最低賃金基準は、月給の場合2,020元(約3.9万円)であり、時給の場合18元(約347円)である。第三次産業の中でも、とりわけ金融産業に従事している労働者の平均賃金が高く、2011年現在、年167,173元(約284万円)となっている。一方、農業など第一次産業に従事している労働者の平均賃金は2011年現在、年31,765元(約54万円)、第二次産業に従事している労働者の平均賃金は、年44,598元(約76万円)、第三次産業に従事している労働者の平均賃金は、年60,341元(約103万円)である[28]。
上海市の主要交通手段はバス、自転車、船であったが、2000年代からはトロリーバス、地下鉄網、タクシー、電動スクーター、高速道路網をも活用した自動車などが主な交通手段となる。鉄道は国鉄以外では上海軌道交通が一手を担っている。
自動車[編集]
タクシー[編集]
大手のタクシー会社は、スーツを着用していたり、一流ホテルで客待ちできたりするので識別するのは可能である。わざと遠回りして標準価格より2倍以上請求した事実が発覚した場合、その運転手は永久にタクシーライセンスを剥奪される。
自家用車[編集]
自動車の急激な台数増加を抑制するため、自動車の所有は限定発行されるナンバープレートを競売で入手することが前提となっている。2018年頃のナンバープレートの落札額は9万元を超えることもあり、車両本体価格よりもナンバー代の方が高くなる可能性もある[29]。上海市外のナンバープレートを調達する回避策もあったが、市外ナンバーの走行禁止時間帯が設定されるなど規制は厳しくなっている[30]。
鉄道[編集]
上海万博のマスコット『海宝(ハイバオ)』
上海市の地下鉄路線図(2021年)
上海は中国東部の鉄道中枢上海鉄路局の所在地である。1876年7月3日に開通した呉淞鉄道は中国で初めての鉄道であり、一度撤去された後、淞滬鉄道として再建された。北方面の京滬線と南方面の滬昆線の始発駅。2007年1月28日より中国高速鉄道CRH2型電車の営業運転を開始した。
- 中国国鉄の駅
- 駅舎は2010年の上海万博にあわせて大規模な改装とホーム屋根の改築を行った。一等車待合室には中国語・英語・日本語の電子掲示板サービスが提供される。
- 上海軌道交通(上海地铁)
- 上海軌道交通1号線は1995年開通、以後拡張を続けている。こちらも上海万博にあわせて大幅な延伸が行われ、近年は青浦、南匯といった郊外地域まで相次いで開業している。2018年1月現在、総延長は637kmに達した。2020年ごろには21路線・総延長約980kmに達する予定である。
- 上海トランスラピッド(上海磁浮列车)
- 浦東国際空港と上海軌道交通2号線竜陽路駅の間に実用型リニアモーターカーが開通し、世界で初めて超高速運転を行っている。世界で3番目に開業した磁気浮上式鉄道の常設実用線である。杭州市までの延伸計画を検討中。
- 滬寧都市間鉄道(沪宁城际线)
- 南京駅と上海駅および上海虹橋駅の間に2010年7月1日に開通した。
- 京滬高速鉄道(京沪高速铁路)
- 北京南駅と上海虹橋駅の間に2011年6月30日に開通した[31]。
交通カード[編集]
市内のほとんどの公共交通機関において上海公共交通カードを利用できる。
空港[編集]
民用空港[編集]
上海虹橋国際空港
上海浦東国際空港
上海には、西郊外の長寧区にある上海虹橋国際空港と、浦東新区にある上海浦東国際空港の2つの空港があり、共に中国東方航空や上海航空、春秋航空のハブ空港の役目を担っている。
国際線は2002年10月以降浦東国際空港に集約され、虹橋国際空港を発着する国際線の便はなかったが、2007年9月29日に東京・東京国際空港との間で1日4往復の定期チャーター便、同年10月28日にソウル・金浦国際空港便が就航した。
浦東国際空港へのアクセスとして、上海軌道交通2号線のほか、上海トランスラピッドが供用されている。
軍用の空港[編集]
高速道路[編集]
1988年10月31日に開通した滬嘉高速道路は中国で初めての高速道路である。A20(外環線)以内の高速道路、A1(迎賓大道)、大型橋、トンネル等は無料であるが、時間帯によって上海以外のナンバープレートをつけた自動車の流入が規制される。2008年11月から長江デルタ地域ETCの全面導入に伴う高速道路料金システムは電子化された。交通管理は全国で最も厳しいといわれる。市内いたるところに監視カメラが設置され、交通違反した車は上海市境の高速道路料金所で累計した罰金を科せられる。
- 市内スカイウェイ
- 延安高架路
- 内環高架路
- 南北高架路
- 逸仙高架路
- 滬閔高架路
- 中環高架路
- 市域高速道路
- S1(迎賓大道)
- S2(滬芦高速道路)
- S3 (滬奉高速道路)
- S4(滬金高速道路)
- G15(嘉金高速道路)
- S19(新衛高速道路)
- S36(亭楓高速道路)
- G60(滬杭高速道路上海部分)
- G50(滬青平高速道路)
- G2(滬寧高速道路上海部分)
- G2/G42(滬嘉高速道路、滬嘉瀏高速道路)
- G40(滬祟蘇高速道路、建設中)
- S32(浦東国際空港高速道路)
- S26(滬常高速道路上海部分)
- S20(外環線)
- G1501(郊環線)
- 国道
- G204国道
- G312国道
- G318国道
- G320国道
- トンネル
- 上海長江トンネル・大橋(揚子江、鉄道と車)
- 打浦路トンネル
- 延安東路トンネル
- 大連路トンネル
- 上中路トンネル
- 外環トンネル
- 翔殷路トンネル
- 復興東路トンネル(黄浦江、車専用)
- 外灘観光トンネル(黄浦江、観光専用)
- 大橋
- 東海大橋(東シナ海、車専用)
- 上海長江トンネル・大橋(揚子江、鉄道と車)
- 奉浦大橋
- 盧浦大橋
- 南浦大橋
- 松浦大橋
- 徐浦大橋
- 楊浦大橋(黄浦江、車専用)
港湾[編集]
上海は中国最大の港湾であるのみならず、コンテナ取扱量ではシンガポールや香港を凌ぎ、世界1位である。
黄浦江の河港として始まった上海は長江沿岸の外高橋地区に重点を移し、さらに取扱量の増加やコンテナ船の大型化を見越して、世界のハブ港湾となる埠頭とコンテナターミナルを外海に面した杭州湾上に建設した。この新港は2005年暮れに洋山深水港として開業した。洋山深水港は上海の南30kmの沖合に浮かび、本土とは東海大橋で結ばれている。
日本との接続[編集]
- 海上航路
神戸港および大阪港と上海を結ぶフェリー「新鑑真号」と大阪港と上海を結ぶ「蘇州号」が就航中。2005年には、山口県下関市と上海を結ぶフェリーが就航(2006年に中国側寄港地は蘇州太倉港に変更)。
1994年に平成の新上海航路を開設し、長崎港と上海を結んだ。初めに海華号(13,481トン)が就航、2年後の1996年3月から旅客定員382人のフェリー長崎上海号(11,008トン)に更新された。航路は日中双方の合弁会社で運航されたが、利用率の低迷により1997年1月から運休となっている。その後、2012年2月にHTBクルーズによる「オーシャンローズ」が就航し、平成の上海航路が一時復活した。しかしこちらも利用者の低迷と日中関係の悪化に伴い同年10月から運休となっている。
- 航空航路 – 2011年現在、下記航空会社が上海と日本各都市との間に就航している。
- 日本航空:成田国際空港・東京国際空港・関西国際空港・中部国際空港
- 全日本空輸:成田・羽田・関西・名古屋
- 中国国際航空(中国国际航空):成田・関西・名古屋・仙台空港・福岡空港
- 中国東方航空(中国东方航空):成田・羽田・関西・名古屋・新千歳空港・福島空港・新潟空港・小松空港・静岡空港・岡山空港・広島空港・松山空港・福岡・長崎空港・鹿児島空港・那覇空港
- 中国南方航空:名古屋・北九州空港
- 上海航空:羽田・関西・富山空港
- デルタ航空:成田
- 春秋航空:茨城空港・高松空港・有明佐賀空港
大学[編集]
日本人学校[編集]
中国語学校[編集]
上海は中国政府が指定する「中華人民共和国国家歴史文化名城」のひとつであり、市内には「中華人民共和国全国重点文物保護単位」が16点存在する。
上海でも近年中国の標準語とされる普通話(北京語)は通用するが、日常会話で使われているのは依然として上海語(上海方言)であり、テレビ・ラジオ放送でも上海語の番組が存在する。上海語は呉語(呉方言)の代表的なものである。上海語を使って演じる伝統劇の「滬劇」があるほか、近年は若者が上海語のラップを歌う例も見られる。但し、他地域同様に幼稚園からの普通話教育と公共場所での普通話の徹底により、上海生まれ上海育ちの若者でも上海語が話せなくなってきている。一部、上海市が対策を講じ始めているが効果には至っていない。
アクロバティックな演技で知られる中国風サーカス(雑技)の「上海雑技団」も有名。上海料理は近接の江蘇省の料理・江蘇料理の影響を受け、これを洗練させたものである。
上海の文化的特徴は、もともと「海派文化」と称される隣接の江蘇省、浙江省地域一帯の伝統的文化・芸術と、1920年代 – 1930年代に西洋から移入された流行文化が混じり合い、現代中国で最も洗練された都市のひとつとなっている。
改革開放政策導入後、上海では多くの大きな文化イベントが開催され、上海大劇院、上海博物館、上海図書館、上海影城など、中国最大規模の文化施設が多く建設された。ヨーロッパ調の上海音楽庁の全面改装後、クラシックのコンサートも多く開催されるようになる。また、国際芸術祭、国際映画祭なども毎年開催されている。2010年5 – 10月には、「より良い都市、より良い生活(城市、让生活更美好;Better City Better Life)」をテーマに国際博覧会が開催された。
建築[編集]
上海には1920年代より多くの西洋様式の建築が残されている。その中でも特に黄浦江に面する川沿いの外灘 (The Bund) は、上海海関、香港上海銀行などが立ち並びヨーロッパ調の風情を感じさせる建築群として知られており、上海のシンボルにもなっている。市内にも多くの西洋建築が点在している。
上海市内においては、1920年代の一般市民の共同住宅である「石庫門」と呼ばれる建築様式も残っており、現在都市化が進むなか貴重な文化資産として、その多くがブティックやレストランとして改築され、保存されている。市内中心部・淮海中路近くの「上海新天地」はその一例である。
一方外灘の対岸にあたる浦東新区には、1994年完成の東方明珠電視塔を始めとして、新しい摩天楼群が立ち並び、そのエキゾチックな景観、発展ぶりには目を見張るものがある。2008年には世界第2位の高さとなる高層ビル、上海環球金融中心(上海ワールドフィナンシャルセンター;別名「上海ヒルズ」、地上492m、階数104階)が完成し、地上474mの高さにある100階の展望台は世界で最も高い展望台となった。さらに2014年には高さ632mの上海中心(上海タワー)が完成した。
上海市には高さ100mを超える超高層ビルが426棟あり、世界でも7番目の高層都市である[32]。
- 黄浦区
- 外灘(外滩)
- 南京東路(南京东路/旧公共租界の「大馬路」)
- 上海第一百貨商店(上海第一百货商店)
- 上海第一食品商店(上海第一食品厂)
- 沐恩堂
- 上海音楽庁(南京大戲院、上海音乐厅)
- 上海大劇院(上海大剧院)
- 上海博物館(上海博物馆)
- 上海美術館(上海美术馆)
- 豫園(豫园)
- 上海城隍廟(上海城隍庙)
- 八仙橋(八仙桥)
- 十六鋪(十六铺)
- 老西門(老西门)
- 上海文廟(文庙/孔子廟)
- 董家渡聖フランシスコ・ザビエル教会(董家渡・天主教堂)
- 乍浦路美食街
- 黄河路美食街
- 淮海中路(旧フランス租界の「霞飛路」)
- 上海新天地(“石庫門”建築を改装した店舗・レストラン・バーが並ぶエリア)
- 中国共産党第一次全国代表大会址紀念館(中共一大会址纪念馆)
- 孫文故居(孙中山故居)
- 張学良故居(张学良故居)
- 梅蘭芳故居(梅兰芳故居)
- 周公館(周公馆/周恩来が中国共産党代表団の上海事務所に使用した洋館)
- ホテルオークラ(旧 フランス倶楽部、上海城市花园大饭店)
- 田子坊
- 8号橋(第八号大桥)
- 壹号美術館(壹号美术馆)
- 徐匯区
- 上海図書館(上海大图书馆)
- 上海体育場(上海八万人体育场)
- 上海体育館、上海大舞台
- 上海遊泳館(上海游泳馆)
- 尚街ロフト(尚街洛夫特 – シャンジエ・ロフト)
- 蔡元培故居
- 蒋介石故居(蒋介石故居)
- 宋慶齢故居(宋庆龄故居)
- 国際礼拝堂(国际礼拜堂)
- 徐家匯天主堂(徐家汇天主教堂)
- 竜華寺(龙华寺)
- 衡山路(旧フランス租界の「貝当路」)
- 上海植物園(上海植物园)
- 錦江楽園(锦江乐园)
- 徐家匯(徐家汇)
- 桂林公園(桂林公园:青幇のボス黄金栄の屋敷)
- 康健園(康健园)
- 徐家匯公園(徐家汇公园:旧EMI敷地)
- 徐光啓墓(徐光启墓)
- 黄道婆墓
- 長寧区
- 静安区
- 静安寺
- 玉仏寺(玉佛寺)
- 同楽坊(同乐坊)
- 南京西路(旧公共租界の「静安寺路」)
- 上海展覧センター(上海展览中心)
- マーラー別荘(马勒别庄:現在はオールドホテル)
- 上海市福利会少年宮
- 呉江路美食街(吴江路美食街)
- 曹家渡
- 普陀区
- 長風公園(长风公园)
- 滬西工人文化宮(泸西工人文化宫)
- 銅川路水産市場(铜川路水产市场)
- 曹家渡
- エム・フィフティーン (M50)
- 閘北区
- 上海鉄道博物館(上海铁路博物馆)
- 上海馬戯城(上海马戏城)
- 大寧霊石公園(大宁灵石公园)
- 閘北公園(闸北公园)
- 虹口区
- 上海虹口足球場
- 四川北路
- 1933老場房(一九三三年屠宰场)
- 上海多倫現代美術館(上海多伦现代美术馆)
- 魯迅公園(鲁迅公园)
- 魯迅故居(鲁迅故居)
- 内山書店(內山书店)
- 金子光晴寓所(金紫光・办公处)
- 七浦路
- 提籃橋(提篮桥)
- 上海郵政博物館(天津・北京についで中国三番目の郵便局)
- 楊浦区
- 浦東新区
- 松江区
- 嘉定区
- 孔廟(嘉定県博物館基本陳列室:嘉定县博物馆基本陈列室)
- 奉賢区
- 海湾国家森林公園
- 碧海金沙
- 青浦区
スポーツ[編集]
- 2004年からフォーミュラ1中国グランプリ、翌2005年からロードレース世界選手権中国グランプリが上海インターナショナルサーキット(上海国際賽車場)にて開催されている。
- 2005年、上海体育館で世界卓球選手権が開催された。また、2004年6月には大相撲公演も行われた。
- 中国サッカー・スーパーリーグのプロチーム「上海申花」、「上海聯城」の本拠地。上海申花のホームスタジアムは、上海虹口足球場。上海聯城のホームスタジアムは、上海浦東源深体育場。2007年から二つのチームが合弁した「上海申花足球倶楽部」になった。また、「上海上港」と「上海申鑫足球倶楽部」も本拠を置く。
- 2008年北京オリンピックのサッカー予選が上海で開催された。
- アジアリーグアイスホッケーに参加しているチャイナドラゴンが2008年より本拠地としている。
- 2009年より男子プロテニス上海マスターズが開催されている。
メディア[編集]
度重なる経営統合により、上海の放送メディアは上海メディアグループ(上海文化広播影視集団、SMG)、大手新聞は上海報業集団(上海ユナイテッドメディアグループ、SUMG)の傘下にほぼ集約された。
テレビ局[編集]
- 1958年10月1日上海電視台開局、1973年10月カラー放送開始。1992年12月上海有線電視台開局。1993年1月上海東方電視台開局。1998年10月上海衛視開局。
2001年、テレビ局の上海電視台、上海東方電視台、上海有線電視台、ラジオ局の上海人民広播電台、上海東方広播電台が合併して上海文広新聞伝媒集団 (SMG) を創設。
2001年12月、SMG傘下にデジタルテレビ局、上海文広互動電視有限公司 (SiTV: Shanghai interactive Television) 設立
2009年10月、上海文広新聞伝媒集団が上海広播電視台・上海東方伝媒集団有限公司 (SMG: Shanghai Media Group) に改組改名。 - 上海のテレビ局は組織改編が頻繁に行われている。
- 上海広播電視台
- SiTV上海文広互動電視有限公司
- SMG以外のテレビ局
- 上海東方電影頻道(2003年開局 上海電影(集団)公司)
- 上海教育電視台(上海市教育委員会)
- 浦東電視台(浦東地区)
- この他に中国中央電視台の1-15、英語Newsチャンネル、HD放送、中国教育電視台、地方局の衛星テレビ、HD放送、専門チャンネルなどがケーブルテレビ局OCN東方有線によって一部有料で視聴可能。
- これらテレビ局の番組表は一部を除き、テレビ週刊誌「上海電視」と、週刊新聞「毎周広播電視」に掲載されている。
ラジオ局[編集]
- 上海人民広播電台
- 東広新聞台
- 五星体育広播
- 第一財経頻率
- 浦江之声
- 上海交通広播
- 東方都市広播
- 上海故事広播
- 上海戯劇曲芸広播
- 動感101
- Love Radio
- 経典947
- (以上SMG傘下)
番組表は、週刊新聞「毎周広播電視 (SHANGHAI RADIO & TV WEEKLY)」に掲載されている。
新聞[編集]
伝統的な主要紙として新民晩報(夕刊紙、1929年9月創刊)、文匯報(朝刊紙、1938年1月創刊)、解放日報(朝刊紙、1949年5月に上海で創刊)が挙げられる。新民晩報社と文匯報社が文匯新民聯合報業集団として1998年7月に経営統合、解放日報社を中心とした解放日報報業集団が2000年10月に発足したのち、両者は2013年10月に「上海報業集団」として再統合した。
「上海市出身の人物一覧」を参照。
国際関係[編集]
友好都市[編集]
- 上海市
- 上海市徐匯区
上海を舞台とした作品[編集]
Category:上海を舞台とした作品を参照。
注釈[編集]
- ^ 英語のshanghaiには動詞として「力づくで船に連れて行く」、転じて「誘拐する」「強制する」の意味もある。これは19世紀に欧米で船員をかき集めるため強制募集隊が組織され、町の若者たちをだまして上海行きの船へ連行したことに由来する。
- ^ 「滬」は、竹を柵状に並べて魚を捕る仕掛けの意である。
出典[編集]
参考文献[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 公式
- 日本政府
- その他
座標: 北緯31度10分00秒 東経121度29分00秒 / 北緯31.16667度 東経121.48333度 / 31.16667; 121.48333 (上海市)
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