イニャツィオ・カシス – Wikipedia

イニャツィオ・カシス(イタリア語: Ignazio Cassisイタリア語発音: [iɲˈɲattsjo ˈkassis]、1961年4月13日 – )は、スイスの政治家。医師。2022年度の連邦大統領[1]。2021年度の連邦副大統領。スイス自由民主党所属で、2017年以来連邦参事を務めている。

ディディエ・ビュルカルテの後任として2017年9月20日、連邦参事に選出され、同年11月1日に外務担当参事として就任した。2021年1月1日、大統領ギー・パルムランのもとで副大統領に就任した[2]

1987年までチューリヒ大学で医学を学んだのち、内科学と公衆衛生学を専攻し、後者で1996年に修士号を取得。1998年にローザンヌ大学から医学博士号を取得した。1996年から2008年まで、ティチーノで医師として勤務し、2008年から2012年までスイス医学協会副会長を務めた[3]

2007年6月4日に国民議会議員に選出され、2017年10月30日まで在職した(スイス自由民主党所属)[4]

2017年、連邦参事のディディエ・ビュルカルテが退任を表明すると、イザベル・モレ(ヴォー州選出国民議会議員)とピエール・モーデ(元ジュネーヴ市長)とともに、その後継候補となった[5]。そのなかでもカシスが最有力と考えられた[5]。9月20日に連邦議会で行われた投票の結果、第二回投票においてカシスが有効票244票のうち125票を獲得し、1848年以来117人目の連邦参事に選出された[6][7][8][9]。議会内の中道右派および右派政党の支持を得ての当選で[9]、ティチーノ州から連邦参事が誕生するのは1999年以来のことであった[8][9]。スイス各紙はおおむね、カシスの選出を好意的に評価した[10][11]

2017年11月1日、連邦参事に就任し、ビュルカルテの後任として外務を担当した[2][12][13]。当選後まもなく、カシスが銃関連の権利擁護団体「プロテル」に入会したと報じられたことから、銃に関する共通政策をめぐって欧州連合 (EU) との関係がこじれることが懸念された[14]。この報道からまもなく、カシスはプロテルやその他の銃関連団体を脱退した[14]

2021年12月8日、スイス連邦議会において2022年度の連邦大統領に197票中156票の賛成票を得て当選した[15]

ティチーノ州セッサ出身。2人の姉と1人の妹がいる[16][17]。政界に入ったのは遅く、40代になってからである[16]

出生時はイタリア国籍だったが、1976年にスイス国籍を取得した際に喪失した。1991年に再びイタリア国籍を得て二重国籍となったが、2017年の連邦参事立候補にともなって放棄している[18]

外部リンク[編集]