丸沼温泉 – Wikipedia

丸沼温泉(まるぬまおんせん)は、群馬県利根郡片品村(旧国上野国)にある温泉である[6]。鎌田温泉、片品温泉、幡谷温泉、丸沼温泉の4つの温泉と共に片品温泉郷を構成している。

  • 源泉:丸沼温泉(1号泉・2号泉)[7]。ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉[8]。無色透明[9]

一軒宿[10]

源泉は丸沼の北岸1kmに湧出口があり、流紋岩の切裂より噴出している[11]。丸沼の底から温泉が噴出しているところもある[12]。文豪の開高健は同ホテルを定宿にしており[13][14][注釈 1]、幸田露伴や井伏鱒二なども温泉を愛し、幸田露伴はここを舞台に小説『対髑髏』を残している[9][15]。宿では温泉を使いきれないため、一部を沼に放流している[16]

シャレ―丸沼やセンターステーション、白根山荘など丸沼高原にある温泉は「座禅温泉」となっている[17][18][19]

積雪のため営業期間は4月下旬から11月中旬ごろまでである[20]

開湯時期ははっきりとしていないが、18世紀末より利用されており、かつては沼入の湯と呼ばれていた[8]。1791年(寛政3年)石工により発見された[5]。あるいは『片品村史』によると、1792年(文化4年)、上小川村の平四郎が案内した珍郷というものが開発し、1798年(文化10年)、珍郷の息子栄次郎が道を開いたという[21]。明治期からは千明森蔵の別荘になっていたが[5]、1933年(昭和33年)、別荘を丸沼観光ホテルとして環湖荘湯沢館が開業し、2001年(平成13年)に環湖荘丸沼館を改築している[22][23]

参考文献[編集]

  • 片品村『片品村史』(1963)
  • 地質調査所『日本温泉・鉱泉分布図及び一覧』(1975)
  • 地質調査所『日本温泉・鉱泉分布図及び一覧』(1992)
  • 木暮敬、萩原進『群馬の温泉』(上毛新聞社、1980)
  • 『群馬県の地名』(平凡社、1987)
  • 『角川日本地名大辞典』(角川書店、1988)
  • 『全国温泉大事典』(旅行読売出版社、1997)
  • 『群馬の源泉一軒宿』(上毛新聞社、2009)
  • 『新ぐんまの源泉一軒宿』(上毛新聞社、2014)
  • 小暮淳『尾瀬の里湯』(上毛新聞社、2015)
  • 週刊朝日編集部『文豪が泊まった温泉宿50』(朝日新聞出版、2019)
  • 「ぐんまの温泉」(群馬県観光局観光物産課、2020)

アクセス[編集]

公共交通機関
JR沼田駅若しくは上毛高原駅から関越に乗車し鎌田下車、沼田駅より57分、上毛高原駅より1時間24分。鎌田からバスを乗り継いで29分、丸沼温泉環湖荘下車[24]
自家用自動車
国道120号・金精道路沿い。関越自動車道・沼田インターチェンジから自動車で44km、85分[6]。なお、毎年12月下旬から4月下旬にかけての間は冬期閉鎖により通行止めとなる。
  1. ^ 『新ぐんまの源泉一軒宿』、p.61
  2. ^ 日本温泉・鉱泉分布図及び一覧』(1992)、p.142
  3. ^ a b 『尾瀬の里湯』、p.125
  4. ^ 日本温泉・鉱泉分布図及び一覧』(1975)、p.41
  5. ^ a b c 角川地名大辞典、p.881
  6. ^ a b 全国温泉百科事典、p.252
  7. ^ 温泉の効能・概要 天然温泉環湖荘、天然温泉(2020.9.8Lastaccess)
  8. ^ a b 『群馬の温泉』、p.124
  9. ^ a b 群馬の地名、p.102
  10. ^ 丸沼温泉 片品村観光協会(2020.9.8Lastaccess)
  11. ^ 『群馬の温泉』、pp.124-125
  12. ^ 『片品村史』、p.552
  13. ^ 文豪が愛した宿 デイリー新潮・開高健は“裏部屋”希望、釣りを楽しんだ「環湖荘」(2020.9.8Lastaccess)
  14. ^ 『文豪が泊まった温泉宿50』、p.104
  15. ^ 文豪らも魅せられて逗留読売旅行×『読売旅行』たびよみ(2020.9.8Lastaccess)
  16. ^ 『尾瀬の里湯』、pp.124-125
  17. ^ 日帰り温泉 丸沼高原(2020.9.12lastaccess)
  18. ^ 宿泊施設のご案内 白根山荘(2020.9.12lastaccess)
  19. ^ 座禅温泉 片品村観光協会公式サイト(2020.9.12lastaccess)
  20. ^ 「環湖荘公式パンフレット」より(2021年度版)
  21. ^ 『群馬の温泉』、pp.123-124
  22. ^ 魅力2 丸沼温泉環湖荘、当館の魅力2018年5月3・10日号掲載(2020.9.8Lastaccess)
  23. ^ 『尾瀬の里湯』、p.124
  24. ^ 関越交通ホームページ 時刻表を参照(2020年9月8日Lastaccess)
  1. ^ 開高健は1969年(昭和44年)から1989年(平成元年)に亡くなるまで15回ほど泊っており、丸沼での釣りを楽しんだという。人目に付くのが嫌からか二階隅部屋を好み、長逗留になっても掃除の従業員も部屋へ入れなかったという(『文豪が泊まった温泉宿50』、pp.104-105)。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]