国鉄タキ6550形貨車 – Wikipedia

国鉄タキ6550形貨車(こくてつタキ6550がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は、日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。

本形式は、塩化ビニール専用の30t積タンク車として1967年(昭和42年)3月16日から同年4月3日にかけ8両(タキ6550 – タキ6557)が富士重工業の1社のみで製作された。その後の1968年(昭和43年)5月31日にホキ5600形より3両(ホキ5629 – ホキ5631)の専用種別変更が行われ、本形式(タキ6558 – タキ6560)に編入された。更に1970年(昭和45年)8月4日にホキ6000形より2両(ホキ6021、ホキ6025)の専用種別変更が行われ、本形式(タキ6561 – タキ6562)に編入された。以上合計13両(タキ6550 – タキ6562)が在籍した。

所有者は、日本ゼオンの1社のみであり、その常備駅は富山県の能町駅であった。その後常備駅は、水島臨海鉄道港東線の東水島駅へ移動した。

本形式の他に塩化ビニールを専用種別とする形式にはタキ12300形(1両)、タキ12400形(1両)、タキ20400形(13両)、ホキ5800形(4両)の4形式が存在した。

1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「燃G23」(燃焼性の物質、高圧ガス、高圧ガス、可燃性のもの)が標記された。

タンク体は普通鋼(一般構造用圧延鋼材 SS41、現在のSS400)製で、その外観はタンク車よりホッパ車に近かった。

塗色は、黒色であり、全長は14,500mm、全幅は2,983mm、全高は3,943mm、台車中心間距離は10,400mm、実容積は66.7m3、自重は19.1t、換算両数は積車5.0、空車1.8、台車はベッテンドルフ式のTR41Cであった。

1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には7両の車籍がJR貨物に継承されたが、1990年(平成2年)1月に最後まで在籍した3両(タキ6558 – タキ6560)が廃車となり、同時に形式消滅となった。

1990年1月の廃車後も車両は暫く東水島駅構内に留置していた。

参考文献[編集]

  • 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
  • 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)

関連項目[編集]