寝屋川夫婦殺害事件 – Wikipedia

寝屋川夫婦殺害事件(ねやがわふうふさつがいじけん)とは、1975年(昭和50年)8月23日に大阪府寝屋川市で発生した強盗殺人事件である。

運転手の男Wが運転するタクシーに、男性客が家の鍵をタクシーに忘れてしまった。
運転手によからぬ思念が湧き、その男性客の家を確認すると、高校生と中学生の息子がいる5人家族が住むマンションだった。

Wは確認だけして鍵を返さないまま、何事もなく時は流れる。

それからしばらくしWは失業保険の不正受給が発覚し、返済を迫られていた。また愛人に泣きつかれ、多額の金が必要になった時、鍵を拾ったあのマンションを思い出しWは夜、その忘れ物の鍵を使い強盗を試みる。高校生の息子、中学生の息子、父親の男三人に対抗するため、 斧を携え、鍵を開け中に入る。

しかし、当時の男性客は転勤しており、その部屋は新婚夫婦が男性から借りていた。Wは夫を斧で斬りつけ、妻も斧で切りつけられた上で金の在処を吐かせる為に、指や足首を切断され性的いたずらもされていた。

性的被害が「いたずら」で済んだ理由は床が血で滑るため事に至れなかったためである。犯人が去ったあと妻が警察に通報し事件が発覚した。

駆けつけた警察は、玄関に鍵がかかっていたため、隣の部屋のベランダを通って窓から入り、二人を見つけた。

発見した時には妻はすでに死亡しており、夫は重体で病院に運ばれたが、翌日に死亡した。夫婦の死因は斧で切り付けられたことによる出血多量。

逮捕されたWは「チェーンが掛かっていたら諦めたのに・・・被害者も悪い」と供述した。

事件の経緯[編集]

1975年8月23日早朝、寝屋川警察署に妻から通報があり警察が駆け付けたところ事件が発覚。
ベランダや窓からの侵入した形跡がないことから当初捜査は難航したが、警察が部屋の所有者に事情聴取したところ以前タクシーに乗った際に財布と一緒に部屋の鍵を落としていたことが判明。当日勤務していたWが逮捕された。
落とした遺失物の鍵を使用した犯行だったため社会に衝撃を与えた。
調べた結果、当日勤務だった当時39歳の男Wが捜査線上に浮上。Wは同年12月7日、クレジットカードの不正使用による遺失物横領・詐欺容疑で大阪府警察に逮捕された。

取り調べの結果、Wは犯行を自供し、詐欺・住居侵入・強盗殺人・遺失物横領・窃盗の罪状で起訴された。

犯人の動機[編集]

Wは失業保険の不正受給が発覚し、返済を迫られていた。
また愛人に泣きつかれ、多額の金が必要になったWは客の落とした鍵を思い出し犯行に及んだのだ。

被告人Wは死刑判決を言い渡され、1980年(昭和55年)11月6日に最高裁で上告を棄却する判決を言い渡されたことにより、死刑が確定した。死刑囚(死刑確定者)となったWは1988年(昭和63年)6月16日、大阪拘置所で死刑を執行されている。

メディア[編集]

奇跡体験!アンビリバボー – 2014年7月24日の放送にて取り上げられたらしい。

  • 中日新聞 1957年1月19日