京王閣競輪場 – Wikipedia

京王閣競輪場(けいおうかくけいりんじょう)は東京都調布市にある競輪場。通称は東京オーヴァル京王閣TOKYO OVAL KEIOKAKU)。施設所有は株式会社京王閣。主催は東京都十一市競輪事業組合[1]。競技実施はJKA東日本地区本部関東支部。レース実況は多摩川電気で担当は岩井憲一。

本項では2014年3月30日より場内に開設される地方競馬の場外勝馬投票券発売所であるofft京王閣(オフトけいおうかく)についても記述する。

京王閣競輪場は1949年9月24日に開設された。もともと敷地は、旧京王電気軌道(現在の京王電鉄の前身)が開設した遊園地「京王閣」であったが、終戦直後に当時の東京急行電鉄(1944年京王電気軌道は東京急行電鉄に合併)が京王閣の敷地の一部を売却し、競輪場が開設された。この経緯により、かつて記念競輪の優勝者には当時の京王帝都電鉄よりトロフィーが贈呈されていた。

1953年6月16日第9競争にて、一着に入った選手を走路妨害で失格処分としたところ、不満を感じた観客約400人が走路へなだれ込み審判長に対し殴る蹴るの暴行に及んだ。駆け付けた警察の介入により観客4人が暴行、器物損壊の疑いで逮捕された[2]

開設から、かつての後楽園競輪場に次ぐ都心からの利便性があったことから常にファンでにぎわい、1972年1月3日には、1日の入場者数としては史上最高の72,657人を記録した[3][注 1]

近年まで入場者数の多さにもかかわらず、施設面では前時代的な雰囲気を漂わせていたことで知られていたが、21世紀に入り場内スタンドの大規模な改修が行われ、その直後の2001年(平成13年)にGIIの共同通信社杯競輪が開催された。その後は2003年・2006年・2009年・2012年・2015年にKEIRINグランプリが、2013年にオールスター競輪が、2015年・2017年・2021年[注 2][4]には日本選手権競輪がそれぞれ開催された。他にも、2015年には日韓対抗戦競輪を開催している。

記念競輪 (GIII) の名称は「ゴールドカップレース」で、2018年までの開催2日目のシード優秀競走は競輪場の通称にちなんで「東京オーヴァル賞」の名称で行われていた。毎年10月に開催されるのが通例となっている。なお、2009年は6月、2010年は7月に時期を移動して開催されていたが2011年は再び10月に戻っての開催となり、2012年度は2013年1月、2015年度は11月から12月、2018年度は5月の開催となった。

2002年10月29日からはナイター競走を「TOKYOミリオンナイトレース」として実施している。そして2004年7月からはA級ツイントーナメントを前半が「イレブンカップ」後半が「オーヴァルカップ」の名称で実施していたが2005年6月24日を以て終了した。

トータリゼータシステムは富士通フロンテックを採用している。1991年9月に全国の競輪場で始めてマークシート方式を導入した[5]。なお2009年11月16日より重勝式投票にあたるKドリームスの発売を開始したが、この時にセガサミーホールディングスの子会社であるサミーネットワークスが『競輪TOWN』という独自の投票サイトを立ち上げている。

CS中継の制作は、多摩川電気が担当している。現在のメインMCは中田まみが主に担当しているが、中田が担当出来ない場合は江藤みきや津田三七子が担当している。解説は、恩田繁雄・山口健治・後閑信一が担当する事が多い。CS放送は、YouTube Liveでサイマル配信を行っている。また2021年6月からは、CS中継とは別にYouTube Liveで独自配信を開始した[6](それまでも、グレードレースの場合は独自で配信を行っていた)。

かつてマスコットキャラクターとして怪獣をモチーフとした「ジャン太」がいたが[7][8]、現在は使われていない。

バンクの特徴[編集]

1周400m。緩和曲線はマッコーネル(マッコンネル)[9]。クセがなく直線の長さも標準的なバンクだが、カントが若干緩く全速で外側に膨れる傾向があり、併走時にはイン側有利。

バックスタンド裏は道路を挟んで多摩川の河川敷となっているため、風が強い時は場内へ吹き込む影響がある。ただし地理的に内陸部のため、常に風が吹くようなことはない。

大画面映像装置は1センターに設置されている。なお、以前は500型相当のスクリーンが使用されていたが、2015年10月19日の開催から完全デジタル化に伴い、約32:9の1100型スクリーン(競輪界最大)が使用開始された[10][11][12]

場外車券売場[編集]

歴代記念競輪優勝者[編集]

※1節4日間制開催となった、2002年4月以降の歴代記念競輪優勝者を列記。

offt京王閣[編集]

2014年3月30日よりバックスタンド3階を改装し、地方競馬の会員制場外勝馬投票券発売所『offt京王閣』を開設した。発売されるレースは大井競馬場を中心とした南関東公営競馬4場と、その他の地方競馬の一部レースが対象となる。競輪場内に競馬の場外馬券売場が設置されるのは国内初[13]。なお、施設は会員制となり、入場には入会金1000円と登録が必要となる。年会費は無料で無期限有効。

offt京王閣が開設されて以降、競輪開催時にバックスタンドが使われているのは特別競輪開催時のみになっている。

アクセス[編集]

関連項目[編集]

  • 京王閣 – 戦前に京王電気軌道(現・京王電鉄)が経営していたレジャー施設。
  • 京王遊園 – 戦前の京王閣の近隣にかつて存在した遊園地。跡地の東側部分は京王テニスクラブとなっている。
  • 京王フローラルガーデンANGE – かつての京王百花苑。
京王遊園・京王百花苑ともに戦後、京王閣競輪場と同時期に開設されている。

注釈[編集]

  1. ^ これは馬インフルエンザの流行で近隣の東京競馬場が開催中止となり、その客が流れ込んできた影響も含まれている。
  2. ^ 当初は事前に抽選を行った上で入場制限を行って開催される予定だったが、緊急事態宣言が再発令された事もあり無観客開催に変更された。

出典[編集]

外部リンク[編集]