中国銀行 (日本) – Wikipedia

株式会社中国銀行(ちゅうごくぎんこう、英称:The Chugoku Bank,Limited)は、岡山県岡山市北区に本店を置く地方銀行。岡山県の指定金融機関である。広島県(特に備後地方)と香川県の全域にも多くの店舗を展開する。略称は中銀(ちゅうぎん)。

概要

岡山県及び広島県備後地方や香川県にあった数多くの中小銀行が、合併と買収を繰り返すことによって成長した地方銀行で、1930年(昭和5年)12月21日に第一合同銀行と山陽銀行が合併して中國銀行として設立されて以降、岡山県内最大の銀行として存在している。

本拠地の岡山県内において、本行をメインバンクと認識している企業が最も多く、帝国データバンクが2020年(令和2年)に発表したメインバンク実態調査では2万3957社のうち1万1311社でシェア47.21%を占めている[3]

本行最古の前身は現在の高梁市に設立された第八十六国立銀行である。同時期に岡山市では第二十二国立銀行が設立されており、当時はこちらが岡山県最大の銀行として地域経済に多大な影響力を有していたが、日清戦争後に発生した恐慌の煽りを受けて経営状態が急激に悪化したため、安田財閥の救済を受ける形で系列入りし、1923年(大正12年)11月1日に安田銀行(現みずほ銀行)へ統合されたことにより、地方銀行としては岡山県から消滅した。

店舗

本店を置く岡山県内のほか、岡山県に隣接(香川は瀬戸大橋を通じて)している広島県・香川県・兵庫県にも複数の店舗を有する。大都市圏店舗は大阪市中央区・東京都中央区に各1。このほか、四国中央市(愛媛県旧川之江市)・米子市(鳥取県)にも店舗を有する。海外店舗は1(香港)。

倉敷美観地区にある旧中国銀行倉敷本町出張所(旧第一合同銀行倉敷支店)は、1922年(大正11年)に竣工したルネサンス風建築であり、倉敷市の重要文化財に指定されている(2018年12月10日指定[4][5])。

備後地方(広島県東部)は中国銀行にとっては準地元で、製造業を中心とした中堅・中小企業が多いことから、従来より重点エリアと位置づけており、福山市内ほかに多数の店舗を配置し、広島銀行ほかと競争を繰り広げている。福山市役所近くの国道2号と福山駅前通りの交差点(福山郵便局前交差点)では、中国銀行福山支店と広島銀行福山営業本部が福山駅前通りを挟む形で立地するほか、みずほ銀行福山支店は交差点の対角、福山郵便局(ゆうちょ銀行福山店)は交差点の対面に位置しており、百十四銀行福山支店は中国銀行福山支店に隣接している。

行名に「本店 岡山市」が併記された例。大阪支店。

東京・大阪・神戸(ほか兵庫県南東部)の各支店の看板には、日本にも進出している中華人民共和国の商業銀行である中国銀行(バンクオブチャイナ)と区別するため、他の店舗にはない「本店 岡山市」の文字が書き添えられている[注釈 1]

ニューヨークにはかつて、世界貿易センタービルの北棟90階に支店があったが、アメリカ同時多発テロで同ビルが倒壊したため、海外駐在員事務所に格下げしている[6]。海外駐在員事務所は、上海、シンガポール、バンコクにもあり、上海においては、「バンクオブチャイナ」との区別のため、「日本CHUGOKU銀行」と表記している[7]

2021年11月現在、茶屋町支店長兼藤戸支店長は現役の弁護士(インハウスローヤー)が務めている。日本において弁護士が銀行の支店長を努める例は他にないと考えられている[8]

営業政策

個人市場

クレジットカード一体型ICキャッシュカード「DREAMe-W」(ドリーミーダブル)のTVCMには永島旭頭取(当時)が自ら出演していた。また2011年には在阪テレビ局各社にて、兵庫県の明石支店の新設告知(2011年6月)を案内したCMにも永島が出演し、さらに、在阪ラジオ局でも出演のCMが流されるなど、広告塔を担っていた。

第9代頭取の宮長雅人も在阪局向けのラジオCMに出演していた。

テレビCMでは、2015年5月放送開始回より、オスカープロモーションの千田絵民を起用。直近では2019年2月にリニューアルが行なわれている。

2020年4月には、中期経営計画の内容をストーリー化したイメージ映像を公開。制作には、岡山県出身の若手映像クリエイター、板谷勇飛を起用した[9]

地元金融機関との提携

岡山県内に本店を置く金融機関のうち、中国銀行とトマト銀行・岡山県下全信用金庫(おかやま・水島・津山・玉島・備北・吉備・備前日生)および笠岡信用組合のあわせて10金融機関におけるATM・CD相互出金利用手数料無料提携を行なっている(おかやまATMネットサービス)。

沿革

  • 1878年(明治11年)12月9日 – 第八十六国立銀行が上房郡高梁下町(現・高梁市)に設立される。
  • 1891年(明治24年)7月11日 – 倉敷銀行が、窪屋郡倉敷町(現・倉敷市)に設立される。
  • 1919年(大正8年)9月30日 – 倉敷銀行、鴨方倉庫銀行、倉敷商業銀行、茶屋町銀行、天満屋銀行、日笠銀行の6行が合併して株式会社第一合同銀行(資本金650万円)が岡山市下之町に設立される。

旧中国銀行倉敷本町出張所(旧第一合同銀行倉敷支店)は、倉敷市指定重要文化財(2018年12月10日指定)となっている。

店舗の動き

※廃止日は最終営業日

ATMの提携

歴代頭取

関係会社

連結子会社

  • 中銀リース(岡山市)
  • 中銀証券(岡山市)
  • CBS(岡山市)
  • 中銀事務センター(岡山市)
  • 中銀保証(岡山市)
  • 中銀カード(岡山市)
  • 中銀アセットマネジメント(岡山市)

非連結子会社

  • 株式会社せとのわ
  • 中銀投資事業組合4号
  • ちゅうぎんアグリサポートファンド投資事業有限責任組合
  • ちゅうぎんイノベーションファンド投資事業有限責任組合
  • ちゅうぎん農業ファンド投資事業有限責任組合
  • ちゅうぎん晴れの国インフラファンド投資事業有限責任組合
  • ちゅうぎんブリッジファンド投資事業有限責任組合
  • ちゅうぎんインフィニティファンド1号投資事業有限責任組合

関連会社

  • おかやまキャピタルマネジメント

関連財団

  • 一般財団法人岡山経済研究所(岡山市)
  • 公益財団法人吉備路文学館(岡山市)

バリアフリー

障がい者のうち、ATM操作ができないなどの理由で窓口対応せざるを得ない者に対し、窓口対応であっても手数料はATM利用時と同じ料金体制としている。また、視覚障がい者でもATM利用できるように、音声案内機能が付いたATMを設置している[15]

その他

バレーボール、V.LEAGUE DIVISION1(V1リーグ)の岡山シーガルズのメインスポンサーでもある[16]

銀座にある有名な「中銀カプセルタワービル」はデベロッパーの中銀(なかぎん)グループ、山梨県の「山梨中銀スタジアム」は山梨中央銀行に由来し[17]、中国銀行とは無関係である。

脚注

注釈

  1. ^ 東京・大阪・神戸・西宮の各支店案内サイトには「(銀行指南)歓迎光臨。我行是一家日本銀行,総行位于日本岡山市。我行与中華人民共和国的中国銀行(BANK OF CHINA)是両家不同的銀行。(ご案内)弊行は本店が岡山県岡山市に存在する日本の銀行であり、中華人民共和国のBANK OF CHINA(中国銀行)とは関係ありません。」と中国語及び日本語で注意事項が記載されている。また神戸市には「バンクオブチャイナ」の支店が2011年11月に設置されたが、日本の中国銀行神戸支店所在地のすぐ裏手が中華街(南京町)という土地柄から、誤解を避けるためにバンクオブチャイナ進出前から書き加えられている。
  2. ^ この旧香川銀行は香川県内に本店を置くこと以外、現存する第二地方銀行の香川銀行とは無関係で(現在の香川銀行は1943年(昭和18年)に香川県内の5つの無尽を合併して設立した香川無尽株式会社が発祥で、その後香川相互銀行を経て現行名に変更された経緯を持つ)、旧香川銀行は1926年(大正15年)に綾歌銀行と大内銀行が合併により設立した銀行である。
  3. ^ 業務継承店:観音寺支店
  4. ^ 業務継承店:三本松支店
  5. ^ 香川県内には原則として単独の店舗外ATMコーナーを設置していない(香川銀行幹事の共同ATM。ちなみに岡山県内では立場が逆になる)が、この両支店の廃止に関しては単独のATMコーナーを残している(引田は後にマルナカ引田店内に移転)。
  6. ^ 業務継承店:井原支店
  7. ^ 個人取引のみ、法人取引の業務継承店:倉敷支店
  8. ^ 業務継承店:岡南支店・倉敷支店
  9. ^ 業務継承店:玉島支店
  10. ^ 業務継承店:千年支店
  11. ^ ブランチインブランチとなる
  12. ^ 業務継承店:松永支店
  13. ^ 業務継承店:田ノ口支店
  14. ^ 業務継承店:福山胡町支店
  15. ^ 業務継承店:福山南支店
  16. ^ 業務継承店:津山支店。これに伴い、山陰合同銀行からの申し出により、中国銀行がそれに応える形で、中国銀行の勝山支店・久世支店・落合支店・湯原支店・北房支店・日本原支店・勝間田支店・林野支店・江見支店・大原支店・周匝支店へ取引銀行の変更手続きが容易にできるよう配慮された。
  17. ^ 業務継承店:高松東支店
  18. ^ 旧店舗と屋島支店の建物はすでに解体され、跡地には高松信用金庫が新築移転している。
  19. ^ 法人取引の業務継承店:赤磐支店
  20. ^ 個人取引のみに変更。法人取引の業務継承店:笠岡支店。当面は仮店舗での営業となる。笠岡支店が移転した後、その跡地に新築移転。
  21. ^ 業務継承店:笠岡支店
  22. ^ 業務継承店:府中支店
  23. ^ なお、仮店舗(旧・府中東支店)については2008年4月18日まで単独のATMコーナーを残している。
  24. ^ 旧三菱東京UFJ銀行高松支店(旧三和銀行→UFJ銀行)跡。2012年2月現在は四国銀行高松支店の仮店舗となっている。
  25. ^ 業務継承店:観音寺支店
  26. ^ 広島ちゅうぎんビル3階。同ビル1階に広島支店が入居。
  27. ^ 旧川之江商工会議所跡。
  28. ^ 当面はブランチインブランチとなる
  29. ^ 旧いちよし証券岡山支店ビル1階。
  30. ^ 業務継承店:倉敷駅前支店。これに伴い、建物は公益財団法人大原美術館に寄贈された。

出典

関連項目

外部リンク