フジテレビ湾岸スタジオ – Wikipedia

フジテレビ湾岸スタジオ(フジテレビわんがんスタジオ)とは、東京都江東区青海(FCGビル(通称:フジテレビ本社ビル)とテレコムセンターの間)にあるフジテレビジョンが所有するテレビ放送・テレビ番組収録兼用のスタジオである。同局の開局50周年記念事業の一環として建設され、名称は一般公募約1万4300件の中から選ばれた。通称「湾岸スタジオ」。第50回BCS賞受賞[2]

フジテレビジョン本社(FCGビル)から徒歩で約10分の敷地(世界都市博覧会会場予定地の一部)に、「デジタル・コンテンツ・ファクトリー」を建物コンセプトに据え、整備されたスタジオである。2007年9月にオープンした[3][4]

従来東京都内に分散していた同社系列の番組収録スタジオ(渋谷ビデオスタジオ、フジテレビ砧スタジオ(TMC)(共に閉鎖・退去)等)を統合・集約し、作業効率・費用効率の向上、企画から収録・編集・放送までの一貫したコンテンツ制作体制の構築を目的として建設された。

当初はフジテレビジョンの親会社だったニッポン放送と共同で建設し、ラジオスタジオも設ける予定であった。しかしライブドアによるニッポン放送の敵対的買収事件を契機とした資本関係の見直しで、フジテレビジョンはニッポン放送を完全子会社にした。これに伴い、共建及びラジオスタジオ設置計画も解消され、フジテレビジョン単独での建設に移行された。

設計・施工は本社ビルの施工を担当した鹿島建設が特命で受注した[3]。ほかに設計協力者としてサウンズ建築設計事務所(スタジオ)、ランドスケープデザイン(ランドスケープ)が名を連ねた[1]。総工費は約580億円。

地下1階・地上7階建ての建物には、大中8つのスタジオが配され[4]、スタジオ内部はもちろんのこと、控え室やリハーサル室、オフィス、屋上や外構に至るまで撮影に使えるよう工夫を施した[5]。出演者用控え室は68部屋、駐車場には237台の駐車が可能。フジテレビ地上波の番組収録以外にも、主に本社であるFCGビル内の中規模なV7スタジオから放送しているBSフジの放送スタジオとしての使用や、同じく主に本社内の小規模なVGスタジオから放送しているフジテレビONE、フジテレビTWOの代替施設として、現在一部の番組収録に使用されている。

名称は、フジテレビが台場のみならず、東京ディズニーリゾート、横浜みなとみらい21と並ぶ、東京湾岸エリアの全国区の知名度を誇っているシンボル的存在となっていることを踏まえ、東京湾岸エリアを横断する首都高速湾岸線から採られた。

台場本社と異なり、建物内は一般人の立ち入りが完全に規制されている。

開業当初は、展示ギャラリー・ショップ等があった1階と屋上庭園が一般にも公開されていた。

2011年より、「TOKYO IDOL FESTIVAL」の会場として期間中はバラエティ収録用のスタジオや屋上などにステージが設けられる。一般見学休止中のため、関係者以外が湾岸スタジオ屋上に立ち入ることができる数少ない機会となっている。その際には隣にある公園も会場となる。

建物は、外周を高さ約30m、長さ約600mに及ぶプリーツ英語版状のガラスカーテンウォールで包み込んだ。これは海風から建物を守る防風スクリーンとして機能する。西側に面した居室にはダブルスキンを採用して、自然換気を可能にした。東面の4層吹き抜けのレストランでは、直径10m、高さ20mの「エアチューブ」とルーバーの組み合わせで自然換気する仕組みも導入した[6]

スタジオ[編集]

建物の中心部に巨大スタジオを田の字型に置き、その外側を取り囲むように美術倉庫を配置。2層に積み重ねた計8室のスタジオは下層のスタジオはバラエティ系、上層はドラマ系が使用するとした[7]。使用するスタジオを番組の用途別に分け、大道具の入れ替えが比較的激しいバラエティ・音楽番組と、逆に大道具を立てたままにしておくことの多いドラマの収録エリアを分離することで、効率の良いスタジオ運用を可能としている。

5つの編集室があり、そのうち2室はノンリニアマルチカメラ編集室でスタジオ収録からリアルタイムで最大16面までのデジタイズ処理が可能になっている。また、IMAGICA Lab.の品川プロダクションセンターとの約3.0km間を専用回線で結んでおり、遅延なしのリアルタイムでのポストプロダクション作業をフジテレビ湾岸スタジオと品川で並行して行うことが可能になっている。FCGビルとの間に大容量の双方向光ケーブルが敷設・運用されており、この施設内のスタジオからも生放送が可能である(ただし、生放送を行う場合、本社側の副調整室も開く必要がある)。

全スタジオともデジタルハイビジョン対応。

エコ[編集]

高さ約4mの風力発電機8基を設置。最上部に太陽光発電システムを取り付け、夜間照明の役割も果たす[4]。また、江東区の緑化基準を満たすため、屋上など敷地内に1万本以上の植樹を施し、従来のスタジオよりもエネルギー消費量を約2割削減して省エネルギー化を図った。これによってCASBEEのSランク評価の認定を受けた[5]

一般見学[編集]

オープン当初は一般見学が可能であったが2008年4月1日から休止しており、現在は以前に一般見学用施設だった場所を改装し、学校向けの職業体験型学習プログラム『フジテレビのお仕事!めざましテレビを作ろう!!』用の模擬スタジオ・サブ等の施設が設置されている。なお、同プログラムに参加する生徒・学生及び職員はプログラム参加当日の湾岸スタジオの見学及び湾岸スタジオ内関係者用食堂の利用が可能となっている。

※以下は2008年3月31日までの内容である。

項目 概要
一般見学エリア 1階ロビー「湾岸ミュージアム」、1階「イベントコーナー」、屋上庭園「ゆめファーム」
休館日 火曜日
営業時間 10:00 – 18:00(最終入場は17:30)
入館料 無料
湾岸ミュージアム 湾岸ミュージアムとはフジテレビなどが製作した映画で役者が実際に使用した衣装や小道具などを展示しているコーナー
イベントコーナー イベントコーナーでは今後フジテレビのアナウンサーなどのトークショーや、湾岸スタジオのテーマでもあるエコに関するイベントを開催
ゆめファーム ゆめファームは『北の国から2002遺言』で紹介された産業廃棄物で造られた家=拾ってきた家のコンセプトに基づき建てられた夢の小屋である。
なお、この小屋はフジテレビの美術スタッフと北の国からの舞台である富良野市の職人の手により建てられた。
また、小屋の周りには庭園も造られ、様々な植物が育てられている。

湾岸スタジオで収録される主な番組[編集]

現在放送中のドラマ[編集]

レギュラー番組[編集]

月9[編集]
木曜劇場[編集]

スペシャル番組[編集]

現在放送中の音楽番組[編集]

レギュラー番組[編集]

スペシャル番組[編集]

現在放送中のバラエティ番組[編集]

レギュラー番組[編集]

スペシャル番組[編集]

放送終了及び過去に収録された番組[編集]

バラエティ[編集]

スペシャル番組[編集]

ドラマ[編集]

月9[編集]
火9(2015年3月まで)[編集]
水10(2013年4月から)[編集]
木曜劇場[編集]
金曜ドラマ(2014年3月まで)[編集]
土曜ドラマ(2009年9月まで)[編集]
土ドラ[編集]
2014年9月まで[編集]
2015年4月から[編集]
ドラマチック・サンデー(2013年3月まで)[編集]
日9(2016年4月から)[編集]

関連項目[編集]

技術・美術関連[編集]

技術
照明
美術
ポスプロ

テレビスタジオ関連[編集]

外部リンク[編集]