仏教(佛敎、ぶっきょう、サンスクリット: बौद्धधर्म、英語: Buddhism)は、インドの釈迦(ゴータマ・シッダッタ、ガウタマ・シッダールタ、ゴータマ・シッダールタ)を開祖とする宗教。仏陀(仏、目覚めた人)の説いた教えである[1]。 世界的にもキリスト教・イスラム教に次いで幅広い国々へ広がっており、世界宗教の一つとみなされている。特に東アジア、東南アジア、南アジア で広まっており、日本でも多くの信徒がおり、出版物も多い[注釈 1]。 その教義は苦の輪廻から解脱することを目指している。原因と結果の理解に基づいており、諸々の現象が縁起するとされる[2]。 仏教は釈迦仏、その教えである法(ダルマ)、その実践者である僧からなる三宝を中心に組織されている。実践における戒定慧の三学は、戒律、心を集中する禅定、ものごとの縁起を観察する智慧であり、後ろ二つは併せて止観とも呼ばれる仏教の瞑想法である。実践にて重要となる能力は六波羅蜜や八正道のように、いくつかの方法でまとめられている。 紀元前450年ごろにインドで開始され、今では初期仏教として研究されている。釈迦は、他の宗教者の主張であるアートマン(真我)の存在を否定して無我とした[4]。釈迦の死後数百年で部派仏教が生まれ、大きく大衆部と上座部とに、さらに細かく分かれたが、今なお大きな勢力として続いているのは南方に伝播した上座部仏教であり、初期の教えを模範としている。紀元前の終わりごろには北方に伝播し日本にも伝わることになる大乗仏教が開始され、教義や団体は多彩に発展しており、禅の瞑想法の様々、チベットや日本の真言宗に残る密教、一方で浄土信仰のような信仰形態の変化など多様である。なお、『日本書紀』によれば仏教が伝来したのは飛鳥時代552年(欽明天皇13年)と記述がある(日本の仏教)。 世界観[編集] dukkhā jāti punappunaṃ.繰り返し行われる 生(ジャーティ)は苦である[5] 仏教の世界観は必然的に、仏教誕生の地であるインドの世界観である輪廻と解脱の考えに基づいている。人の一生は苦であり永遠に続く輪廻の中で終わりなく苦しむことになる。その苦しみから抜け出すことが解脱であり、修行により解脱を目指すことが初期仏教の目的とされていた。 輪廻転生・六道・仏教と神[編集] 仏教においては、迷いの世界から解脱しない限り、無限に存在する前世と、生前の業、および臨終の心の状態などによって次の転生先へと輪廻するとされている。部派では「天・人・餓鬼・畜生・地獄」の五道、大乗仏教ではこれに修羅を加えた六道の転生先に生まれ変わるとされる。生前に良い行いを続け功徳を積めば次の輪廻では良き境遇(善趣)に生まれ変わり、悪業を積めば苦しい境遇(悪趣)に生まれ変わる。 また、神(天)とは、仏教においては天道の生物であり、生命(有情)の一種と位置づけられている。そのため神々は人間からの信仰の対象ではあっても厳密には仏では無く仏陀には及ばない存在である。 因果論[編集] ドミノ倒し。仏教では「AによってBが生ずる」と因果性を説く(縁起)[2]
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