チ。-地球の運動について- – Wikipedia
『チ。-地球の運動について-』(チ。-ちきゅうのうんどうについて-)は、魚豊による日本の青年漫画。『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて、2020年42・43合併号から連載中[1]。 「15世紀のヨーロッパを舞台に、禁じられた地動説を命がけで研究する人間たちの生き様と信念を描いた」フィクション作品[2]。 2021年1月8日時点で、単行本の累計発行部数は180万部を突破している[3]。 制作背景[編集] 著者の魚豊は前作『ひゃくえむ。』で青春のクラブ活動を描いたため、次は人が死亡するようなサスペンス劇に挑戦したくなったという。魚豊は次のように語っている[2]。 中世のヨーロッパって、自然科学の知性と、暴力的なフィジカルが渾然一体と結びついています。そのアンバランスさが、現代から見たら面白く映るのではと。 天動説から地動説へ移行する、知の感覚が大きく変わる瞬間がいいんですよね。哲学と結びついて、「コペルニクス的転回」や「パラダイムシフト」って言葉が生まれるくらいの衝撃を与えました。その瞬間が面白くて、漫画にしようと決意しました。 ただし、現代の日本では「中世ヨーロッパでは、地動説を唱える者への激しい迫害・弾圧があった」と信じられていることが多いが、実際の歴史ではそのような記録は残されていない[2]。 魚豊は「この勘違いも面白く感じて、テーマにしたい! と思った」と語っており、本作で描かれる「地動説への苛烈な迫害」は虚構のものである[2]。 しかし、近代化によって宗教の絶対性が揺らいでいったことは事実であった。そういった時代の変わり目に、人々の価値観が変わっていく様子を描いた[2]。 『チ。』という題名の意味は、大地(だいち)のチ、血(ち)のチ、知識(ちしき)のチの3つからなる[2]。 また『。』(句点)をつけた意図は、魚豊の好みでもあるが(前作『ひゃくえむ。』でもつけた)、主眼は「句点は文章の終わり、停止を意味する」ことにある。魚豊は次のように述べている[2]。 大地が停止している状態を「。」で示していて、そこに地動の線(チ)がヒュッと入ることで、止まっていたものが動く状態になる。「地球は動くのか、動かないのか」を「。」で表現しています。 さらに、『チ。』という一文字と句点のみの題名にすることで、インターネットで検索をしづらくする狙いもある。魚豊がインターネットで作品名を検索(エゴサーチ)して他者の意見から影響されることを防ぎ、さらには読者が他者による感想に触れずに自分だけの意見を持つことを志向した[2]。 あらすじ[編集] 15世紀前半のヨーロッパの『P王国』では、『C教』という宗教が中心となっていた。地動説は、その教義に反く考え方であり、研究するだけでも拷問を受けたり、火あぶりに処せられたりしていた[4]。その時代を生きる主人公・ラファウは、12歳で大学に入学し、神学を専攻する予定の神童であった[5]。しかし、ある日、地動説を研究していたフベルトに出会ったことで地動説の美しさに魅入られ、命を賭けた地動説の研究が始まる。 登場人物[編集] 第1章[編集] ラファウ
Continue reading
Recent Comments